ルートさんの構築をお借りして考えたこと

本記事の目的

本記事では、ルートさんの構築イエニューラをお借りして70戦ほどしたので、自分なりの分析を行い、構築分析力を高めることにある。
読んでくださる皆様へは、私なりの考察の結果を提示し、各要素へのご意見があれば頂戴して議論を行いポケモン構築への理解を深める糧としたい。そのため、思う所があれば奇譚なくご意見頂ければ幸いです。
なお、構築者ではないため、解釈については構築者の意図を汲み取れていない部分もあるためご留意いただきたい。

レギュレーションおよび利用構築

レギュレーションH、ダブルバトル
この構築を利用

ルートさんが公開してくれていた構築

対戦時期・戦績

使用期間

2024年10月29日〜2024年11月8日

戦績

44勝25敗 勝率 約63%

構築への考察

構築全体として、直感的で動かしやすい構築だったという印象がある。構成としても選出としてもある程度の自由度を保ったまま基本形が完成されており自然と最適な選択肢が浮かんでくるような感覚が生まれ、強い構築を握るとはこういうことかと実感した。
また、これはルートさんご本人も言及しているが、オオニューラのフェイタル、ミロのねっとう、アロキュウの吹雪、ガエンのフレドラと追加効果の上振れ要素が多く、自然と上振れ引いて勝ちになることが多く、かつ低命中の技がないことも未熟なプレイングをカバーできる万人に使いやすい構築だと感じた。

構築全体の構成

構成パターンとしては、SVのダブルにおいて一般的な相性の良いペア×3組の6体構成となっている。
イエッサン♂と軽業オオニューラのペア
チョッキガエンとオボンいのちのしずくミロカロスのペア
攻撃面で優秀な氷+地面のアロキュウガブのペア
この3ペアの組み合わせでそれぞれ得意構築が異なるため、バランスよく柔軟に戦うことができたと思う。

選出パターン

相手に通りそうなペアを選び、残りの2枠は相手に合わせて選ぶ形で自然と選出していった。
相手次第と書くとそれまでになってしまうが、それぞれのペアが得意な構築にぶつけられるよう選出を心がけた。
おいかぜ、ブリジュラス軸にはイエニューラ
高種族値スタン系統にはアロキュウガブ
積み系統、トリル系統、その他にはミロガエン
これらの基本ペアを意識しながら、残りの2枠を取り巻きに合わせて選出した。

一番汎用的な組み合わせはミロガエンを初手において、裏にイエニューラあるいはアロキュウガブの選出だと思われる。
組み合わせ別考察でも触れるが、ミロガエンがこの構築の要であり、序盤の展開をコントロールできるかで大きく勝率が変わる気がしている。

組み合わせ別考察

それぞれの組み合わせで相手構築への対策として機能するため、その視点を中心に述べる。

  1. イエニューラ

  2. ミロガエン

  3. アロキュウガブ

イエニューラ
襷イエッサン♂とサイコシードかるわざオオニューラの組み合わせ。
イエッサン♂のサイコメーカーでオオニューラの軽業を発動し相手のおいかぜの上からオオニューラが相手を殴れるのが強み。
最初から2匹並べる必要はなく、イエッサン先出しでフィールドが切れる前にオオニューラが展開できればオオニューラは十分戦えるため、イエッサンや他のポケモンで荒らしてオオニューラでスイープする流れがよく決まった印象がある。
オオニューラのワンパン性能は高くないことに加え、イエッサンが襷のためオオニューラが動きやすい場を整えてから出すことでアドが取りやすかった。

ミロガエン
高耐久のミロカロスとチョッキガエンで居座りながら相手を荒らしに行く組み合わせ。
レギュHにおいて高耐久かつ強力なタイプである炎悪と水単という2匹でかつそれなりの火力を持つ。
加えてミロカロスがいのちのしずくでガオガエンと自身リソースを回復しつつ戦況維持が容易で壁展開やトリル展開のターン消費による打開がやりやすく、壁展開で多く見られる積み構築には黒い霧でリセットが効く。攻撃デバフによる遅延展開にはミロカロスがかちきで牽制でき、ガエンは後攻トンボでデバフリセットが行える。
これらの要素から、ミロガエンはゴリゴリの超火力アグロ以外にはかなり戦いやすい汎用ペアであり、このペアをいかに上手く扱うかでかなり勝率が変わってくる印象がある。
特に序盤の動かし方が肝になる。ミロカロスで積み展開を阻止しながら削る、ガエンの威嚇やはたきで相手の持ち物を割るなど、この二匹を用いて相手の情報を集め、後続のだれを通す盤面を作るかをよく考えて動かすことになる。
構築者たるルートさんもミロガエンから入って裏イエニューラが理想形と仰っているので、この動きは正しいと確信している。

アロキュウガブ
アロキュウの必中ふぶきとガブの地面技で相手に一貫を取りに行くペアである。
このレギュHにおいて、高種族値スタンはドラゴンタイプのエースとドラゴンを半減する鋼とフェアリーが環境の軸となっていることから、だいたいどの構築にもドラゴンと鋼がおり腐りにくい。
試合によっては吹雪とじだんだドラクロを振り回すだけで良いこともそれなりにあった。

単体感想

各ポケモン単体で動かした感想と得られた知見である。なお、各個体の努力値などの詳細はレンタル構築を参照していただきたい。

かるわざサイコシードオオニューラ
強いというより偉い。環境的に刺さりがよいタイプということもあり使い勝手は良いが、絶対的エースというよりは環境に刺さってるサブエース感がある。
単体打点かつ技威力もインファ以外は低めなためワンパン性能は高くないが、サイコフィールド下において、おいかぜ相手であっても削れた相手を上から押し込めることが最大の魅力だと感じた。
フェイタルクローの上振れで勝つとギャンブルのような気持ちよさがある。

たすきイエッサン♂
フィールドワイフォまじ強い。使ってる間一番信用していた。CS振りで中速帯の上からワイフォ振ると結構後続圏内に押し込めるので割と雑に突っ込ませた。相手が深読みしてくれるのか、悠長行動を咎めてそのまま押し切れるだけの火力もあった。またオオニューラと並べてドドゲザン対面になるとインファ警戒でドドゲザンがワイドフォース耐性手放してくれることもありかなり両守るが強いというSV特有環境を思い出させてくれた。

チョッキガオガエン
チョッキが偉い。チョッキで耐えて勝ちをめちゃくちゃ拾ったし、このルールでガオガエンがチョッキ着たらミロのしずくと合わせるとそうそう突破されないという安心感があった。
はたき落とすの有用性、フレドラの最低限の火力とやはりダブルで長年使用率1位は伊達じゃない強さだった。
構築的に受け出し出来る駒が少ないためチョッキで受け出し出来る範囲が広がっている点がかなり構築にマッチしていると感じた。

かちきオボンミロカロス
個人的にこの構築のキーとなっているコマだと思う。
組み合わせのところで書いたけど、積み対策の黒い霧、長期戦を可能とするいのちのしずく、デバフ牽制のかちき、水単の高耐久と全ての要素が構築にハマりきっており、この構築が回る最大の理由だと思っている。

アローラキュウコン
氷タイプのアタッカー型キュウコンで今の環境の氷の通りの良さを実感できる。
とけないこおりを持ち氷技2種フェアリー技無しという潔い型で、大抵は上からふぶきを押し付ける形で運用している。
オーロラベールは稀に初手から出し負けた時ややることがなくなったら時に押す切り返し札として優秀である。
天候合戦のために連れて行くことはほとんどなく、雨相手の場合にのみ後発で連れていく。CS振りで耐久が高くないことと初手出しは天候とれないことがほとんどなので晴砂相手にサイクル出来ないためだが、雨相手の場合のみは弱点を突かれずフリドラが有効なことが多いためである。

いのちのたまガブリアス
普通の珠ガブ。強いんだけど、このポケモンの強さについて実は信用していないのであまり選出していない。そのためこの場で語れることは多くない。
珠ガブの使い方教えてくれの気持ち。

まとめ

本構築は以下の3要素で大きく括ることができる。

  • 相性のいい2匹のペアを3組がバランスよく組み込まれており選出が柔軟かつ環境上位のポケモンへの対応力が高い

  • 序盤で情報を集め、終盤の盤面を想定できるような勝利プランを立てやすい構成になっている

  • 上振れ要素が多く下振れ要素が少ないためプレイングスキルをカバーできるため使いやすい

これらの要素を意識し、今後の構築および分析に役立てていきたい。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

謝辞
・構築を公開してくださったルート様(@tbhla7130
・対戦していただいた皆様
・ここまで拙文を読んでくれた皆様

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