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「もし」の2文字が、未来を創る。

「もし、誰も見ていないとしたら?」


この問いかけに対し、どんなことが浮かぶだろう。

  • 雨の中を全力で走る?

  • 近所の公園で踊り狂う?

  • スーパーの試食品を全種類いく?

  • イヤな上司の眼の前で、中指を立てる?

様々なアイデアが浮かんだかもしれない。

「もし」

私たちの本当の想いを引き出す不思議な力がある。この2文字には。

例えば

「実は、こんなことがしたかった」
「意外と、人の目を気にしすぎていた」
「自分の『やりたい』を押し殺していた」

このような私たちの心の奥底に眠っていたような、本当の願いを小突いてくる。


もうすこしキャッチーな例を挙げるなら…

「もし、恐竜が絶滅していなかったら、今の世界はどうなっている?」
「もし、昨日雨が降らなかったら、運動会はどうなっていた?」
「もし、スーパーマンの様に空を飛び回れたら?」

などもそれに当たるかもしれない。

「もし」は、「実際には起こらなかったこと」や「未来、起こらないであろうこと」に考えを巡らせ、そこから何かを学んだり、新しいアイデアを生み出すための思考法だ。

「もし」を活用できると、物事をいろんな角度から見られるようになり、より良い決定ができるようになる。

今回は、そんな2文字について考えを巡らせたい。


ちなみに今回の内容はポッドキャスト番組「コーチングラジオ」でも配信中👇️


1.「もし」が世界を変える


人類の歴史を振り返ると、大きな発見や発明は、いつも「もし」の2文字から始まっている。

「もし、鳥みたいに空を飛べたら?」

そんな好奇心が、ライト兄弟を動かした。

彼らは毎日のように空を見上げ、鳥の飛ぶ姿を観察した。失敗を重ねながらも、その夢を諦めなかった。

いま、私たちが鉄の塊のようなもの(飛行機)に乗っかり、海を飛び越え、空の上から山々を眺められるのは、先人たちの「もし」があったからに他ならない。

「もし、月に行けたら?」

これもそうだ。


この「もし」が、人類の足跡をつけたのだ。月に。


きっと、当時は誰もが「いや、無理だろ」と言っただろう。

それはそうだ。アポロの誘導コンピュータは、ファミコン2台分の性能しかなかった。正気ではない、さすがに。

現代ですら…

「ファミコン2台分のコンピューターで、ロケットを月まで飛ばす」

そんな青写真を描いている人がいたなら、多くの人は「この人、どうした」と、心配するだろう。

しかし、

その「もし」を、うっかり信じてしまった人たちがいた。そして、そんな「もし」を信じた人たちの手により、人類は月に足跡を残した。

「もし、全ての情報にアクセスできるようになったら?」

そんな「もし」を妄想したのは、約80年前に生きたヴァネヴァー・ブッシュという人物だ。

そんな彼の妄想した「メメックス」と呼ばれる理論上のデバイスには、

・大きな画面がついていて
・たくさんの本や写真を保存できて
・見たい情報をすぐに探せて
・関連する情報同士をつなげられる

と書かれている。まさに、今では当たり前のように使っているパソコンやスマートフォンである。

彼の「もし」があったからこそ、動画や記事をいつでも見れる。そして、今わたしも、この記事を綴っているし、あなたもこの記事を読んでいる。


面白いことに、これらの「もし」は、最初は突飛な空想だと思われていた。でも、それを真剣に考え続けた人たちがいた。その積み重ねが、今の世界を作っている。私たちの。


新しい目で見る世界


「もし」を使って考えることは、新しいメガネをかける様なものかもしれない。いつもの景色が、少し違って見える。

例えば、いつも通る駅前の商店街。

「もし、この通りが、緑あふれる庭園だったら?」

そんな風に想像してみる。

すると、今はない木々や花々が見えてくる。ベンチを置けそうな場所も見えてくる。そして、そんな空想が、実際の街づくりのヒントになるかもしれない。

同様に、職場でも同じことが起きる。

「もし、会議を全員スタンディングでやったら?」
「もし、敬語禁止にして全員タメ口になったら?」
「もし、手書きオンリーにしてみたら?」

そんな風に想像してみる。

すると、同僚たちの素晴らしい部分が見えてくるかもしれないし、活気あるディスカッションの画が浮かぶかもしれない。

このように、見慣れた日常に、思いがけない可能性が発見できるかもしれない。

小さな「もし」の積み重ね


「もし」は、大きなことを創造する必要はない。身近な「もし」から見えてくることも多い。

例えば

もし、今日だけ違う道で帰ってみたらどうなる?
もし、普段より少し元気に挨拶したらどうなる?
もし、いつもより10分早く起きたらどうなる?

これらは、誰でもすぐに試せる「もし」だ。

その小さな変化が、思いがけない発見につながることがある。新しいお気に入りの場所が見つかるかもしれない。朝の静かな時間の心地よさに気づくかもしれない。素敵な出会いが待っているかもしれない。


2.「もし」のない世界…「でも」


「でも」が世界を止める


失敗や諦めの裏には、いつも「でも」の2文字が隠れている。

「鳥みたいに空を飛びたい!…でも、人間に翼はない」

ライト兄弟が「でも」を使っていたら、おそらく私たちは、海や山を眺めるだけだったかもしれない。

また、

「月に行きたい!でも、ファミコン2台分のコンピューターじゃ無理だ」

そんな「でも」で、アポロ計画が止まっていたらどうだろう。月面に人類の足跡はついていないかもしれない。いまだに。

「でも」は伝染る


面白いことに「でも」には伝染る。

一人が「でも」と言い始めると、周りもつられて「でも」を言い始めるのだ。

「新しいアイデアがあります!」
「でも、前例がない…」
「でも、リスクが…」
「でも、コストが…」
「でも、時間が…」


もしかしたら心当たりがあるかもしれない。気づけば会議室は、「でも」だらけ。新しいアイデアは、生まれる前に消え去る。

同様に、いつも通る駅前の商店街。

「緑あふれる庭園にしたい!」
「でも、予算がない」
「でも、合意形成が難しい」
「でも、維持が大変」

せっかくの夢が、「でも」の壁に阻まれ、見えなくなる。


ところが、子どもの頃を思い出してみると面白い。

「恐竜博士になりたい!」
「宇宙飛行士になりたい!」
「パティシエになりたい!」

子どもたちの言葉に「でも」は少ない。「でも」を知らない彼らは、自由である。

しかし、大人になると、私たちは「でも」を覚える。きっと、傷つかないように、挑戦しない言い訳として「でも」を習得したのかもしれない。


「でも」の裏に隠れた「もし」

 
「でも」の裏には、いつも「もし」が隠れている。

「英語を勉強したい!でも、忙しくて時間がない…」

この「でも」に対し、

「もし、スキマ時間を見つけられたら?」
「もし、通勤時間を活用できたら?」
「もし、昼休みに少しでも練習したら?」

と、「もし」を繰り広げることはできる。

「起業したい!でも、資金がない…」

この「でも」に対し、

「もし、副業から始められたら?」
「もし、クラウドファンディングを使ったら?」
「もし、最小限の自己投資から始められたら?」

と、「もし」を繰り広げることはできる。


つまり「でも」は、もともと持っている可能性を隠すカーテンのようなもの。そのカーテンを開ける勇気さえあれば、新しい景色が見えてくるのかもしれない。


3.コーチングは、「もし」を形にする


「もし」を語らう時間


人は誰しも、心の中に「もし」がある。
つまり、誰しも夢を思い描く力は誰もが持っているのだ。

コーチングでは、そんな人がもともと持っている「もし」を一緒に考える時間である。

「もし、◯◯(制約)がなかったらどうしたい?」
「もし、何でもできるとしたらどうしたい?」

色々な「もし」を投げかけて一緒に考えを巡らせる。

「もし」を考えるなんて、一見、非現実的と思えるかもしれない。

しかし、思い返してみたい。

ライト兄弟は「もし、鳥のように飛べたら」と考え、飛行機を作り出した。
アポロ計画は「もし、人類が月面にいけたら」と考え、月面に足跡を残した。

何事も、始まりは非現実的なのでである。実現するまでの間は。


「もし」を紡ぐ旅


ただ、その「もし(理想)」に向け、1人で進もうとするとすぐに「でも(現実)」に引き戻されてしまう。

だからこそ、コーチングでは、1人じゃなく、2人で「もし」を考える。なぜなら、誰かと一緒なら「もし」を追い求め続けられるからだ。

また、コーチングは「もし(理想)」だけでは終わらない。

「その理想に対し、まずは今日、◯◯から始める」

と、現実の一歩まで落とし込み、実現に向けて歩みを進める技術がある。

つまり「もし」を、形にする力があるのだ。

例えば…

「もし、何でもできるなら海外留学したい」

これが最終的に

「海外留学にいって、◯◯を実現できた」

へと変わる。

「もし、自分のお店を持てたら…」

こんな妄想が、

「自分のお店を出し、お客さんの笑顔を直接見える」

へと変わる。


「もし、時間も場所も気にしない生活ができたら…」

こんな願いが、

「自由なライフスタイルを形にできた」

へと変わる。


もしかしたら、非現実的に見えたものもあるかもしれない。ただ、これは現実に起きていることだ。少なくとも、わたしの目の前では。

「もし」

この2文字には可能性が溢れている。

「もし」は、人を前進させる。

そして、

「もし」は、周りにも伝染る。

1人の人生が変わり始めると、周囲にいる人の人生も変わり始める。これは断言できる。それは、10年間のコーチングの経験で何度も何度も目にしてきたからだ。

また、人類は、根源的に「もし」を形にするのが好きだ。
そうでなければ、人類はこれまでに鉄のカタマリを宇宙へと飛ばしたり、鉄の板で世界中と繋がろうとなんてしない。そんな人類の歩みを振り返れば、明らかである。

だからこそ、わたしが皆の「もし」を刺激する活動を続けていったら、私が人生を終える頃にはなかなか面白い社会になっているのではないかと思う。

そうしたら、次の世代に生きる人々は、今よりももっと笑顔の多い社会になるかもしれない。

そんな淡い期待を描きながら、人の「もし」を探求し続けたい。

終わり。

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今回の内容はポッドキャスト番組「コーチングラジオ」でも語っています👇️


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ゆうき|コーチング会社の経営者・伴走家(大坂谷 勇輝)
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