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①動ける身体を作る上で理解が必要な「構造(structure)と機能(functional)」


皆さんこんにちはトレーナーの三浦です!
本日は…
目的に応じて動く身体を作り上げるために理解が必要な「構造(structure)と機能(functional)」の違いについて触れていきます。

この違いを履き違えてしまうと動ける身体へと遠ざかってしまうのでしっかり理解しましょう。

ざっくりと見た「構造」と「機能」の違い


構造と機能の違い

まずはざっくり構造は「筋肉や関節自体や姿勢」、機能は「構造の筋肉や関節たちが効率良く動く事」だとイメージしてください。

次はそれぞれ「構造」と「機能」を個別に見ていきましょう。

構造(Structure)について

構造(Structure)についての説明図



主に身体の「構造」とは体組成(筋肉や骨、脂肪、水分など)を指します。

構造を鍛える」というのは「筋肉自体」を鍛えるイメージです。

•スクワットで前ももやお尻に刺激を与えて、筋肥大、筋力、爆発力をつける。
•ベンチプレスで大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部の筋肥大、筋力、爆発力をつける。
(これらのエクササイズは対象部位に刺激を与えて鍛える。)

これらのトレーニングでは、筋肉は確かにつくが実は機能的とは違います。
※これらのトレーニングを否定している訳ではないので、そこはご理解をお願いいたします。

機能(functional)について

機能(Functional)についての図


ここでの機能とは身体の機能(全身の効率良い連動、機能不全の改善、可動域やバランス力、筋肉のバランス、認知など…)を指しています。(もっとあるのですが、今回は割愛します。)

先程の「構造」と異なるところは、筋肉を鍛えるというより「動作をいかに効率良くするか」という事です。

動作とは全身の連動です。
特定の動作を遂行するために運動エネルギーをいかに伝達するかが大事。

つまり「構造で鍛えた筋力をいかに使わずにスムーズに連動させるかが鍵です。(実際筋力は使っていますが、極力使わずに脱力のイメージをしてほしいため、「筋力をいかに使わずに」という表現をしています。)

歩行の例で構造と機能を表してみると
構造の場合
・構造ではゆっくり一歩ずつ負荷をかけて歩くイメージ(筋肉を鍛えるという目的では良い)
エネルギー消費が高い(疲れやすい)

「機能の場合」
・機能では負荷をいかにかけずして、上下や左右に重心がぶれず、スムーズな重心移動で進むイメージ(全身の連動性)
エネルギー消費が低い(疲れにくい)

なんとなく「構造と機能」の違いは分かっていただけたでしょうか?

次にエクササイズから見た「機能的でないエクササイズ」と「機能的なエクササイズ」とは何なのか?を見ていきましょう。

「機能的でないエクササイズ」と「機能的なエクササイズ」はどんなものがある?

ファンクファンクショナルトレーニングのプログレッションの図

機能的」か「機能的ではない」かは超簡単に言うと「足が地面に付いているか(CKC)」、「足地面に付いてないか(OKC)」です。
(CKC、OKCについては後日記事にアップします。)

次にこれらの明確な違いを説明します。

機能的と機能的でないエクササイズの明確な違いとは?

機能的と機能的でないエクササイズの違いとは?

レッグエクステンションやレッグプレス」のような種目などは、ファンクショナルの考えでは機能的ではない分類になります。

『機能的ではないエクササイズの例』

機能的ではない分類になるエクササイズの図

機能的ではないエクササイズの例
・座位、背臥位(仰向けや背中をパッドに付ける)など
・単関節運動
・足を浮かせて行う(OKC)→足の固有感覚受容器が働かない
・マシンのような、負荷の安定性が保たれていたりするもの。(自ら安定させなくてよい)

次に紹介する「バーベルスクワットやシングルレッグスクワット、シングルレッグデッドリフト、BOSUシングルレッグスクワット」のような種目などは、ファンクショナルの考えでは機能的な分類になります。

『機能的なエクササイズの例』

機能的に分類されるエクササイズの図

機能的なエクササイズの例
・立位 (②両脚 < ①片足の順番で片足の方がより機能的である)
・多関節運動
・足を地面に付けて行う(CKC)→足の固有感覚が働く
・フリーウエイトや片足での負荷の安定性が保たれいない種目。(自ら安定させなければならない)

機能のトレーニングの場合は
特定の動作に従って、全身の連動で力を伝える。
(部位によっては、ファンクショナルに置いても関節の位置を安定させるために固定させるトレーニングも必要。この内容についてはまた後日記事をアップします。)

自重や、軽い重り、足が地面についている。(CKC)、ひとつの部位ではなく全身を連動協調させて行うトレーニングです。

重量にこだわらずに動作の正確性、バランスが重要視されます。

人間の構造である筋肉を太く強くするというのは、もちろん大きさに比例して力が強くなります。

しかし機能は、いかに筋力を使わないかというところが私はポイントと考えていますので、これは矛盾に近いです。

動きの中で、一般的なウェイトトレーニングの力の出し方をするとまず体力がもたないですよね。

そのため機能というのは、重心移動、内力(人間の内側の力)ではなく外力を活かす事が重要です。

何故そんなにはっきり言い切れるのか?と言うと「私が経験してきた事」だからです。
私には「筋力こそ絶対」という「筋力至上主義」の時期がありました…。

ここからは私の経験談のお話です。

※記事の内容や画像は、無断転載禁止
もし使用する場合は一度インスタのDMにて、ご連絡下さい。

筋力トレーニングに固執してめっちゃ失敗した話。


私は、一時期「機能」ではなく「筋力」にめちゃくちゃ固執していました
そう。私のスカウターは筋力しか見れなくなっていたのです。

筋力しか頭になかった時期なので、BIG3でデットリフト200kg、ハイバースクワット170kg、ベンチプレス110kgとかまで筋力は伸ばしてみましたが、機能のトレーニングや技術の練習を全く行わず、肝心である身体能力が伸び悩みました

一応証拠の動画上げときます。(スクワットだけ)
https://youtube.com/shorts/ulbVWhqNTiA?si=9F1G5LIgY_RJEa1Y

この結果から見るに「BIG3の能力が高まっただけだった」と言えます。

そこで私は高重量のトレーニングを捨ててファンクショナルトレーニングに重点をおきました。

『重点を置いたポイント』

•機能面を良くするためにアライメント修正(姿勢改善)
•各関節の出力を良くするトレーニング
•全身の連動性を良くするトレーニング
•内力ではなく、外力や重心移動の意識

このようにトレーニングと意識をガラッと変えたことで、身体能力も更に伸び、「身体の姿勢、安定させる部位、全身の連動、外力、重心移動」が本質的に大事だと感じました。

もちろん単純な「筋力」も必要です。
しかしその作り上げた「筋力たち」が「上手く機能していない」としたら
勿体ないです。

そこで皆さんには筋力を上げるための「筋力トレーニング」と機能を良くする「ファンクショナルトレーニング」をはっきりと目的を分けてトレーニングして欲しいのです。

ファンクショナルトレーニングの5つ原則」の記事でも述べていますが、筋力トレーニングというのは、「いかに鍛えたい部位に刺激を与えるか」です。
この言葉の意味を深ぼってみると「いかに非効率的に効かせたい部位に対して刺激を入れるかなのです。」(※反動動作を伴うチーティングは別です。)

反対にファンクショナルトレーニングというのは、「いかに効率的に動作の目的に対して力を伝達するか」なのです。

簡単に言うとファンクショナルは「歩行やランニング、ジャンプ、ダッシュ」のような「全身の連動」の動きをイメージすると分かりやすいかと思います。

究極のファンクショナルトレーニングはもちろん「競技動作の技術」です。
しかし、「片足での筋力やバランス感覚、身体連動性」の基礎を高めておかないといけません。

筋力トレーニングだけ行っていても、普段の動きとかけ離れているため、技術練習の間にファンクショナルトレーニングも必要なのです。

「身体機能を高めるためのトレーニングイメージ」

身体機能を高めるためのトレーニングイメージ図

筋力トレーニング : ファンクショナルトレーニング : 競技動作
(土台にアライメント)

機能を良くする上では、これらすべてのバランスが大事だと考えています。
そして自分の経験から感じています


そしてトレーニングだけでなくこの土台のアライメント(姿勢、可動域)も超重要な要素です。
私もO脚と漏斗胸を患っていますが、アライメントを修正した経験から地面からの力のかかわり方が姿勢で変わると感じます。

現在アライメント修正の記事も作成していますので少々お待ちください。
アライメントにも「治る可能性がある場合」と「治らない可能性がある場合」があるのでそこは注意が必要です。

姿勢が気になる方は整形外科や整体院さんなどの専門家に一度姿勢を診てもらい、自分の直すべきポイントを理解しておきましょう。

なんとなく「筋力トレーニング」と「ファンクショナルトレーニング」の違いは分かっていただけたでしょうか?

私は強く「筋力」と「機能」は分けろ!と言います。
これは私の学びと経験からの観点からも、全く異なると感じているからです。
そして自分自身が早めに気づいていれば良かったと思う事でもあります…。orz

皆さんには同じように回り道はしてほしくありません。
筋力」と「機能」をしっかり分けてトレーニングして、目的の「競技動作の向上」を目指してきましょう!

それではまたの投稿をお楽しみに!

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