見出し画像

未経験からデザイナーになれるのか?[2025年版]

現役のデザイナー全員、未経験からデザイナーになったわけなので、未経験からデザイナーになれます。

「美大じゃないと…」

と思ってしまいそうですが、現場には美術系の学校出身じゃない人もたくさんいます。

私も美術系の学校出身じゃないので、できない人、やらない人、伸びない人の言い訳と思って聞いてます。

そんな感じで2025年の状況をスクール代表者としての距離間、日常生活を送る中での感じること等から

「未経験からデザイナーになれるのか?」

なお話をしてみます。

制作系の会社への就職・転職

「デザイナー(Webデザイナー)になるなら、まずは制作会社で経験積もう!!」

制作系の会社で経験を積んだ現役デザイナーは皆そう言うでしょう。

仕事の流れ、役割分担、求められるクオリティ、費用感、時間感…。

それは今あるところに入らせてもらって、ちょっとずつ慣れていく方が絶対にいいです!!

が、しかし。

デザイナー、Webデザイナーへの就職のハードルはめちゃくちゃ高くなっていると思います。

現場側の視点で考えると

「当たり前の準備をしてきてね」

って話です。

ですが、「当たり前」のハードルがとてつもなく高い気はします。

「デザイナー(Webデザイナー)になりたい!!」

という強い思いがあり、それを持続でき、難しいことがあっても諦めずに乗り越えていける思いやメンタリティの持ち主。

もしくは、デザイナーとして求められる表現力、思考力、想像力にアドバンテージのある方(これをセンスという人が多いのかな、と)。

そういう方々なら乗り越えられる壁だと思うのですが、「普通の人」には高すぎる壁なような気がします。

「自分のレベル」を自分で知ることが難しかったりするので、独学でデザインを学ぶ方の高い壁になるかもしれません。

スクール等でプロからフィードバックをもらえる環境が必要になると思いますが、その「プロ」のレベルもマチマチです。

スクールをやってて

「世の中の人はプロのデザイナーは全員同じ能力を持っている」

と思ってるのでは?と感じます。

どのジャンルでもレベルの差が存在するように、デザイナーの能力にもレベルの差がありますし、フィードバックをする能力にもレベルの差があるわけです。

デザインコーチング能力が高い講師にたまたま出会えるかが重要ですね。(私の知り合いだと大阪に一人います。あ、私ですね。手前味噌。)

という感じで、上記のような壁を乗り越えることができ、なおかつ「20代」であることが制作系の会社への就職・転職の条件のような気がします。

年齢的な部分で30代以上の方々は、誰が見ても

「この人を雇用したい!!」

と思わせるだけのポートフォリオを作成し、自己のレベルをアピールするしかないと思います。

※会社によって求められる能力もいろいろ変わりますが一般論として…

フリーランスとして独立

私も「未経験からフリーランスのデザイナー」には反対です。

前記のような仕事の全体像を掴めないということに含め

「環境由来の成長にあまり期待できない」

のが私の中で大きいです。

「当たり前のレベル」

が違うと思うのです。

必死のパッチでそこに追いつこうとして、いつの間にか半人前、一人前のデザイナーになっている業界だと思っています。

なのですが、これも前記のように就職へのハードルが高すぎるのです。

参加者が多いのにイスが少なすぎるイス取りゲームに人生を賭けるのはリスクが高すぎます。

広告を取り巻く社会の状況の変化

ここ2年ぐらい?

私が目にするWeb広告(バナー、LP)。

ポストに投函されているチラシ、パンフレット。

「素人がつくったんだ」

と思うことが多いです。

体感でいくと、世の9割の広告は「素人」がつくってるぐらいに感じます。

ここでいう「素人」の定義は

「当たり前のことができていない」

と考えてもらっていいと思います。

「誰がどこから仕事もらって作ってるんやろ?」

って思ったりしますが、クラウドのお仕事マッチングサービスとかなんですかね。

広告を作りたい人が直接作ってくれる人を見つける時代になったんでしょうね。

そりゃ価格も安くなって然るべきですし、必ずしも安い広告だからといって効果が出ないわけでもないでしょう。

逆に20年以上やってるベテランに倍の金額払ってお願いしたところで、倍のリターンがある保証もないわけです。

「広告を出す目的」「予算」「出したい広告量」と相談して、制作費は安く済ませたいというのは普通にある話だと思います。

仕事はあるんだろう

ということで、2025年の今はどこかの未経験からフリーランスな方々や、同じぐらいのレベルの方々にもお仕事はあるのだと思うのです。

「2025年の今」と付けるのは、レベルが低ければ低いほど、AIに奪われる可能性は高くなるでしょうし、クライアントが自分で簡単につくれるシステムに仕事を奪われる可能性も高くなります。

さておき、「お仕事はある」といっても、そこにもイス取りゲームはあります。

先日、未経験からフリーランスになって活躍されている方にお話をお聞きすると、

「マッチングサービスのサイト内でいかに上位表示されるか?」

をすごい戦略的に考えていらっしゃいましたし、社会人として当たり前のことを当たり前じゃないレベルできっちりされているみたいです。

「誰にでも再現性はあるか?」

と聞かれると、「普通の方」がその方ほどマメだったり、戦略性を考えたり、自分を律したり、メンタルをコントロールできたり、業務のリスク分配ができたりするとは思えなかったりします。

簡単じゃない道であるのは確かでしょう。

一種の覚悟は必要だと思います。

どちらにしてもデザイナーとして求められる力

  • 「いつどこで誰が誰に何をどうしたいのか?」がわかるように

  • 絵としての表現力

私は「デザイナー」という名乗るなら、絶対にこの2点は抑えておかないといけないと考えています。

「いつどこで誰が誰に何をどうしたいのか?」がわかるように

日々「広告デザインとはなんじゃらほい?」と考える中で、私は

「おたより」

だと考えています。

保健室だよりとかと同類で、何かを伝達するための方法論です。

先生のお仕事の中でよく

「デザインって日本語に直訳したら何だと思います?」

とお聞きします。

表層、ビジュアル、飾り等のお答えをいただくことが多いです。

そこが目的ではないんです。

それらは情報を伝達するための方法論の一つずつでしかないのです。

手書きでただ文字を殴り書く。

Wordか何かで入力した文字を並べる。

それだと伝わりにくいから私達のお仕事が存在するわけです。

ここの部分が抜けている人が多い気はします。

絵としての表現力

「デザインは表層じゃない」

これもプロの方々が大好きな言葉です。

私は

「表層がつくれないデザイナーはチャンスをもらうのは難しい」

って考えています。

表層=見た目です。

「おたよりから、絵で表現できる文字列を端折っていく作業」

という過程が表層づくりにはあると思うのですが、言葉を絵に置き換えるわけです。

言葉を分解する力、それらを絵に置き換え、絵で再現する力が求められるわけです。

国語力。

置き換える力。

絵で再現する力。

全部難しいのですが、「絵で再現する」「絵で情報を伝達する」というところは、それに似たことを人生で経験している人がほぼいないと思います。

だからこそ難しいんです。

誰もそういう訓練を全くされてませんから。

だから、その感覚を身に付けるしかない。

感覚って急に身に付くものじゃないので、すぐにできてなくて当たり前です。

一つひとつの「なぜ?」を意識して試行錯誤していく中で、日常の中でも目に入るデザインの一つひとつの見え方も変わり、そこにある「当たり前」や「パターン」が見えてくるようになる。

そんな風に考えています。

そこまで試行錯誤し続け、根気よく突き進んでいけるか?が第一条件のような気がします。

ですが、

国語が苦手な人。

置き換えるのが苦手な人。

絵の表現が苦手な人。

人の能力はバラバラだから、それはいて当たり前だと思います。

どんなことでも向き・不向きはあります。

なので、誰にとっても再現性がある話だとは考えていません。

最後に

2025年版なんですが、結局私はいつも同じことを言っているのかもしれません。

「コスパ」

「タイパ」

とかの言葉が出てくる時代に、割に合わないお仕事だとは思っています。

デザイナーとして就職するにしても、フリーランスとして独立するにしても、その中で突き抜けないと社会一般的な報酬はいただけないとは思います。

そんな中、「デザイナー(Webデザイナー)になりたい!!」という方がいて、私の力を必要してくださるならば、私は応援していきたいと思いますというお話でした。

おわり。

いいなと思ったら応援しよう!