金田はかんざしを抱いて眠る

俺は上っ面のいい人間だった

イケメンってもてはやされてどれだけいい気になってきただろう

イロマチに行くとみんなキレイに着飾った女がたくさん寄ってきてた

貴久もそうだったよな 学生時代はキャバクラによく遊びに行ったもんだ

あの頃は朱鷺子がマドンナだったけど いつのまにか

れいこが好みになった

俺も変わったもんだぜ お前もな

シンボリックにお前がいきなりきた時は驚いた

うなぎ色に惚れた勢いで 全てを忘れて

姪ごさんまでよんじまった

お前は不覚だよ あの娘の電話番号まで教えちまった

きれいな娘だったから ちょっとちょっかいかけてやろうかな

金田は右手のブレスを舐めると 

ニヤリと笑う 貴久 菜月さんが就職活動の真っ最中なら

なんでおまえ雇ってやらねぇんだ?

貴久の顔を思い出し 会話をする

そうか?お前は女を雇うだけの力ないよな

情けねぇけどよ 男ってそれまでのもんさ

強いやつとか身内には味方するくせに

いざとなると下のやつなんて守れねぇ

そういう俺もそういうもんさ

まあ!やるだけやってやるぜ

Victoryのサーバーに菜月の電話番号を登録する

オメェは消しとくぜ!デリートキーで貴久のアドレスを消そうとする

待てよ!お前は俺のスマホに入れとくぜ

貴久のアドレスとパーソナルデータは金田のタブレットに叩き込まれていく

よう!お前もめいごさんも 仲良くな!

デスクに置いてある写真たてから貴久の写真を外すと

勝色の色見本を丁寧に入れ直す

まあ これでいいだろう!

ロレックスの時計も外すと手を合わせる

俺は金田なんでも金で解決する

ご利益だけが味方だ!!

ウォーターサーバーから水をくみ一気に煽ると

ベッドに入っていく

まあ!明日も達者でやるさ

そう念じると 朱鷺子の紅色のかんざしをサイドテーブルに置く

日の出まで目覚めないぜ!男の息は深かった

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