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親愛なる信子さんへ⑩

2025年2月7日

 何週間ぶりのお手紙でしょうか。日本に帰省していた2週間余りもの間は、気持ちが高ぶっていて、お手紙を書くことが出来ませんでした。日本では大変お世話になりました。こちら時間の火曜日の深夜に、無事ベルサイユへ戻っています。帰り便は、北極圏を通過しフランクフルト経由でパリ・シャルルドゴール空港というフライトで、待ち時間を入れると計18時間! 戦争勃発前は、10時間ちょっとのフライトタイムだったことが夢のように思われます。

 日本ではリアルに信子さんと会うことできたのですよね。初めてお目にかかるは、想像と寸分の違いもなくて、駅まで迎えに来て下さったあの瞬間から、旧知の友人のような心地よさを感じました。

 インスタのアルゴリズムのお陰でお互いを知り、フォローするようになってしばらく経った頃に、「インスタライブしませんか」というお声かけを頂いて、そこからスタートしたご縁。そんなイマドキのご縁からこのような関係性が生まれるとは、SNSも捨てたものではありませんね。

 そしてこの度は、渋谷の天狼院書店カフェにて、フランスの食文化に関するコラボイベントをやり遂げたわたしたち「ユニット」。一人だったらできなかったことだと思います。
 
 まず、渋谷という場所。かつて高校生だった頃は、道草ルートだった渋谷ですが、近年はすっかり様変わりしていて、高校生だったわたしもグレイヘアになっていて。もし一人でイベントするとなったら、尻込みしていたことでしょう。また参加者20名という設定も、「ハードル高すぎる」とおののき、逃げてしまったかもしれません。

 でも、今回は信子さんと天狼院のMさんの後押しから、自分のコンフォートゾーンを出てみよう、という決意が生まれたのです。もじもじしているような歳ではない、当たって砕けるなら、それもよし(お店には申し訳ないですけれどね)、と踏み出したのです。

 結果は……。素晴らしいイベントでしたね! 悪天候にも関わらず満員を超える20数名の方々が参加してされ、熱心に耳を傾けてくださりました。(読者の皆様へ:イベントの様子は、信子さん @granden25、わたし @mikidemaistre、そして天狼院フランス語部@passionpourlafrance のインスタにてご覧いただけます)
 
 このイベントを通して思ったこと2つ。
 
 まず、幾つになっても、コンフォートゾーンに閉じ籠っていないで、時にはそこから出ることも大切ということ。今回は幸いなことに成功体験となりましたが、たとえそうでない結果となっても、学ぶことが多いでしょうから、失敗を怖がらずにやってみようと思います。

 もう一つは、チームで動くことの有難みです。勤めを離れてからというもの、ひとりで活動してきました。それはそれで大切なことですが、こうしてタッグを組むことで、できることの規模も大きくなりますし、チームそれぞれの良いところを引き出すことができれば、よりよいものを提供できるというもの。……また何よりも、仲間がいる、というのは心強いですね。不安なときは相談できるし、成功したときには、同じ喜びを分かち合えるし。うん、ほんとに楽しかったです。Merci beaucoup!

 コラボイベント成功の裏には、スタッフの方々、そして信子さんのご主人、また、今回リネン類のご協力をいただいた麻平社など、多くの方々のご尽力のお陰であり、感謝の気持ちで一杯です。
 
 さて、暦は立春を過ぎましたね。信子さんは講義やフランス語のレッスンなどお忙しいことでしょう。昨年からチャレンジもされていることが実りを迎えることを祈っております。わたしも気持ちを切り替えて、次なるコンフォートゾーン破りを構想中です。
 
 それにしても、こうしてお手紙を書くのはいいですね。気持ちが整理され、次のステップが見えてくる気がします。

 一方で、すでに信子さんとの再会の時が待ち遠しいです。次はフランスかな、それとも東京でしょうか。そんなことを想像しつつ。
 
 今週の東京はぐっと冷え込んでいるとか。お風邪など召しませぬよう、ご自愛くださいね。

かしこ
美紀

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