やさしい手ほどき~On Elegance ⑥ 初夏の装い編
ベルサイユよりボンジュール!
上の写真、長閑でしょう?これは先日ベルサイユ宮殿の領内公園で撮ったものです。
ベルサイユ宮殿というと、あのきらびやかなお城と、幾何学模様の花壇の庭園を彷彿されるかもしれませんが、領内公園は、800ヘクタールもあるんですよ。一ヘクタールは100m×100m。その800倍ですから壮大ですよね。
ただ、宮殿自体も壮大なので、せっかくベルサイユまで観光に見えても、領内公園を散策する体力が残っていなくて、「宮殿すごかった、庭園きれいだった!」で終わってしまうことが多いかと。
先日は、パリに住む方達に、宮殿ではないベルサイユを案内する機会に恵まれました。
題して、「ベルサイユのエレガンス・ツアー」。
ベルサイユ宮殿駅で待ち合わせし、ベルサイユの街中を通り、領内公園を抜け、拙宅で休んでいただくという旅程。5キロコースです。
散策あと、拙宅では、喉を潤していただき軽食越しに、「フランスのサヴォアフェールについて意見交換をする」、という半日のプログラムでした。
サヴォアフェール、色々な意味を持つ言葉ですが、わたしは「美学を持つこと、常識・良識」などという意味として使っています。
その様子を何回かに分けてお伝えしたいと思います。
とにかく歩く、それがベルサイユです。皆さんにも「歩きやすい靴・装いで。そして日除け帽・ウォーターボトル必須!」とハイライトしてお知らせしました。
わたしの装いはこんな感じ。
解説するような装いではないことは重々分かっておりますが、サヴォアフェールについての会話をリードする、という大役を仰せつかった者として、一応説明させて下さい。
・なぜスカートか。女性のパンツルックが当たり前の今ですが、フランスの上流階級の人々はスカートが多いんです。「コンサバねぇ」といわれても仕方ないですね。でも久しぶりのふわふわのスカート、快適&心軽やか、でした。
人様にお会いするときの服選び、わたし意識にあるのは「だらしなくみえないこと」。お洒落よりも流行よりも、そこなんです。元がだらしないタイプですし、ヘアスタイルも適当、お化粧もほとんどしないので、せめて服はだらっと見えないものを纏ってギリギリバランスを取ろう、というそういう思考です。
もしご自身は、髪も化粧もきちっとしているタイプでしたら、どういう装いがバランス良いのか。分量・色のバランスだけでなく、そういう「きちっと具合」のバランスも見られて判断することが大切だと思います。
・足元はエスパドリーユ風の歩きやすい靴を素脚で履きました。フランスでは、5月過ぎたらオフィシャルに初夏です。よって5月以降、タイツ・ストッキングはルール違反になります。多少寒くても素脚で、「いやそれじゃ風邪引きそう」、というお天気の日はパンツルックで脚を覆ったらいいと思います。これがフランスの意識ある人達の流儀です。(もっとキレッきれのモード系の方や、拘りの装いの方は別の話ですので、どうかゆるりと受け止めて下さいませ)
そうそう、素足の季節になったら、ペディキュアをお忘れなく! これは年齢は関係ありません。フランスでは年輩のマダム達も、ボルドー色でセクシーに攻めてますよ~。わたしは技術力が足りないので、ごまかしが利くラメ入りを愛用しています。
・頭は麦わら帽で。ちなみにエスパドリーユ風の靴も、麦わら色で揃えました。この日は、長閑な領内公園を散策することに決めていましたから、その背景に合ったテーマということで長閑な麦わら帽にしました。わたしなりのTPO対策です。
装いの仕上げは香りです。
いつもはシャネルのNo.5を愛用しているのですが、今日は上の、セルジュ・ルタンスの「フェミニテデュボワ」にしました。野原の中を歩くのに、No.5だと、まるでシャネルスーツ着て森を散策するようなもの。
この「フェミニテデュボワ」は、和訳すると、「木のフェミニティ」という意味になります。針葉樹の香りや桃系の香りが、ナチュラルであり、でもエレガントであり。
以上、おしゃれは降参して久しいわたしの、お恥ずかしい装いのご紹介編でした。
次回は、拙宅についてからの意見交換についてお話ししたいと思います。
Au revoir!
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