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【学生コンテストSICHIに参加】空間オーディオを用いたヘッドパスワードの提案

はじめに

こんにちは。杉浦裕太研究室B4の内藤です。
9/18~9/20に京都大学 吉田キャンパスで開催されたヒューマンインタフェースシンポジウム2024内の学生コンテストSICHIに参加し、「空間オーディオを用いたヘッドパスワードの提案」というタイトルでデモ発表を行いましたので、報告させていただきます。

研究の概要

近年、ヒアラブルデバイス(イヤフォン型ウェアラブルデバイス)は、音楽鑑賞や通話にとどまらず、多様な使い方が提案されています。これらが高度化するにつれ、個人情報や機密情報を利用したアプリケーションの開発が予想されるため、不正アクセスを防ぐ専用の認証システムの開発が必要です。
しかし、現在研究されているそれらの認証システムは、外耳道や頭蓋骨の形状などの生体情報を利用したものが多いです。これらの認証システムは、利便性が高く、小型のデバイスにも実装しやすいというメリットがある一方で、生体情報が怪我や病気によって変化した場合やそれらの情報を提供したくない場合において認証が困難になるというデメリットがあります。

認証システムの流れ

そこで、本研究では、空間音響技術とヘッドジェスチャを用いた知識ベースの認証システムを提案します。上の図にあるように、ユーザは使用する音源の組み合わせ(PIS)を事前に設定し、認証時に空間音響技術によって周囲に提示される音源をヘッドジェスチャで選択します。そして、選択したPISが正しければ認証が完了するというシステムです。また、音源の配置を認証ごとにランダムにすることで、盗み見による不正アクセスも防ぐことができます。

当日のフィードバック

認証システムの複雑さと自分の説明の拙さから、システムについての質問が多い印象でした。今回の発表でこの研究の伝わりにくい部分やわかりやすい説明の仕方などを学ぶことができたので、今後の学会発表に活かしていきたいです。
また、音の認知特性についての助言や、新たな展望についてのご意見などをいただき、これからの研究の方向性を考えるとてもいい機会になりました。

発表の様子

感想

初めての対話発表で非常に緊張しており、また、ヒアラブルデバイスの接続が上手くいかず、予定していた通りにデモを体験してもらうことができなかったのはとても残念でした。しかし、それにもかかわらず、多くの方が説明を聞きに来てくださり、貴重なご意見をたくさんいただくことができたのは大変嬉しかったです。さらに、ありがたいことに、企業賞の一つであるNEC賞をいただくという光栄な経験をさせていただきました。
これからも、サポートしてくださる方々への感謝を忘れずに、研究を進めていきたいと思います。

表彰式の様子

発表ポスター





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