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INTP:Intrinsic



領域 (IP) と目標 (NT) 

INTPの特徴は、その領域と目標の組み合わせです。

まず、これについて引用します。

IPタイプ
・特定の対象の詳細にフォーカス
・4タイプの中で最もズームイン視点

Nタイプ
概念・着想・アイデアを重視
(≠現実・具体性)

Tタイプ
一個の物事の、各部分や各ステップを重視
(≠一個の物事の全体像)


NT (概念的分析・予測) は、IPの領域 (ズームイン視点) に最もマッチしている。よって、INTPは16タイプ中で最もズームイン視点。

「目標と領域のマッチ」はMBTIにはなく、LBP独自の理論です。しかし、理にかなっていると思います。
そして、何となくのイメージであるものの、INTPは最も詳細指向だという感じはします。

この理論に従うと、同じTタイプでもSTよりNTの方がズームイン視点にマッチしているということになります。
現実との関係を重視するSTより、現実と分離したところで概念的に思考するNTの方がより深く対象に潜れる、ということでしょう。


原典の引用

INTPについて引用していきます。

あらゆる事象・物事における新しい有用性を発見することを愛する。それは精神的・身体的分野などあらゆる範囲に及ぶ。

INTPは特定の対象の持つ有用性を新たに見つけることを好みます。

有用性とは「用いられることによって何らかの効果を発揮させるという価値」です。
Tタイプは「よりよく機能するか否か」に価値基準を置きます。(その傾向が強いです。)

「新たに見つける」というのはN的要素です。
Sタイプは、対象が既に持っている性質や、すでに存在している性質の保護を重視します。
対してNタイプは、対象がまだ発揮させていない性質や、潜在的性質を重視します。

INTPの関心は、一見すると他タイプ的であると思われる心理的分野・身体的分野など…  (当然のことながら) すべてに及びます。


可能性のフロンティアを探求するために、疑問を呈し、結論を導く。

フロンティアとは未開拓地ですね。
INTPは、対象の持ち得る可能性について深く思考します。


INTPが最も重視することは、あらゆる事象からエキサイティングな有用性を引き出すために、ズームインして人生の小さな詳細(little detail)を分析すること。

INTPは、自分を興奮させるような有用性 (用いることの価値) を引き出すために、世界の狭い一部分にフォーカスします。

「分析」はT的です。対象の有用性を把握するには、対象を各要素に分解し、各要素が機能する方法や、それぞれの相互作用などの詳細を理解する必要があるからです。

このような分析指向は、詳細に基づいて事実を正しく認識することにも繋がります。

「あらゆる事象への関心」はINxPの記述に見られ、ISxPの記述には見られないと思います。
具体的現実 (S) にのみ集中するわけではないN的性質の現れです。


方式・方法・システムなどを深く探ることから生まれるアイデアと可能性に喜びを見出す。

方法・システムは有用性に密接に関係します。「方法」などは物事のより良い効果の発揮、効率化などに関係するからです。

アイデアと可能性そのものへの愛… 概念的で抽象的な印象を受けますね。彼女らはおそらく、疑問を呈して思考すること自体が好きなのだと思います。


ズームイン視点の分析的アプローチは科学的分野に適用できるが、INTPは自身が選択したどの分野でも明るく輝く。

スポーツ・政治・コメディ・美術などでも、彼女らはシステムを機能させるための細部に注意を払い、その分野において秀でることができる。 

例えばスポーツでは、どのような身体の動きが最もボール運びに有用であるか詳細に分析する、とかです。
彼女らは、どのような分野においても細かな多くのデータから正確な結論を出すことを得意とします。


細部を最大限に活用するための新しい方法を見つける。

「最大限化」はT的要素です。それは、効率の増大を意味するからです。

Tタイプは概して、「何かを用いて (使って) 何らかのよい効果を発揮させること」に価値基準を置きます。


あらゆる種類の課題の解決策を見つけるために抽象的思考を使用し、精神を使って内省的に世界を探索する

「解決策の発見」ってINTPの記述にしか出てきません。なぜこれはINTP的なんでしょう?

問題があれば、その問題を詳細に分析して悪い部分を改善し、効果的に機能するよう変える必要があります… この辺りがINTPの特質に合致しているからでしょうか。

抽象的思考 (N) 、内省的 (I) 、世界の探索 (P) … これらはとてもINTP的です!


原典の引用 (不健全さ) 

INTPの不健全時の特徴も引用します。

INTPの持つ最も深い恐れは、自身が最も得意と考える分野で二流になること (他者よりも劣ること) である。

裏を返すと、INTPは自身がフォーカスした分野において優れることを望んでいる、ということになります。

特定の対象を分析し、その有用性を理解したらどうしますか?
得た知識を備え、自分自身が有用な存在であろうとしたり、有益な知識を他者にもたらそうとするのが通常だと思います。

その一つとして、INTPは選択分野で優秀であることを重視しているのです。
彼女らはまた、人の個人としての側面を重視し、個人がより良く変わること (NP) を促そうともします。


INTPの第4認知は「原則と傾向 × Fe」であり、ズームアウト視点による世界全体の理解が苦手である。
よって、世界は複雑で、曖昧で、巨大で、多様すぎて… 世界を包括的な方法で理解することはできないのではないか、と恐れる。

「原則と傾向」は、世界規模の原則 (法則) や一般性を理解する心の働きです。
IPすべてはズームイン視点でるため、逆に世界全体に共通する性質への理解が苦手です。


世界全体に対する恐怖が続くと、自身が選択した専門分野について詳細に理解できれば、広大な世界を取るに足らないものと考えることができると思い、自身の専門領域の深い隅に後退する。

自身が得意とするいくつかの分野を持ち、それに優れていれば広い世界を理解できなくても問題がない、と考えるようになります。

「深い隅に後退」とは、外部と関りを断ち、不必要なまでに特定の分野に入り込む、とかです。


更に不健全になると、自身の選択分野を完ぺきに理解できなければ、自身は物事の壮大さ (世界) の中で重要な存在 (F) にはなれない、という潜在的な恐れが生じる。

自身が一番でなければならず、さもなければ自身の全て、自身の夢や関心対象すべてが存在 (F) しなくなるも同然となってしまう、と心配する。

Fは意義に関係します。
「意義」とは広い概念ですが、その一つは物事や人の「存在そのものの価値」「尊厳」です。

INTPが、世界における「自分自身の存在価値」「自分が大切にするものの存在価値」に関する潜在的な恐怖を持つのは、第4認知が「原則と傾向 × Fe」であるためだと思われます。


「自分は無価値だ」と感じると、彼女らは想像する無意味さの中で孤独を感じないように、他の誰も同じように価値がないと仄めかす。

ここからも、人の存在価値に捉われていることが伺えます。

「他の人々も有用さを欠き (能力に優れるわけではなく) 、よって無価値で意義をもたない。」


INTPは何かに専門化するべきだが、情熱をもって自由に (健全に) 専門化する必要がある。

IPはすべて、詳細指向によって何かに専門化することに優れますが、このような性質は特にIxTPが優れる、と書かれています。

自分自身の有用性 (T) = 特定分野の専門化


不健全なINTPの存在理由は他者のすべての発見を抑制・中傷するものであり、これはINTPの特質の正反対である。

特に健全なINTPの場合、自分自身のみならず、他者にも発見・探求・洞察を促します。



他タイプとの比較

ここでは基本的な性質の比較は行わず、INTPの性質を特徴付けるための比較を記載します。

MBTI・LBPは類型論なので、各タイプを比較することで各タイプの性質がより鮮明になります。


INTP vs ISTP

共通点
・ズームイン視点 (IP)
・有用性 (効用・用いる価値・能力) (T) 

相違点
INTP
・概念、着想、アイデア (N) 

ISTP
・現実、具体性 (S) 

INTPもISTPも、物事や人の持つ有用性 (使い方) について内省します。

ISTPは、具体的経験との関係において有用性について考えます。例えば、経験をより有用なものとしようとしたり、現実世界を生きるのに効果的なスキルを身に付けようとしたり。


INTPは、具体的経験とは離れて思考します。例えば可能性を考えたり、まだ誰も創り出していないシステムを考案したり。
複数の物事を概念の糸で結び付けて考えるNタイプは多角的な観点を持ち、新しい可能性を見つける傾向が強いです。


INTP vs INFP

共通点
・ズームイン視点 (IP)
・概念的探求者 (IP)×(N)

相違点
INTP
・概念的分析、論理的予測

INFP
・本質的意義、啓発

INTPもINFPも、複数の物事を「概念」「共通性」「パターン」によって結び付け、複数の視点から対象を深く探求します。

INFPは、1個の対象の全体像にフォーカスし、対象の持つ深い意義を理解しようとします。
対してINTPは、1個の対象の各構成要素にフォーカスし、対象の有用性や機能する方法を理解しようとします。

おそらく… 対象の全体像を理解するには、より多く広く概念的繋がりを描く必要があり、対象の有用性を理解するのは、より狭く深くフォーカスする必要があります。
よって、INTPは最もズームイン視点であり、INFPはズームイン視点でありながら俯瞰的視点も持ちます。


INTP vs ENTP

共通点
・概念的探求 (NT)
・予期・予想 (NT) 
・探求 (P) 
  (≠行動の計画)  

相違点
・特定対象の内省 (IP) 
・自身を含む個人への指向 (EP) 

ENTPは「私には何ができるの?」と疑問を呈して、世界にアプローチする。
対してINTPは「これを用いて何ができるの?」と疑問を呈して、常に新しくてエキサイティングな方策 (回答) を探す。

INTPもENTPも、物事や人の潜在的有用性 (能力) を新たに発見することや、その有用性を最大限に活用する方法を探求することを好みます。

ENTPは個人指向であり、特に自分自身の潜在性のすべてを見つること、その潜在を発揮させることを好みます。

INTPは実在の個人ではなく、特定の対象 (物体、理論、経験、システムなど… 様々) を指向しており、深い内省によって結論 (評価) を導くことを好みます。


INTP vs INTJ

共通点
・概念的探求 (NT)
・予期・予想 (NT) 
・自己決定的 (I)  

相違点
INTP
・ズームイン視点 (IP) 
・特定対象の詳細 (IP) 
INTJ
・ズームアウト視点 (IJ) 
・世界規模の原則と傾向 (IJ) 

この2タイプは4文字中3文字 (I,N,T) が一致するので、多くの共通する性質を持ちます。

INTJは、概念的分析 (NT) の性質を持ちつつ、ズームアウト視点 (IJ) も持ちます。
彼女らがまず優先するのは、「世界規模の傾向」「人類に共通して当てはまる原則 (法則) 」の理解です。

そして、理解した原則を用いて (原則に従って) 、例えば周囲の人々に有用性 (利点) をもたらそうとします。


INTPは、世界全体ではなく、世界の狭い一部分への理解を優先します。



フィクションのINTP (原典著者判定) 


  • モード・パイ(マイリトルポニー)

  • ジェーン・ポーター(ターザン:ディズニー)

  • ガジェット・ハックレンチ(チップとデールの大作戦)

  • ジョーカー(ダークナイト:バットマン)

  • ジェマ・シモンズ(エージェント・オブ・シールド)

  • ウィロー・ローゼンバーグ(バフィー 〜恋する十字架〜)


マイリトルポニー、モード・パイ回







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