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イラスト練習 その46
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「オチはない ギターと私」後編
いよいよ練習である。教則本とギターの取説みたいな本を購入。
買ったのか付いてたのか憶えてないチューナーと音叉。弦もあとから購入したと思う。
音階の呼び方にCDEFGABCがあったことを知ったのはこの時が初めてであった。何かをコピーしたいわけでなく、教則本の示すリフを練習する。付属のCDのお手本を聞きながら。
おもしろいと言われれば・・・正直微妙である。そして弦を変えようとしたのだが、どこからどうやって張りなおすのか皆目見当がつかない。
どうやら背面に穴があるのだが、そこから弦を通すと表に出てくると言う簡単な発想が出てこない・・・。とりあえず穴が開いている蓋を外してみたがまた6つの穴があるだけである。
当時も今も私は鈍いのだ。たまらず近所の楽器店でギターを持参し、弦を張り替えてもらう始末であった。ほんと情けない出来事であった。
練習は続けたが、バンドを組むわけでもなく何かをコピーするわけでもなく義務感だけで練習している感じであった。ただ、コード表を見てひたすら覚える毎日であった。
そして致命的な欠陥が発覚する。それに気付くのに時間はかからなかった。弦を垂直に押さえると必ず爪が先に当たるのだ。寝かせれば押さえる事ができるが、そうすると隣の弦に当たってしまう・・・。
深爪しても押さえられなかったのはこのせいなのだ。他人の爪先などまじまじと見る機会はないから自分も一緒だろうと思ったが違ったのだ。改造手術でもしないと土台無理な話である。
失意の中、ギターと私の蜜月は終了した・・・。ギターは部屋のオブジェと化した。高いオブジェである。
しかし、この件が私は無駄だとは思っていない。なぜなら、現にこうして2本の記事を書く事ができたのだ。この不本意な失敗のおかげで記事が書けたのは幸いである。
苦い過去をサルベーションできたのだ。
人生にはこんな些末なことが多々あるが、それらを無くし合理的にシステマティックに生きるほど愚かなことは無いと思う。
最近、寄り道は必要な無駄だなとつくづく思う。金になるならないの二元論で語りたくはないものである。
おわり
お読みいただき、ありがとうございました。