正しく語りきることはできないけれど、語りたくなる『恋は光』 総括
また1作品を3回も観てしまいました。
『恋は光』
うち2回はイベント。(2022.07.23 ティーチイン舞台挨拶 <小林啓一監督/ 西野七瀬さん / 神尾風樹さん登壇>、2022.07.30 トーク付き上映<小林啓一監督 / 中井圭さん登壇>)
細かいとところはうろ覚えになってしまったので、3回観て話を聞いた上での個人的まとめです。
ティーチインとか舞台挨拶ってメモとか取ってもいいのだろうかと毎回悩みますね..結局ノート広げたけど何も書けず。各日のレポートは以下まとまっているものをぜひ。
<7/23のティーチイン舞台挨拶の様子は以下>
EJアニメシアター新宿(いつの間に改名していたのですか)。5列目。
結構近い距離で拝見出来て、神尾さんもスラットしているし、西野さんもちっさ!ほっそ!この日は西野さんが本当に天然なんだなっていうことが(私の中で)判明。天然鮎と養殖鮎。
<7/30の小林監督×中井さんのトークのレポートは以下>
角川シネマ有楽町。最前列。中井さんはTwitterのアイコンしか存じ上げなかったので印象がだいぶ変わりました。監督はEJアニメシアターの時よりかっちりしてる印象。眼鏡でも印象がだいぶ違う。この日は小林監督も天然(というか、色々なことを狙わずに出来てしまう方なのだ)と判明。
そもそも、なぜ3回も見るに至ったのか。(とんでもない回数見てる人ももちろんいるのだけど、私の中では短期間に3回は多いに入る。)
「恋は光」作品公開自体は知っていたものの、公開当初はキャストとポスターの感じで元々観賞リストには入れていなかった。
西野さんに関しては今まで「アンサング・シンデレラ」「孤狼の血LEVEL2」で拝見していたけど、前者は原作にないキャラとして配役されたのにあまりそれがドラマにうまく作用してなかった気がして結構もやもやしてたのと、後者は前作の真木よう子のポジションはさすがにかわいそうというくらい、育ちの良さが抜けないというか、ちょっと無理がないか、というのでこちらももやもやしていて、今挙げた2作は、彼女目当てというわけではなく、原作と前作の影響だった。なので今回、そういうのが無い状態で、西野七瀬出演の若者恋愛映画というのは、ファン向けなのかな〜と、この作品を見終わるまでは私の中ではどちらかというとマイナスにしか作用していなかった。このあとごめん、ってちゃんと思うので西野七瀬推しの方がいたらもう少しだけ我慢してほしい。
そういうわけで、「恋は光」が公開になるのだけど、初週の盛り上がり方がいわゆる「アイドルが出演してる映画」や「きゅんきゅんキラキラ青春映画」とは少し違うぞ(キラキラはしていたが)、ということが引っ掛かりだした。Filmarksの★が思ったより多く、レビューも特に西野さんファンの偏りっていうわけでもなくて、おや、の第1段階。その後、知り合いの映画好きの方で、やっぱりアイドル系とかは避けがちな方が、「恋は光」思ったより良かったし、西野七瀬が良かった、と教えてくれて、先述した作品の西野さんが苦手だったんですけど、それでもいけますか?と聞いてみても、大丈夫だと思うよ!とのことだったので半信半疑で劇場に行ったのが全ての始まり。
最後に流れるShe&HimのIn the Sunで、わぁこれ和製「(500)日のサマー」かよ…!! なんなんだよ!と帰り道にしばらく考えてしまうほど好きな作品になってしまった。(大学時代に早稲田松竹で沼に落ちて、20代前半くらいまでで円盤でそれこそ500回くらい見たサマーだったので…)
いや、とにかく、まず西野七瀬が良い!(どの口が言うねん)
もうとにかく観た直後は北代のふとした視線や、言葉に詰まる感じ、央にXXてますね、と言われたあとのどうしようもない、という表情がとにかく良い。世界観にすごくぴったりだし、衣装や髪型もいちいちかわいいし、特に鮎釣りの格好なんてかわいすぎる。代表作だろ、これ既に。
そして、しばらくすると、やはり東雲役の平祐奈も、宿木役の馬場ふみかもめちゃくちゃ愛おしい。まさかの大事なシーンで粗相をする東雲さん好き。そして宿木は大事な役どころなのだ、と3回観た後の結論。彼女こそ真理なのかもしれない。宿木に幸あれ。もちろん西条も、直前まで「先生のおとりよせ」観てたので神尾楓珠の振り幅…光って見えると映画館はそりゃあ嫌だよね、など。
その後つぶやいていたら、監督がめちゃくちゃエゴサいいねしまくっていたのと、その中で見かけた中井さんの熱いツイート等等を見て、この作品堀り甲斐がありすぎではないか、もったいな!もったいな!!!と思っていたら、なんと、ロングラン上映が決まり、それに伴って感謝御礼舞台挨拶+ティーチインイベントが決まって、これは行かなくてはなぁとチケット争奪戦を勝ち抜き、1回目のイベント参加。
この日は元々発表されていた登壇が監督と西野さんということで、西野さん推しの方多めの印象。このときの話のおかげで、西野さんすごい天然なんだということを知ることが出来たのと、彼女自身、本読みの時点で絶望的でどうしよう、と思っていたこと、そしてシーンとシーンの間に神尾くんと話してる素の感じを見た監督に「その感じ!」と言われたことであの北代になった話を改めて本人たちの言葉で聞けて良かった。
ただ、正直もう少し話聞きたかったな…と思っていたところ、当日司会の伊藤さとりさん(さとりさん、ハケンアニメのイベントシーンの司会役もやってたんすね..後から気づきました)から、来週は「中井圭さんと監督のトークイベントがありますよ〜」というざっくりアナウンスがあったので、内心「えっ、それは絶対行きたいやつ、絶対行きたいやつ」とそわそわしながら帰宅。その後詳細が発表されて、チケット発売時に意気揚々と最前列確保。ただし、首が死ぬほど痛かった。あの位置で映画を見るの何年ぶりだったろうか笑
というわけで、「恋は光」3巡目。
この日のトークテーマは「『恋は光』は、誰しもが正しく語れるが、誰しもが正しく語れないものである」ということで30分結構みっちり恋は光という作品を解剖していくような面白いトークだった。ちなみに、中井さんの「恋は光」に関するツイートは本当にあついので読み応えありです。(TLを眺めて「え!中井さん今日も行ったの!」と思う時もあり笑。たくさんお仕事で見ないといけない作品もあるだろうにすごい。)
この日は、中井さんの解説がとても興味深く、良い作品は自然と社会性が立ち上ってくる、というようなことを仰っていたのにめちゃくちゃ頷き、その他の指摘(「文系アクション映画」「北代とは『話す』ではじまり『話す』で終わる、東雲とは『書く/読む』ではじまり『書く/読む』で終わる」「そもそも映画が環状構造になっていること」「交換日記とツバメノートの違い」等等)もすごい面白くて、細かいことははじめにあげたレポートを読んでもらえればと思うのだけど、とにかくおもしろかった。
そして同時に、この日は小林啓一監督が狙っていない監督(=天然でやってる)なんだ、という気づき。「実はそこまでは計算してなかったけど、観た側の深い考察でそういう風に受け取ってもらったならそれでいいしそこまで読み込んでもらって嬉しい」的スタンス。(もちろん意図しているところはちゃんと意図されて撮っているのも分かるし、タイムラプスのシーンや、音楽に被って台詞がないシーンもちゃんと撮影しているところも細かいところまで作ってるんだなー、と思った。)
あ、それと、なぜ男子は光らないのか問題は「年頃の男子の"恋"ってどうしても性的なものがくっつきがちだから(全員ではないにしても)」というようなことを仰っていた(はず)(個人的メモ)。
映画には(映画にかかわらず創作物にも言えるけど)、解釈について絶対的にこれであるべき、という映画もあっていいし、公開されたら読み手側の解釈に委ねる余白がある映画もある。というかあっていいんだと思う。だけど、現実世界でいたらめんどくさいな、と思うほど登場人物が言葉で考える本作は、コミュニケーションについての話でもあり、読み手側の多様な解釈や考え方ができることで観た後に、実際に観客側のコミュニケーションを促していることがすごい作品だなぁと思った。
またどこかで偶然上映していたらまた観たいとも思ってるし、円盤も割と悩んでいるし出たらきっと買ってしまう気がする。
今、公開になる映画はドキュメンタリーや、真面目な話題、シリアスな話題、反骨的なものとかが多い気がしていて、それが悪いのではなくて、それと同時に「キングダム」みたいにシネコンエンタメに振り切った作品や、この「恋は光」のように恋とか愛とか絶対的な答えがないことをあーでもない、こーでもないと考え、答えは出ないけど理解が深まるように思える作品も、あって楽しいのが映画だな〜〜と改めて思いましたとさ。
それもこれも、先に本作を見て評価をした方々や、信頼できる人が先に見ていたからということもあるので、そういった方々に感謝をしつつ、やっぱりあまり食わず嫌いはせず、見れるものは見れるときに見ようと思いました。
これから公開になる場所もあると思いますので、出会った際はぜひ見てほしい作品です。
今後、なにかイベントが出来るときは、監督と、まだ話が聞けていない馬場さんにぜひお越し頂きたいという願望もしくは野望を最後に添えて。
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