自分が多嚢胞性卵巣だと気づいた時の話

思えば私は高校生の頃から生理不順だった。でもほとんど生理日なんて記録していなかったので実際のところはわかりませんが、少なくとも1ヶ月に1回コンスタントに来たことなんてなかったように思う。

でも、周りの友達が「今日は生理痛で・・・」と苦しそうに身をかがめている様子をみながら、むしろ生理があまりこない、来ても全然軽くて出血も少ない私は「楽なカラダでラッキー!」と、そう思っていた。


大学生になって彼氏ができ、ちゃんと生理日を把握するようになった。避妊はしていても100%はないから、やっぱり2ヶ月、3ヶ月生理が来ないと怖くなって妊娠検査薬を買ったことも何度かあったかなあ。大抵は気を揉んでいるうちに、よっこらしょと重い腰をあげて生理さんがやってくる。そんなことを繰り返していた。

あるとき、大学4年生ごろだったかな? 3ヶ月の無月経で勇気を出して婦人科に行ったとき、「性交経験あり」「妊娠希望・未定」に丸をつけたら、別室に案内されて、看護師さんに深刻な顔で「中絶はやっていません」と叱られ、とっても悪いことをした気分になって(中絶したいなんて一言もいってないのに・・・とぶつぶつしながら)尿検査に向かった。

結果はやっぱり陰性。自分でもこんなことを何度も繰り返していたので、単なる月経不順という予想はついていた。

その後経膣エコー。「やっぱりこの検査は恥ずかしいし嫌だな・・・早くおわれ!!」と念じていたら、カーテンの向こうからスッと画面が。

画像
画像引用元

「これ、見えますか?うまく排卵できてないですね」

曲がりなりにも私は既に医学部4年生。産婦人科も勉強し始めた頃だったので、エコーの画面をみてネックレスサイン!と、まるで試験中のように頭に浮かんだ。これはいわゆる多嚢胞性卵巣症候群だ!と。

これは、うまく卵巣が成熟しきって排卵するに至らないばかりに、毎周期中途半端な大きさの卵胞(黒い丸)が卵巣内に溜まってしまい、この画像のようになるもの。まあこれはある意味、今までうまく排卵ができていなかったことを示す分かりやすい画像。

しかし婦人科の先生は何も言わず、まあまた生理が止まったら来てくださいと言って終了。


診断名は言われなかったけれど、自分でエコー所見をみてしまったので私の頭の中ではこの病名がぐるぐる回っていた。

「あれ?不妊の原因って習わなかったっけ?なんか肥満になったり多毛になったり、男性ホルモンふえるみたいなこと教科書になかったっけ???」

中途半端に知っているばかりに不安は募るばかり。


結局、その後のホルモン検査でも異常値はなかったし、色々と診断基準などをみてみると多嚢胞性卵巣=多嚢胞性卵巣症候群ではないということがわかった。でも、排卵が苦手、というのは紛れもない事実。


その後もズボラな私が基礎体温をつけ続けることもなく、時々少量の出血が1ヶ月くらい続いた時には「無排卵月経になってるなー」と婦人科に行って生理を起こしてもらうといったことを繰り返していた。

そして、世の中に今の医学の範囲で異常がないのに、子供ができずに不妊治療を続けている方達の存在を知り、生命誕生が当たり前ではないこと、自分も決して妊娠しやすくはなさそうなことを自覚して、ぼんやりと、

私が妊娠できない確率は30%くらいはありそうだな

と数字になんの根拠もないけれど、なんとなく予想してちょっと予防線をはることにして、今に至ります。

だから、結婚する時にも夫には同じことを伝えて「子供ができなくても仲良く二人で生きていきたい」という言葉をもらって、結婚した。これがある意味自分にとって、結婚の一つの基準でもあったし、確認しておいてよかったのかな?

結婚後も、本当に命の誕生は奇跡なんだなということを実感しているし、自分も含め家族の存在をより愛おしく大切に感じる毎日です。

また結婚後の話は別記事で。


*産婦人科領域の専門家ではないので医学的なことには自信がありません。一般女性の一つの話として読み流してくださいm(_ _)m

いいなと思ったら応援しよう!