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NTタイプ
まず、基本的部分を引用します。
Nタイプの性質
概念・着想への重視
可能性 (より良いものへの成長) の想像
Tタイプの性質
効用へのフォーカス
各構成要素へのフォーカス(≠1個の物事の全体像へのフォーカス)
NTタイプの性質
Nタイプは物事をワードネット (概念辞書) と捉える。(各物事を個別なものと捉えるのではなく、多くの物事は概念を通して繋がっていると捉える)
Tタイプは物事の効用にフォーカスする。
よってNTタイプは、各物事の効用がどのように関連しているかにフォーカスする。
ワードネット (word net) とは、プリンストン大学で開発された、概念 (意味) に基づいて整理された語彙データベースです。
Nタイプは、各物事はそれぞれが持つ概念 (意味) によって繋がり、大きなウェブを形成していると考えます。ここでは、ある物事を評価するには他の物事との関係も考慮する必要があります。
さらにNTタイプについて引用します。
NTは、あらゆるものの潜在的な効用は、全ての物事の潜在的な効用に影響を与えると考える。
NTは物事の未来に目を向け、自身が気にかける物事が更に有用なものになるのを助けたいと思っている。
NTは概念的な有用性にフォーカスしており、将来に目を向け、常に重要なものすべてを新しくして改善する方法を検討する。
NTは、新しい効用や有用なものの創出を重視しているため、未来指向です。
NTは将来の可能性にフォーカスしているため、すべてをtruth and error(真偽)(論理的正誤)の観点から思考する。
「このアイデアは正確なの? 正確でないなら全く役に立たない。 もし正確なら、それをどのように活用できるか検討しましょう!」
タイプ名の2文字目はF/Tの2つだけです。また、F/Tは物事を評価し結論や決定を導く機能です。
よって、様々な評価基準はすべて、F (意義) とT (効用) の何れかに類型されることになります。
STは、既に存在しているものを活用し、より良い効果をもたらそうとします。(過去を参照し、現在をより良くする)
NTは、新たな物事を生み出したり、新たな効用を発現させたりしようとします。(未来指向)
NT各タイプの比較
NTはすべて、物事の潜在的な効用の発現を重視しますが、それぞれ意識を向ける領域 (1,4文字目のペア) が異なります。
INTP
INTPは探求によって、「データと詳細」のニュアンスを理解し、それらを可能な限り効果的に活用すること、及びそれによって何かを新しく変えることを愛する。
詳細へのズームイン視点 (IP)
データや情報を用いて、何かを新しくさせたいという願望 (NT)
INTPはすべてのタイプの中で最もズームイン的視点を持ち、あらゆる課題の解決策を見つけるために抽象的思考を使用し、精神を使って内省的に世界を探求することを愛する。
概念によって深く探求する性質 (N) と、物事の各構成要素にフォーカスする性質 (T) によって、INTPはIPの中でも最もズームイン視点に特化した性質を持ちます。
スポーツ・政治・ユーモア・芸術… どんな物事でも、INTPはシステムをより良く機能させるための細部に注意を払い、その分野において秀でることができる。
INTPの分析指向は科学的分野に限られません。例えばスポーツでも、彼女らは、それに関係する詳細な情報やデータを用いて独理の理論やプレイ方法を構築し、優れた選手になることができます。
ENTP
ENTPは「なりたい自分になる」という大きくて派手な夢を探求し、それを発展させたいという飽くなき欲求を持つ。
彼女らは、人としてどうありたいか、を重視する。
ENTPはあらゆる選択肢を探求し、目的のためによりよく機能することなら何でも行う。
個人の性質 (EP) と潜在的有用性 (NT) の組み合わせであるENTPは、人… 特に自分自身の潜在的有用性を重視します。
人の潜在的有用性とは、人の持つ可能性や潜在的能力です。
彼女らは、まだ表れていない素晴らしい個性 (EP) のすべて (T) を発揮させる新しい方法 (N) を見つけようとします。
*「すべて」「最大化」はTタイプのキーワードです
ENTPは、「人々そのもの」と「人々が機能する方法」を理解することに夢中になる。
彼女らは、人がどれほど素晴らしく複雑で多面的であるかを直観的に感じ、理解しており、その複雑さを楽しむために一生を費やす。
ENTPもENFPも「個人の概念的性質 (N) 」を重視しています。
でもENFPの説明には、上記の引用のような言葉は出てきません。人を理解するのに夢中になる・人の複雑さを楽しむ、のはENTPだけです。
ENFPは、個人の感情への尊重を重視しているため、相手のために相手を理解する、のような傾向が強いです。
対してENTPは、まだ表れていない個性や能力を発揮させることを重視しているため、個性や能力の探求そのものを楽しんで行える、のだと思います。自他の感情は一度脇に置いておいて、探求や理解に集中する、とか。
INTJ
INTJは有用な原則 (法則) の学習・探求・物事への適用に優れる。
有用な原則とは、有益な結果をもたらす法則・人々によい効果をもたらす法則、などです。
物事への適用とは、原則に基づいて意思決定を行うことです。
INTJは概念的「原則」への愛と、「行動」の有用性への理解の、両方を備えている。
概念的原則とは何でしょう… 概念によって導かれた原則、という意味だと思われます。それは実際の事例とは経験のみではなく、概念的思考 (一見無関係な物事の間に概念的つながりを描いて思考) によって得た原則、となるかなと思います。
INTJの第二認知は「行動」であるため、彼女らはどのような行動が最も有用か (効果的か) を理解するのにも優れます。
INTJは燃えるような熱意を持ち、世界の潜在能力を最大限に発揮させ、世界をより良くしようとする意欲を持つ。
IJはすべて世界規模の原則にフォーカスしていますが、自身が影響力を行使したい「世界」は必ずしも世界全体とは限りません。上記引用の例でいえば、改善対象は自身の影響力の及ぶ範囲のみかもしれません。
ENTJ
ENTJは、大切な人たちにより大きな成功・勝利・繁栄をもたらそうとする。
ESxJとENxJを比較すると、ESxJは既に在る状況のなかにおいて何かをもたらす、という傾向が強いですが、ENxJは何か新しい価値あるものをもたらす、という傾向が強いです。(これが全てではないでしょうが)
また、ENFJは意義 (幸福・尊厳など) を重視していますが、ENTJは意義に捉われず、それ以外の何らかの価値を重視しています。それが上記の勝利や繁栄です。
物事がどうなるかに関する強力なビジョンによって、ENTJは大胆に前に進み、障害を克服し、他者を行動に駆り立てる。
行動指向 (EJ) と、未来指向 (NT) の組み合わせであるENTJは、最も大胆で積極的なタイプだと思います。
Nタイプは何に対しても、まず概念によって思考します。目標設定・グループの人々のこと… すべては未来へ向けた行動のためです。
ENTJ vs ESTJ
ESTJは、グループの人々が効果的に機能できるように支援したり、実践的なサポート (S) を提供することに優れます。
対してENTJは、グループの人々の持つまだ現れていない能力… 特にグループの目的に必要な能力を把握し発現 (N) させることに優れます。
ENTJはまた、皆に大義・理想を示したりと、グループに対するより全体的な視野を持ってます。