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デザイナーとして求められる資質|デザイン苦手さん、非デザイナー必見
デザイン業界24年、デザインスクール業を13年やってきて
「誰でも簡単にできる仕事ではない」
「向き・不向きがある」
ということが私なりに見えてきました。
ということで、私が思う
「デザイナーとして求められる資質」
をまとめてみました。
目の前の事象を分解する
それらを整理する
それらをわかりやすい何かに置き換える
表現する
Webデザイン、グラフィックデザイン、どちらもこの流れがベースだと思います。
これらの力がないとデザインするのは難しいだろうって思います。
先天的なものか。
後天的に環境に育まれるものか。
学習や努力で身に付くものか。
慣れもあるかと思いますが、
・遺伝子的にそういうのが得意
・幼少期からたまたま同じようなことを遊び等の中でやってた
上記のような人と、そうじゃない人の差は大きいのかなって考えています。
思考のベースになるもの
記憶
人は自分が知らないものを想像することができません。
夢で見ることもできません。
アイデアのベースはいつも何かの記憶です。
自己の体験。
他者の体験としての知識。
レベルの高い広告をたくさん見る。
レベルの高いWebサイトをたくさん見る。
それらは当たり前なんですが、それだけではなく、映画、アニメ、漫画、音楽、お笑い、エンタメ、テーマパーク、人の行動…。
世の中いろんな場所に天才がいます。
そして、感動があります。
人がつくるものには私達のデザインと同様に何らかの意図があります。
そこには共通項があるものも多いはず。
人の感動のシステムのヒントが無限にあるはず。
デザイン以外の中もヒントだらけです。
あと、人が作ってないもの=自然もたくさん見て、感じるべきですね。
私達は自然から本能的に情報収集してきました。
自然の中にもいっぱいヒントはあるはずです。
そこら中にヒントだらけなのに、
「デザインとは関係ないもの」
として、無意識で素通りしちゃってるのではないでしょうか。
自分の外(他人・社会)への意識
自分に興味がある人
自分の外(他人・社会)に興味がある人
2種に分かれると思うのですが、私は前者はデザイナーに向かないって思ってます(そういうデザイナーもいますが…)。
私達は何かをデザインする時に
・ユーザーのこと
・クライアントのこと
を考え、
様々な条件
を考慮します。
これら全て自分の外側の事象です。
「自分だったらどう思うか?」
はすごく大事な視点ですが、
世の中にはいろんな人がいること
それらはいくつかのパターンに分類され、似たような行動を取ること
が発想のベースにないと、独りよがりなデザインになってしまいます。
「仕事の時だけ外への意識を高めて、普段は自分のことしか意識しない」
という人は、外の情報量が少なすぎるだろうとは思います。
他人の苦痛を排除し、他人に快楽を与える。
それが幼い頃から日常だった人はやっぱり強いはずです。
使用するもの
国語
語彙力
読解力
文法
文章力
これらが国語でやることだと思うのですが、全部デザイナーに必要な力だと思います。
クライアントの言いたいことは文章です。
「語彙力」がないと、何を言っているのかわかりません。
「読解力」がないのも、何を言っているのかわかりませんし、言葉の裏にある深層心理にも気づけません。
「文法」を知らないと、言葉と言葉に分解できません。
「文章力」がないと、分解した言葉と言葉を再構築できません。
自分の知らない言葉はすぐに知ろうとすること
たくさん本を読むこと/いろんな人の話を聞くこと
たくさん考えること/細かく分類して考えること
たくさん文を書くこと/いろんな人に話をすること
これらが国語力を上げてくれるものだと思うのですが、大人になってから「じゃ、それらに取り掛かろう」と思う人よりも、幼い頃からそれが当たり前の中で生きている人の方が普通はアドバンテージがあるはずです。
広告デザインは
「言葉だけではなく、絵を使って文章を書くこと」
って、私は考えてます。
私の中では、文章を書くより頭を駆使します。
算数
私はお仕事の中でめっちゃ計算します。
数値化できる計算
数値化できない計算
足し算、引き算、掛け算
デザインのお話をする時に「差」の話をします。
大きな差
小さな差
差がない
永遠の三択問題です。
大きな差 → コントラストを生む/うるさい
小さな差 → リズム感を生む/目立たない
差がない → 統一感を生む/単調
左が効果、右が弊害です。
バランス次第で良くも悪くもなってしまうものです。
「差」ということは、どこかで数値化してるんです。
色の量(面積、彩度、明度)
余白の大きさ
縦横の比率
このあたりを数値化して「差」を考えています。
「数学」っていうより「算数」ぐらいのレベル、四則演算レベルなんですが
「数値化できないものを数値化する力」
を身につけるのはとても大変な作業だと思います。
色・形
デザインの最終工程「表層」は「色・形を利用した情報伝達法」と私は考えています。
「色」と「形」の理屈を理解していないと当然できません。
当てずっぽうです。
ただただ、文字と画像と線と面を適当にサイズを決めて並べているだけの何かです。
色にも
大きな差
小さな差
差がない
があります。
色相、彩度、明度という「色の三属性」があり、それぞれの差を利用して私達は表現します。
「色の三属性」や「視覚のシステム」を理解せずに配色したり、指導するのは私には不可能です。
表層において、色以外の要素は全て形です。
レイアウトは「形」を使った情報伝達法です。
レイアウトが苦手な人に多いのは、「レイアウトの形」の意識が低いことだったりします。
書体(フォント)も「形」です。
求める機能や伝えたいイメージごとに最適な書体は変わります。
それを使い分けれるようになるまでに私は年単位の時間と経験が必要だと考えています。
文字についてお教えさせていただく時に
「文字は人の声に置き換えて考えましょう」
とよくお伝えするのですが、いろんな人の声があり、それぞれに特徴があるように、書体にも特徴があります。
アナウンサーに正確に伝えてほしいのか?
人間味あふれる人に伝えてほしいのか?
そのような意図が書体を決めます。
まとめ
簡単に書こうと思ったつもりが長くなってしまいましたが、やっぱりそれぐらい細かいことなんだと思います。
生徒やオンラインサロンの方の添削をする度に
「小姑みたいでイヤやな…」
とちょっぴり自己嫌悪感も感じていますが、やっぱり細かいんです。
大胆な発想力もとてつもない武器になるお仕事ですが、細かさという最低条件がないと台無しです。
もちろん万能な人なんてなかなかいないので、どこかに自分の強みを見つけ、戦っていくしかありません。
どうしても自分が苦手なことは、そこが得意なパートナーを見つけたり、自分の得意を活かせるチームで働いていくことが理想なのかなって思います。
自分をつくる、自分をデザインするのは自分です。
皆さんに最高の自分に少しでも近づいてもらえたらなって思っています。
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