リンダグラットン授業LIVE~人生100年戦略を個人の人生に落とす~

ついに、きた。
LBSの看板教授であるリンダグラットン教授The Future of Workという授業を受けてきた。人生100年戦略って、高齢化やIT化の進歩みたいなとても大きい社会の問題を背景に、自分の働き方や人生を変える。という話なので、これまでは、頭でわかっていても、「じゃ、明日から私どうするの?」というのがなかなかピンと来ていなかったのが正直なところです。それが、この授業を受けてようやく、
「明日、来月、来年、10年後、30年後の自分の人生を変える。って、こういう事なのか。」
と、腹落ちしました。

ものすごい情報量と、多くの個人的な学びがあったので、全部を共有する事はできませんが、個人的に学びが大きかった点を中心に書かせて頂きます!今回のエントリーは、授業の概要と得た学びについて。

■授業について
The Future of Workという授業は、年に1回だけ開講されているリンダが受け持つLBSの看板授業で、今回リンダが取り上げた内容は、彼女のベストセラーであるライフシフトと、今後出版を予定している新著の内容を組み合わせたコンテンツでした。

内容については全体観を下の方に書きますが、実はリンダの教えるコンテンツ以外からも多くを学べる設計になっています。
受講者の多様性

今年のクラスは23ヵ国から来た84名の学生が参加していました。この授業は選択授業の一つなので、一緒に受講するメンバーはフルタイムMBAだけでなく、EMBA(エグゼクティブMBA)、グローバルEMBAやSloanプログラムの様な社会人経験豊富な人向けのプログラムにと合同でやります。なので、社長やマネジメント層の方を含む多様なメンバーと一緒に、様々な業界・年齢・国籍を持つ彼ら、彼女らと、授業で毎回ディスカッションを行う中で、学びが深まったり、視野を広められました。
私は、隣に座っていたディスカッションパートナーがグローバルEMBAで学ぶイタリア人女性で、北欧のマッキンゼーで役員を務めながら二人の子供を育てているパワフルウーマンだったのですが、彼女と二人で「これからどうやって生きて行きたいか」という様な、プライベートな話や仕事の悩みを沢山共有しました。外から見たらキラキラな経歴の彼女も、同じように悩むんだ、というのは(すごく当たり前ですが)私にとって意味のある気づきでした。(その後、彼女が私の人生のメンターになって頂ける事になりました。こういう、一生もののお付き合いも得られるリンダの授業…すてき(笑))
ゲストスピーカーの多様性
また、リンダでしか呼べないような各界のトッププレイヤーがゲストスピーカーとして呼ばれ、外に出ない事が前提の環境で、オフレコトークを多く含む深いディスカッションが行われます。ダボス会議に毎回参加するようなエリートから、「ダボスのエリートどもをどうにかせねば」という主張の識者まで、多様な意見を持つ方の話を聞きながら、社会の複雑性を体感すること。日本で普通に生きていては触れる事が難しい世界を身近に感じる貴重な機会でした。

■授業の構成
The Future of Workは3つのパートで構成されていました。

パート1:仕事に影響を及ぼす外的要因
このパートでは、テクノロジーの進化、コネクティビティ―の高まり、地球温暖化、資源の枯渇、グローバル化による世界のバランス変化や高齢化等の要因を掘り下げて、私たちが置かれている世界について大局的な理解を得ます。
パート2:機会と挑戦
このパートでは、地球レベルの問題を企業レベルまで落とし、そこで働く個人の働き方や生き方にどの様な影響が及ぶのかを理解します。そして、今後予測される社会問題の解決に向けて社会、特に企業がするべきことをグループでディスカッションし、そんな環境の中で問題を解決している企業の実例を学びます。
パート3:未来を生きるにあたって
最後のパートでは、前の2つのパートで議論してきた内容をぐっと個人レベルまで引き下げて、この授業の学びをどうやって自分の人生に活かすのかを考えます。求められるリーダーシップのスタイルが大きく変わってゆく中で、これからの時代に求められるリーダーは何なのか。個人としてどう自分の人生を組み立てるのか。その際に、必要になる準備や考え方は何なのか。最後に、ひとり一人が自分の人生計画を立て、この授業を通して学んだ事を明日からどう活かすか、これからどう行動を変化させるのかをクラスメイトに対して宣言します。

■何が良かったか(Take Away)
とまぁ、つらつらと書いていると、「ふーん、そんな内容なんだ。」って思うわけですが(笑)。実は、私にとって一番大きなTake away(持ち帰るべき重要な点)は、増えた知識や体感した多様性ではなく、勇気責任覚悟でした。

最終日、授業が終わる前に、リンダが熱いスピーチをしてくれたのですが、それが本当に素晴らしかった。これまで25時間かけて学んできた内容を背景に、学生一人一人がそれぞれの環境においてソーシャルパイオニア(社会におけるパイオニア)として、果たすべき責任がある事。その為に、立ち上がる勇気を持つ事。この大切さをリンダが一人一人の目を見ながら伝えてくれたのです。

お察しの通り、日本についての言及もありました。
1980年代に働き出してから40年以上、世界中に行ってその変化を見てきたリンダ曰く、
「日本や韓国で女性が置かれている環境は、自分が若いころコンサル時に目の当たりにしたアパルトヘイト下で差別されていた南アフリカの黒人や、今でもベッドを与えられずにキッチンの床で寝ざるを得ないインドのお手伝いさんと同じようにおかしい。」
並んで座っている日本人女性二人をまっすぐに見据えながら断言。
「日本人の女性が今おかれている環境はおかしいのよ。あなたが感じている違和感は正しいし、当事者として苦しいはず。でも、これからの世代の為に声を上げなさい。ソーシャルパイオニアになる事は楽な道ではありませんが、今の環境をあなたが変えなければ、次の世代に引き継ぐ日本は良くなりません。」

陳腐な言葉でしか表現できないのが残念なのですが、私も、隣にいた友人も、涙が出そうなくらい心が揺り動かされました。と、同時に、リンダがアパルトヘイトと同列に語ってしまうほど、日本って客観的に見たらおかしいのか。という、悔しい気持ちや、やっぱりそうだよねぇ。という諦めに似たような気分と、何とかしたい!という青臭い気持ちがごちゃまぜになり、全部混じった熱いものが胸の底から沸き上がってきて、ホント泣きそうになった。

私たちは、一人の学生で、何者でもないのですが、そんな名もなき者一人一人が、それぞれの場で声を上げて、変えていく事。ちょっとでも違和感を感じることが有ったら、声を上げて、行動を起こすこと。
出る杭は打たれる日本の文化に親しんできた者として、叩かれる覚悟を持って、新しい動きをするのはとても勇気がいるのですが、その必要性をリンダから直球で受け取りました。

■これから
というわけで、これから自分が出来ることの一つとして、先ずはリンダの授業で得た学びを今後数回にわたって皆さんと共有できればと思っています。これは、女性の為だけじゃなくて、日本で生きてる全ての人に「100年人生というコンセプトをどう個人の人生に落としたらいいのか」というヒントを届けたいから。
(リンダから直接教わるまで、私もピンと来てなかったので…💦)

自分が出来ることから、小さくてもいいから、変化を起こしていきたい!

もし、このブログを読んで頂いて、ちょっとでも「良いな」と思って頂いたら是非拡散してください!それではまた次回!

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