結局、コーチングとは?
こんにちは。
この記事に目を通していただき、ありがとうございます。
キャリア支援事業を運営している大坂谷(オオサカヤ)です。
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コーチをしていると「コーチングってなんですか?」と質問をいただくこと多いため、今回は「コーチングとはなにか?」これについて綴ります。
また、今回の内容はラジオでも収録しております。お好みの方法にてチェックしてみてください!
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❚前提として
ちなみに「コーチングの全て」という本があるんですが、その本の冒頭にこんなことが書かれています。
コーチングを研究している人達ですら、この様に語っています。
そう考えると、多くのコーチや、コーチ養成機関において「コーチングとは何か?」の明確な答えを出せていないのかもしれません。
このため、理屈や理論に頼って考えると、限界がくる事は分かり切っているため、3つのポイントでコーチングとは何かということについて考えてみます。
この順序で綴っていきます。
今回、綴る内容は、あくまで1つの見方であって「これが答え」というわけではありません。なので、考えるための切り口を増やすという観点で読んでいただけると幸いです。
❚ 1,コーチングをルーツから考える
まずは1つめ。ルーツから考えていきます。
前提として、コーチングはあまりにも定義が広すぎるため、広げすぎると「家庭教師」「スポーツの(監督やトレーナーを意味するところの)コーチ」なんかも入ってきます。
このため「対話を通して自己研鑽を促す」という意味合いのコーチングに絞って考えてみます。
そして、ここに絞るにあたっては以下の2つの機関のコーチングの定義をベースにします。
各機関におけるコーチングの定義を見ていきます。
まずは、ICF(国際コーチング連盟)におけるコーチングの定義から。
なるほど。
簡単にいうと「クライアントの可能性を最大化するために、試行錯誤をするコーチ・クライアントの共同関係」と言うところでしょうか。
続いて、コーチエイにおけるコーチングの定義ではどうでしょうか。
短くいうと「目標達成に必要なものを備えさせるプロセス」といったところでしょうか。
わかりやすい共通点はありませんが、2つのコーチングの定義を合わせると以下のようになりそうです。
ここから蛇足になりますが、世間一般で語られるコーチングのイメージとして「質問型のコミュニケーションスキル」と言われることが多いですが、ICFでもコーチエイでも「コーチングとは、スキルの一種です」とは書かれていません。
確かに、スキルという表現も間違ってはいないでしょうし、実際のコーチングでも質問は使います。その上で、少し補足するとしたら、「質問」はコーチングプロセスを進めるため、あるいはコーチングの共同関係を築くために必要な手段の1つと考えることもできるかと思います。
実際のコーチングでも、質問はあくまで手段であり、目的は目標達成や自己実現になります。このため、よく言われる質問型のコミュニケーションスキルといった表現は、あくまで「コーチングの中で行われているコミュニケーションの一端を表現しているだけであり、コーチングそのものを表現しているものではない」とも言えるかもしれません。
❚2,コーチングをメタファーから考える
続いて、メタファー(例え話)を使いながら考えてみます。
ここでは、コーチングで起こっていることを明らかにし、その上で逆説的にコーチングとは何かを考えてみます。
「コーチングでは、何が起こるのか?」これを端的に表現する例えとしては、ドミノ倒しが1番しっくりくるかなと思っています。
ドミノは、
適切な位置に並べ、適切なドミノを1つ押すと、より多くのドミノを倒せます。しかも、たったの指一本で。
しかし、それだけではありません。実は、ドミノはより大きなものを倒すことができるんです。このことについて、ある物理学者がそのことを実験で証明しました。
どのような実験だったかというと、合板でドミノを作り、それぞれのドミノを前のドミノよりも1.5倍ずつ大きくしていき(例えば、1つ目のドミノが1cmだとしたら、2つ目のドミノは1.5cm)、最終的にどれだけ大きなドミノを倒せるのかを調べるという実験でした。
実際に作った1つ目のドミノは5cmの高さで、合計8枚のドミノを作りました。
この8枚目は、どのぐらいの大きさになるか想像できますでしょうか?
最後の8つ目は子供の背丈ほどの高さ(約130cm)になります。
果たして、5cmのドミノが130cmのドミノを倒せるでしょうか?
普通に考えたら無理ですよね。しかし、適切な位置に適切なサイズのドミノを、適切な間隔で並べたところ、1個目のドミノ倒すと、順調にそのあとのドミノも倒れていきます。そして、最後には子供の背丈ほどの分厚い鉄の塊がドーーーンと音を立てて倒れます(リンクを貼っておくのでぜひ見てください)
◉ドミノ倒しの実験イメージ動画
単純に考えると、たった指1本の力で子供の背丈ほどの鉄の板を倒せたことになります。ちなみに実験では子供の背丈ほどのものを倒すまでとどまりましたが、理屈上はそのまま倒し続けると以下のようになります。
机上の空論といえばそれまでですが、指1本の力でより大きなものを倒せると思うとすごいですよね。
さて、どうしてこのようなことができたのでしょうか?
逆説的に考えてみますが、1つ目の5cmのドミノを、8番目の130cmのドミノに投げつけたとしても微動だにしませんし、ドミノをテキトーに並べたとしても130cmのドミノを倒す事はできません。
つまり、最終的なゴール(130cmのドミノを倒す)を定め、適切なドミノ(サイズや素材など)を揃え、適切な順番に並べたからこそ、より大きなものが倒せるようになったのだと考えられます。
コーチングに話を戻します。
コーチングでは、このドミノと同じようなことが起こります。
なぜこのようなことができるかと言うと、最終的なゴールを定め、必要なリソースを集め、適切な順番で行動計画を決め、着実に実践していくからです。
コーチとクライアントとの関係性もドミノで例えてみます。
クライアントはドミノを並べる人、コーチはそれをサポートする人という関係性になります。
サポート側、つまりコーチの役割は、体育館でドミノを並べているクライアントを、枠の外から問いかけをしたり、枠の外だからこそ見える視点をクライアントに共有します。
例えばこんな感じです。
このような投げかけをするします。
ここでコーチは、アドバイスなどはあまりしません。なぜなら、コーチはドミノの枠外にいることと、「どんなドミノを倒したいか?」「どんなサイズのドミノを持っているか?」「何が足りないのか?」これらは本人しかわからないので、教えるという行為が機能しないことが多いからです。
つまり、質問をしたくてしているわけではなくて、結果として質問が1番有効に働くから質問を使っているということになります。
そして、ドミノを並べるクライアント自身も、枠内からでは見えないことや気づけないことについて、問いかけや客観的な視点を共有してもらうことで、最終ゴールを見直したり、ドミノの角度を調整したり、足りていないドミノを発注したりできます。結果として、2人の共同作業によってより大きなドミノを倒すことができます。
ここまでドミノ倒しというメタファーを使ってコーチングについて考えてみました。こうやってコーチングで起こっていることを加味すると、やはりコーチングとは「目標達成や自己実現するための共同関係」という表現が1番しっくりくるような気がします。
❚私のコーチングの定義
ここまで、なるべく自分の思想を持ち込まずにコーチングを定義しようと思って綴ってきましたが、改めて見直してみると思想はバッチリと反映されているような感じがします。
繰り返しなりますが、ここで綴っていることは1つの考え方・1つの見方です。このため、参考にしていただいた上でご自身で再定義していただくことが1番良いかなと思います。
この前提も踏まえた上で、最後に私のコーチングの定義についても共有します。
私の中ではコーチングをこのように定義しています。
補足をさせていただくと、質問は有効に働きますが、前進する上で必要となるならば質問以外のカードを切ってもいいと思っています。そして、目標達成が全てというわけでもなく「そのままの自分を受け入れる」ということを目指すのも素晴らしいことだと思っています。
ここまでコーチングとは何かということについて、ルーツ、メタファー、私自身の定義という、3つの観点で考えてみました。
❚まとめ
今回は長文だったため、前半部分が抜けてしまった方もいるかもしれません。ですので、ここで一旦全体を整理します。
まとめは以下のとおりです。
以上!
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