これからのPMに必要なスキルって何?現役PMに聞いた“理想のPM”とは
「“誰と、どこで、何をするか”を、もっと自由に。」をミッションにかかげ、3000名以上のフリーランスと企業をつないできたエルボーズ。
前回の記事では開発Opsメンバーの久保田さんと小笠原さんに、新設された開発Opsの取り組みや、プロジェクトを安定させるための取り組みについて語っていただきました。
今回は引き続き開発Opsの2人に、これからのPMに必要なスキルや2人が描く理想のPMについて語っていただきました。
プロフィール
久保田 薫さん/エルボーズ 開発Ops
ゲーム会社でプログラミングや音楽制作を担当したのち、デザイン会社へエンジニアとして転職。その後アプリエンジニアとしてのキャリアをスタート。2016年に独立してフリーランスになり、主にアプリ開発兼PMをサポートする仕事を行う。2022年にエルボーズに業務委託としてジョイン。
小笠原 智さん/エルボーズ 開発Ops
EC会社のアルバイトでWebデザインを学んだのち、デザイナーとして制作会社へ入社。その後、転職しWebディレクターやデザイナーを務め、3年ほど前からPMのキャリアをスタート。2022年6月からPMとしてエルボーズにジョイン。
それぞれが別の道からPMへたどり着き、エルボーズへ
ーーエルボーズに関わるまでの経緯を教えてください。
小笠原:
PMになる前は、Webディレクターやデザイナーをしていました。デザインの専門学校を卒業したあと、女性ファッションのECサイトを運営する会社でアルバイトをスタート。働きながら独学でWebを勉強して、その後制作会社へデザイナーとして入りました。
ただ、働き方の問題で体を壊してしまい、1年間休職することに。休んでいる間にディレクターの道を意識しはじめました。
ディレクターになったきっかけは、デザイナーに情報が入ってこない、クライアントの考えが入ってこないことにもやもやを感じていて、「プロジェクトの“交通整理”」に興味を持ったから。
当時からディレクターに近い働き方はしていたので、次はディレクターに軸を置きたいと思っていました。
休業から復帰してすぐの1社目ではディレクターとデザイナーを兼務。2社目ではWebディレクターとしてサイト制作を担当していました。そして、3社目でついにPMとしてのキャリアをスタートすることになります。2019年からPMを始めて、ようやく2年が経ちました。
久保田:
私は新卒でゲーム会社に就職して、ゲームのプログラミングと音楽制作を担当していました。そこから徐々にアプリ開発に携わることが多くなり、少しずつアプリエンジニア方面に寄っていくことになります。
5〜6年前に独立しフリーランスになって、アプリエンジニア、そしてPMのサポートをしています。
ーーデザイナーとエンジニア、別の道からPMにたどり着いたのですね。そんなおふたりがエルボーズにジョインしたきっかけはありますか?
小笠原:
今エルボーズで働いている田口万里子さんから紹介してもらいました。田口さんは前職の会社の役員だったので、そのつながりで声をかけていただきました。
久保田:
私はエルボーズが以前運営していた「TEAMKIT」というサービスに似たものを元々作りたいと思っていたんです。そのことを知り合いに相談したら、エルボーズの代表である小谷さんを紹介されまして。
そのときにTEAMKITのことも知って、そんなサービスがあるなら一緒にやってみたいなと思いジョインを決めました。
プロジェクトマネジメントのカギは「体験設計」と「チームビルディング」
ーーエルボーズにジョインする前からおふたりともPMとしてのご経験がありますが、おふたりが思うPMってどんなものですか?
久保田:
プロジェクトはお互いに異なる価値観を持った人が集まりチームができます。そんなチームで同じ船に乗って“舵”を切るために、コミュニケーションをしながら「納得感のある合意形成」を得るのがPMの仕事だと思います。
小笠原:
スケジュールの管理や品質保証など、プロジェクトを管理するのは前提ですね。そのうえで「プロジェクトの体験設計」をするのがPMの仕事かなと思います。
ーープロジェクトの体験設計?
小笠原:
プロジェクトの体験設計とは、メンバーやクライアントなど関わるすべての人たちに、そのプロジェクトが“どんなストーリーを持っているのか”体験させることです。
たとえば、ディズニーランドのアトラクションで案内してくれる人が例です。どんなストーリーのアトラクションなのか細かく説明してくれて、全員がストーリーの中に入り込めるように導いてくれますよね。
PMがプロジェクトを進めるときも、どうすれば全員がプロジェクトのストーリーに入り込めるのか、考えながら進めることが必要だと思っています。
ーー自社開発、受託開発問わず、これからの会社で必要とされるPMにはどんなスキル・考えが必要だと思いますか?
久保田:
自分ひとりで判断しなくて済む環境作りは必要だと思います。昔はひとりでプロジェクトを進めていくのが当たり前でしたが、今はプロジェクト自体が昔より複雑になっていて、ひとりだけで進めるのは難しい状況です。
同じ目的を持っているチームで考えられれば、問題に対する解決策やリスク出しのアイディアも豊富になります。エンジニアやデザイナーの観点でリスクを上げてもらったほうが、絶対いい考えが出せるはずです。
小笠原:
チームビルディングは必要になってくると思います。「チームを作っていく」というマインドと、心理的安全性を作り出すこと。プロダクト開発は失敗が多いので、失敗したときのサポートも必要です。
一般論で言うと、コストと品質のバランスが取れているプロダクトは成功したプロダクト、売り上げが立っていないなど、コストと品質のバランスが取れていないプロダクトは失敗と言えます。
プロダクトがうまくいかなかったときに、助けを求められる場所を作ったり、失敗をリカバリーする環境を作ったりすることが大切です。これは私たちが作っている開発Opsの役割でもあります。
複雑なプロダクトを、楽しみながら開発できるチーム
ーーおふたりの理想のPMとはどんなものですか?
久保田:
複雑性を楽しめるPMですね。「複雑」とは自分が理解できない状況のことで、たとえば今まで世の中になかったプロダクトを作る場合も「複雑」と呼べると思います。今までになかったプロダクトですから、当然みんなわからないはずです。
複雑な状況において「どうしたら前に進めるかな」「どの方向性なら楽しいかな」など、自分の感性と全体の雰囲気を保ちながら方向性を決めていく。そうやってプロダクトを開発していく過程はクリエイティブで楽しいなと思います。
小笠原:
「楽しそうですね」と言われるようなチームを作るPMですね。私はプロダクト開発においてチームビルディングや心理的安全性はとても大事だと思っていて。
たとえばディレクターから現場に対して「いい感じにお願い」という指示が出たとき、信頼関係やコミュニケーションが取れていないと「いい感じ」が何を意味しているのかわからないんですよね。
チームのパフォーマンスも変わってきますし、僕が制作会社で体を壊してしまったのも、チームビルディングや心理的安全性が原因でした。
信頼づくりやコミュニケーションが苦手な人もいますし、「信頼関係を作る」というマインドはPMに持っていてほしいですね。
これからのPMに必要なのは、体験設計とチームビルディング
今回は「これからのPMに必要なスキル」について、開発Opsの小笠原さんと久保田さんにお伺いしました。
チームでプロジェクト開発をすることが多い傾向にある近年では、専門的なスキルに加えて「チームではたらくこと」を前提とした能力が必要です。
エルボーズでは、チームづくりや体験設計に興味のあるPM経験者を募集しています。興味のある方はぜひご連絡ください。
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