
INTJ:Intrinsic
各タイプの全体像を理解するためには、まず領域と目標を理解するのが良いと思います。
最初に、INFJとINTPを見ていきます。
IJ
選好する情報:世界の原則、世界の傾向
領域:世界そのもの、世界の傾向
IJは世界規模の原則 (法則) や、世界全体の方向性にフォーカスしており、4タイプ中で最もズームアウト
Nタイプ
・物事の間に概念的繋がりを描く
・着想、アイデア
・多角的視点
NFタイプ
・超時間的感覚
物事の過去、現在、未来の全てを気にかける
時間に捉われない本質的価値を重視
INFJ
NFは超時間的感覚、俯瞰的視点に関係しており、NFはIJに最もマッチしている。
よって、INFJは全タイプ中で最もズームアウト視点。
IP
選好する情報:特定の物事の詳細やデータ
領域:特定の対象や事象
IPは特定の対象を深く探求することを好み、4タイプ中で最もズームイン視点
T
・一個の物事の各部分やステップへフォーカス
NT
・概念的分析
INTP
NTはIPに最もマッチしている。よってINTPは全タイプ中で最もズームアウト視点である。
概念や着想 (N) を用いて、一個の物事を各要素 (T) に分解して思考すると、より深く対象を探求できるので、INTPは最もズームイン視点なのです。 (原典には根拠が細かく書いてあるわけではありませんが…)
上記のとおり、IJはとてもズームアウト的視点を持ち、NTは詳細志向にマッチした分析的視点を持ちます。
よって、INTJは一見相反するような、「世界規模の観点 (IJ) 」と「概念的で多角的な分析指向 (NT) 」を組み合わせます。
これを前提にすると、よりINTJの性質が理解できると思います。
原典の引用
INTJの記述を引用していきます。
世界規模の原則を、新しい方法でより効果的に活用する方法を探求する。
IJはすべて原則を重視していますが、「理解した原則の活用 (T) 」というワードはINTJの記述にしか出てきません。
Tタイプすべては、物事や人の有用性 (活用・用いる方法など) を重視します。よってINTJにとっては「原則」も何らかの効果を得るために用いるべき対象、ということです。それも、新しい方法 (N) で。
因みにISTJは、原則の活用というよりは、既に存在 (S) している原則に従って行動を講じ、その行動によって人々に利点 (T) をもたらしたり、役に立ったり (T) することを重視する傾向が強いです。
何がより良く機能し何が機能しないかを探求し、得た原則に従って意思決定を行い、世界に有益な影響を与えようとする。
「より良く機能する方法」はT的です。「よく機能する」とは、効率や良い結果をもたらすことに関係するからです。
Tタイプは、「何かを効果的に用いること」と「それによって良い影響を生じさせること」重視します。
これと比べるとFタイプはどうなるでしょう?
「何かを用いることは無しに良い影響を生じさせたい」「効率的でなくてもよいから、何らかの良い影響を与えたい」とかでしょうか?
(F/Tの違いは、S/Nに比べると紙一重に感じることが多いです。)
「有益」もT的な言葉です。
「世界に影響を~」とありますが、すべてのINTJが世界全体を意識しているわけではないと思います。
ここでいう「世界」とは、「世界全体の原則に基づいて機能している各事象」とか「ある程度複数の人々や物事を包含する範囲」のような意味だと思われます。
世界の潜在性に関係するすべての原則を理解しようとする。
世界の潜在性を発揮さるために必要なことは何でも行う。
「すべて」の原則… 「すべて」という言葉が印象的です。Tタイプは物事を最大限化させることを好みます。「世界」の持つ潜在性 (可能性) を最大限に発揮させるためには、関係する「すべて」の原則を理解しなければならないのでしょう。
必要なことは何でも行う… 行動計画を好むJ的要素です。こういった性質は特にxxTJに多いような気がします。
率直で現実的な判断力を持つ。
「率直さ」は、相手の感情への配慮よりも効率性などを優先する性質から来ています。
彼女らはまた、「何が効果的であるか」に基づいて意思決定を行うため、効果を生じさせるに適した正しい決断力を持ちます。
「現実的な判断力」は、TJ的性質だと思います。
普遍的な原則は、私たちがそれを不便だと感じたからといって変わるわけではない。
むしろ、INTJは普遍的な原則に沿って選択を行うことで世界を変え、世界により良い利益をもたらそうとする。
原則は、変わらないからこそ普遍的なのです。
原則に沿う性質はIJ4タイプに共通しますが、INTJはそれによって世界を変革 (N) し、より良い効果やより良い機能 (T) を発現させようとします。
人生をより良くするために計画を立てることに優れる。
IJの領域の1つは「傾向」です。傾向とは、多くの物事や人々を包含する世界の方向性です。
「傾向」はある程度の時間的方向性を意味し、IJは「過去、現在、未来という流れ」「世界の継続的性質」にフォーカスしており、長期的な視点を持ちます。
Tタイプは、1個の物事の各部分、各ステップにフォーカスします。
Nタイプは、物事のより良い変化を重視します。
よってINTJは、 (周囲の) 世界によりよい変化をもたらすために長期的な計画を立て、ステップを1つずつ達成していきます。
原典の引用 (不健全さ)
INTJの第4認知は「観察と動機」×「Se」であるため、彼女らは、他者の思考・動機・内なる意見を理解することができないことを恐れる。
具体的には、個人に対する観察が、経験的な方法 (S) における重要な有用性 (T) を欠くことを恐れる。
「観察と動機」は、個人ごとに異なる性質・心のパターンを理解する心の働きです。
IJタイプはズームアウト視点における原則 (一般性) を重視しているため、一人一人異なる性質や複雑な心理を理解することに苦慮します。
「経験的な方法における有用性」とは、例えば「直接的に人の役に立つこと」「直接的な行為によって、他者によい効果をもたらす」などです。
よって、INTJは「他者との人間関係が上手くいかないこと」「他者が自身を必要としているのに、その期待に応えることができないこと」を恐れる。
簡単に言うと、自身が役に立たない (Tでない) ことを恐れています。
他者の欲求に対する理解が十分「ST」ではない、という無意識の心配は、他者に何か問題が起こる度に、その原因は自身がその人の欲求を正しく理解し、発生し得る問題を予期ができなかったからである、という恐怖を生じさせる。
「私がもっと賢く、熟練し、影響力があり、有能であれば、必要のない不幸や痛みを防ぐことができた…」
これは、 (周囲の) 世界におこる出来事を予測したり、(周囲の) 世界をコントロールして、世界により良い影響をもたらしたい、という願望の裏返しです。
これについては詳細が書かれていたので、続いて引用します。
INTJの特質は、原則を用いて有益な結果を得る方法を理解すること。(特に、大規模なスケールで)
彼女らは有用な概念 (NT) を通じて、自身の意思決定 (行動) がどのような大規模な傾向を生じさせるかを予測することに優れる。
それは、INTJが自身の (世界や人々に対する) コントロール能力に自信を持っていることを意味する。
IJ4タイプは「他の誰も行わないから自身が行わなければならない」と考えるが、INTJは特にこのように感じる。
原則 (IJ)
有益な結果 (T)
自身の決定による影響の重視 (J)
大規模な傾向 (IJ)
予期・予測 (NT)
… これらの組み合わせがINTJの特質を形成します。
IJは一般性を指針としており、「通常人々は困難なことはしたがらない、だから私がしなければならない」と考えます。未来を重視し、論理的予測に優れるINTJは、特にこういう思考が強いです。
「物事が予測通りに進んでいない… これは私に能力が欠けるから… 100%私に責任がある…!」
「私がもっと、周囲の状況をコントロールし、自分自身を律していれば… !」
自身の能力が不足しているために不利益を及ぼしている、という恐怖が増大すると、不利益を回避するために、人々や (周囲の) 世界を過度にコントロールしようとする。
INTJは、健全であれば予期によるコントロールに優れます。不健全になると、不必要なほどにコントロールしようとしてしまいます。
INTJは世界の複雑性の理解に優れる代わりに、人々の「繊細で壊れやすい感情や夢のすべて」を理解するのに苦慮する。
思い描いた通りに世界を改善しようとすると、人々の複雑なニーズの多くを無意識のうちに無視してしまう。
適切な改善 (NT) には、「原則」と「個々の人々の性質」との両方を考慮すべき、ということでしょう。
特に不健全なINTJは、人々は複雑で、混沌とし過ぎていて、予測不可能であり、したがって人々自体が問題であると見なすようになる。
個人の動機の理解や個人との関わりに関係する「観察と動機」を第4認知に持つIJはすべて、特に不健全になると、自身の動機 (心のパターン) は間違っておらず、完全に他者の動機 (心のパターン) が間違っている、と考えます。
他タイプとの比較
ここでは基本的な性質の比較は行わず、INTJの性質を特徴付けるための比較を記載します。
MBTI・LBPは類型論なので、各タイプを比較することで各タイプの性質がより鮮明になります。
INTJ vs INFJ
共通点
・ズームアウト視点 (IJ)
・概念、着想 (N)
・変化をもたらす (N)
相違点
INTJ
有用性、効果、能力 (T)
INFJ
意義、存在価値 (F)
INTJは、原則に基づいて「一般的にどのような行動 (意思決定) が有用な効果を生むか」を内省します。
彼女らは、有用性 (何かを用いて何らかの良い効果を生じさせる性質) を重視しています。
INFJは、原則に基づいて「一般的にどのような行動 (意思決定) が意義あるものか」を内省します。
INTJと比較するとINFJは、何かを用いることを重視せず、物事そのものの価値 (≒意義) を重視していると言えます。
例えば、行動 (意思決定) そのものが持つ意義とか。こういう性質が「慈善」「意義ある行為」への重視をもたらしていると思います。(日常レベルというと、仕事へのやりがいとか?)
INTJであれば、「慈善」ではなく、より (実質的な) 利点のある行為に関心をもつのかな、と思います。
INFJよりもINTJの性質の方が理解しやすい印象です。これはT要素に由来する「明確性」「客観性」などによるのでしょうか…?
INTJ vs ISTJ
共通点
・ズームアウト視点 (IJ)
・有用性、役立つこと (T)
相違点
INTJ
・概念、着想 (N)
・変化 (N)
ISTJ
・現実、具体性 (S)
・既にあるものの保護 (S)
この2タイプの記述を読むと、比較するまでもなく似ていないという印象です。
2タイプとも (周囲の) 世界の機能する方法に関心を持ちます。
ISTJは過去から現在まで続いてきた原則 (法則) を理解し、それが今後も続く世界を前提として、人々の役に立とうと (T) します。
例えば、社会的に与えられた役割を全うして、何らかのよい効果を周囲にもたらす、とか。
対してINTJは、原則 (法則) を概念的に探求し、探求の結果や論理を用いて世界の未来を予測し、新たな有用性を発現させようとします。
IJの領域である「世界」「原則」「傾向」って抽象的です。こういうものを扱うのは、Nタイプが得意とするところかもしれません。
これに対してISxJは、すでに存在している原則に沿って行動し、行動によってどのように現実世界に善をもたらすか、を重視していると思います。
INTJ vs INTP
共通点
・内省 (I)
・自主独立的 (I)
・概念的分析 (NT)
相違点
INTJ
・ズームアウト視点 (IJ)
・行動指針 (IJ)
INTP
・ズームイン視点 (IP)
・特定対象の探求 (IP)
この2タイプは似ています。概念的で抽象的 (N) なので区別がつきにくいのかもしれません。
「IJとIP」の違いは、極端に言うと…
Jタイプは「行動・意思決定」を重視します。
IJは「行動」の前提となる一般的な行動指針を内省することを主とします。
普遍的な指針を導くには広く世界全体の機能する方法を理解する必要があるため、ズームアウト視点になります。
Pタイプは「行動・意思決定」とは離れて物事を探求し、今後使い得る情報を収集することを重視します。
IPは「世界に存在する多くの物の中の1つ」にズームインし、対象について深く内省します。
INTPは、特定の対象の有用性について概念的に内省します。
例えば「どのように用いれば効果的か」「何をプラスすれば素晴らしい効率を発揮するか」など。
「概念的に内省」とは、「多くの物事の間に概念的関連を描いたり」「未発見の可能性を予測したり」です。
何となくですけど「知識」「理論」などのワードが思い浮かびます。
INTJは、有用な効果をもたらす行動指針を内省します。
例えば「どのような一般原則に沿って決定や選択を行えば、効果的な結果をもたらすことができるのか」など
「現実と離れた抽象的理論」のみではなく、 (ある程度) 現実世界に影響を与えることを前提とした内省… のような。
フィクションのINTJ (原典著者判定)
INTJ判定のキャラは他タイプと比べると多いです。
トワイライトスパークル(マイリトルポニー)
プリンセスルナ(マイリトルポニー)
エルサ(アナと雪の女王)
ジェーン(ピーターパン2 ネバーランドの秘密)
マレフィセント(眠れる森の美女)
シーフー(カンフー・パンダ)
マスター・タイガー(カンフー・パンダ)
サウロン(ロード・オブ・ザ・リング)
アナキン・スカイウォーカー(スターウォーズ)
アルバス・ダンブルドア(ハリー・ポッター)
マイリトルポニーは各キャラのパーソナリティを中心としたアニメです。
トワイライトスパークルはマイリトルポニーの主人公!
その他


勇気、愛、友情、優しさ、悲しみ、喜び… たくさんの気持ち… 皆の心…
私は戦う、皆の心のために!
初めて観たとき、「悲しみ」が入ってるのがとても印象的でした。
作品序盤から憂いの描写が続いていたのも合わせると余計…
自己決定的 (I)
自律的 (IJ)
何となくだけど… 現実世界に影響され難く、抽象的で概念的 (N)
直接的な人との関りおいては、個人への観察が脆弱で、感情より優先しているものがある