ワンステップ【がんサバイバー】【素朴な疑問】がんになりやすい性格 ストレスとがんの関係
こんにちは。肺がん患者の会ワンステップです。
ワンステップでは2020年春より、Youtubeで肺がんに関する情報やワンステップのセミナーでの講演など、肺がんとともに暮らすみなさんの生きる勇気につながる(と、うれしい・・・)動画を配信しています。
noteでは、肺がんの患者さんやそのご家族以外のみなさんへも、この情報をご覧いただく機会になれば、と思いYoutubeにアップロードした動画の中から毎回1つずつ動画をご紹介しています。
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今日の動画は、【素朴な疑問】がんになりやすい性格 ストレスとがんの関係
【長谷川】 皆さんの投票タイムです。 質問は二つです。 がんに関することにストレスは関係あるでしょうかという質問です。
その後はですね、今度、罹患じゃなくて、がんにかかることじゃなくて、がんが悪くなることにストレスは関係あるでしょうか。 ちょっと似てるけども違う質問をしています。
はい、皆さんどうですか答えてみてください。 答えはですね、大いに関係あるが一番、2番目が少し関係のある3番、ほぼ関係がないですね。
がんに罹患することに、がんにかかることですね。 かかることにストレスは関係あるでしょうかというと、大いに関係があるが、半分53%。そして少し関係があるが39%。全く関係がない、ほぼ関係がないってのが8%ですね。 9割の方がストレスが何らかの関係があるというふうに思ってらっしゃるという、そういう答えでした。
では続いて2番目の質問ですね。
癌が悪くなることですね。増悪していくこと、どんどん悪化していくことに、ストレスって関係あるんでしょうか、という質問でした。 これもですね、同じぐらいの比率ですね。 54 %の方々が言っています。2番目の少し関係があるという方は38%、ほぼ関係ないという方が8%。 もう全くですね、一つ目の質問と2番目の質問、ほぼ皆さん答えは一緒だということが出てきました。
【所先生】 大変興味深い質問と回答をいただきました。それに関して少しお伝えしたいと思います。
がんとストレスの関係についてです。このがんとストレス、あるいは心についてを扱う分野のことを、サイコオンコロジー、精神腫瘍学というふうな部門があります。 この右の上におられる方が、ジミー・ホランド先生っていう先生ですけど、この方が初めて打ち立てた学問なんです。がんが心や行動に与える影響っていうと、すなわちQOLですね。 関係することと、心や行動ががんに与える影響、すなわち先の質問にも繋がりますけども、罹患率の減少や生存の延長と関係してるんだろうか、この二つについてを扱う医学、医療という形で出てきた学問で、医療であります。
このジミー・ホランド先生は、この研究を始めた当時から、がん患者さんのストレスは、六つのDと言われるストレスあると言われてます。
一つ一つお伝えしますと、やっぱりがんとなると、亡くなってしまうんじゃないかなっていう、死と直面すること、死を意識すること。 それから、ご家族や医療者に、依存しないといけなくなってしまう。
これまでの人生の目標が中断されてしまう。 人間関係が途絶していってしまう。がんのそのもの、がんの治療によって容姿が変貌すること。 それから、倦怠感や痛みなどの不快な症状。これらが病気の種類や時期によって、複合的に襲ってくるっていうことをしたり、六つのDのストレスがあるんだということを提唱されています。
一般的にはがんと診断されたり、再発を伝えられたりっていうときに、私たちには、心の反応として、心の衝撃を受けることがあります。 ドンと少し落ちて寝れなくなったり不安になったり、気分が落ち込んだりというような時期があって、だいたい2週間ぐらいでゆっくり回復してくるというのが一般的な私達の心の衝撃を受けたときの実績と考えられております。
しかしなかなか回復がしない方とか、回復が途中であるかたいうのがありまして、そういったときに軽い落ち込み、適応障害、重い落ち込みとして、うつ病というのがあり、この後半の二つは、日常生活に支障を来すというふうに考えております。
がん患者さんのこころの症状の有病率というのがわかってまして、何らかの精神医学的な診断がつくのが半数ぐらいと考えられておりまして、主にストレス反応である、適応障害とうつ病が大部分であるということががわかってます。
病期が進んでいきますと、意識が混濁してくるせん妄というのが多いということがわかっております。
こうした症状がありますと、QOLが低下したり、見守るご家族が精神的なストレスを増したり、治療を継続していく、守っていく率が低下したりとか、場合によっては、自死してしまったりということがあると報告されています。
サイコオンコロジーは1970年ぐらいにできて、この当時、告知をするのかしないのか、
それからどんな心の反応が起こるのかって言うことが全くわからなかったんです。
それをこういう、今お示ししましたもので、少しずつわかってくるようになりました。
それから今回のご質問でありますように、がんと心や行動とかが、発症や経過にどう影響するんだろうかということが研究テーマになってきました。
その後、様々な臨床研究とか、症状アセスメントするための方法、コントロールの仕方、それから一応良くなってきましたので長生きしていく方々のその生き方のサポート、そういったことが出てきて、最近では標準的なケアやガイドラインの策定というのが進んできたのが、この論文が出てから20年ぐらいのことです。
一般書としては、このようなジミーホーランド先生が書いた、そして自分らしくがんと向き合っていく、こういうような本が出てきたりして、ずいぶんとこの辺の周辺知識が増えてきました。
私が勉強し始めた頃は、実は皆さんさっきのお答え通り、がんと心のむきかたは、非常に予後に関係するんじゃないかと思っておりましたし、そういうデータが主流を占めておりました。
これは乳がん患者さんの心の状態と予後ですけども、前向きに生きた場合と、絶望的に考えて生きた場合とで、非常に予後が違ったというので、この当時はこれを私も信じておりました。
しかし、 2000年ちょっと前ぐらいになってきますと、がんに取り組む態度と生存期間には関係がないんだということが出てきましたり、 グループ療法を受けた人と受けなかった人とで、予後に差はなかったよっていうふうなものも出てきました。
そういうとこで、現在はストレスとがんについては、がんになりやすい性格傾向があるとはいえない。
それからがんへの心構えで、再発・生存について明確な結論は出ていない。
ストレス対処行動としてのタバコや飲酒などの、がんの発症とメイクに関係するものが、行動変容両方が大切ですよ。 ですので、がんやっても無理せず、ありのままの向き合い方で、必要時、この後お話します緩和ケアの専門家のまたは精神腫瘍の専門家にご相談いただければなっていうのが、1問目の回答です。
【長谷川】 私自身はあまりその性格というか態度と予後が関係ないっていうのは、私は非常に嬉しいなと思ったんですね。なんていえばいいんでしょう、例えば、性格的に明るい人と、性格的に暗い人、暗い人って表現あれだな、そういう方がいらっしゃるとして、性格が明るいと予後が延びるとか言われちゃうと、性格暗い人はもう強引に明るくしなきゃいけない、命を延ばすために、これってすごいつらいことだなあというふうに私自身は、思いました。
この結果は、そのままでいいんじゃないっていうふうに言ってくれてる気がして、私はすごく嬉しいなというふうに、なんか素直に思いましたね。
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