エルのてんかん様発作記録②
前回の続きになります。
初めての発作が起こった翌朝、またエルの大きな悲鳴で飛び起きました。昨日と同じく聞いたことがないような悲痛な声に旦那もかなり動揺していました。私の方も二度目だからといって慣れるものではなく、やはり可哀想で怖くて涙が止まりませんでした。すぐに動物病院へと向かい、診察してもらいました。
友人の紹介で半年ほど前からたまにお世話になっていた動物病院です。家からは車で30分ほどかかるため近くはないですが、複数の犬友さんが何年も受診していて腕は確かだと勧めてくれたので、引っ越してからかかりつけの病院が決まっていなかったこともあり受診し始めたのがきっかけでした。後々この選択をかなり後悔することになるのですが・・・それも含めて書き進めていきたいと思います。
それまで診察を担当してくれていた院長先生に、昨夜からのエルの様子などを細かく伝えると、今までも右方向にクルクル回る右旋回が多いことや首が右に少し傾く右斜頸が見られることなども含めて考えて「てんかん」という病気が疑わしいと言われました。てんかんの病気からくるだけの発作かはまだ分からないため、出来るだけ早く脳波検査をする必要があるとのことでした。てんかん様発作が起こる原因はさまざまで、水頭症や脳炎、髄膜炎、脳腫瘍のような原因があって起こる後発性の症候性てんかん、また脳に明らかな異常が見つからない場合は潜因性てんかんと診断されるようです。特に脳炎や脳腫瘍など進行が早く、完治の見込みが少ない病気であった場合は非常に予後も悪いと聞きました。
もうここまでの説明で頭が全くついていかず、昨日の朝まではあんなに元気だったエルがどうして?という気持ちでいっぱいになりました。放心状態になる私の横で旦那は冷静に先生の話を聞いていました。そして出来るだけ早く必要な検査をすべてやってほしいということをきちんと話してくれて、先生と相談の上翌日に脳波検査と血液検査を行うことに決まりました。
翌日の検査までの時間にも家で複数回同じような発作を起こし、本当に辛そうでした。確定診断がつくまでは投薬などは何もできないと言われていたので、先生の指示通りに発作中の様子を動画に撮って過ごしましたが、エルが悲鳴をあげて苦しむ姿は目を背けたくなるほど辛いものでした。不幸中の幸いでエルは部分発作しか起こっていなかったのですが、てんかん様発作では全身発作も起こってしまう子の方が多いみたいです。そうなると見ている家族への負担は更に大きいものになると思います。私たちもなかなか出来なかったことですが、発作中にとにかく大切なことがいくつかあるので知識として覚えておくと安心かもしれません。
・触ったり持ち上げたりしない
全身発作中は意識がないので噛んでしまうことがあります。また触った刺激が次の発作を誘発することもあり危険です。
・周囲にあるものに注意する
全身発作、部分発作に関わらず発作中は思いもよらない行動をすることがあります。ぶつかって危険なものはすぐにどけてあげた方が良いです。
・とにかく家族が冷静になる
本当にこれが一番難しいと思います。いざ目の前にすると怖くて仕方ありません。でも一番怖くて不安なのは発作を起こしている本人なので、家族が冷静に優しく声掛けをしてあげられると全然違うと思います。
一回の発作が30分以上続いたり発作が終わる前に更なる発作を繰り返すような重責発作、一日に何度も発作を繰り返す群発発作が起こっている場合は命の危険があるのですぐに動物病院へ行かなくてはいけません。
長くなりましたが、私がエルのてんかん様発作を通して知った基礎的な知識を中心に書きました。次回は脳波検査と入院生活について書いていこうと思います。
続きます。