好きなことを仕事にできない
わたしは、本が好きだけど、本屋じゃない。
写真が好きだけど、カメラマンじゃない。
コーヒーが好きだけど、カフェの店員じゃない。
子どもが好きだけど、保育士じゃない。
音楽が好きだけど、ミュージシャンじゃない。
好きなことはいっぱいあるし、仕事もひとつしか選べないわけじゃない。
好きなことを必ずしも仕事にする必要もない。
好きでもない仕事をして、楽しいの?と訊かれる。意外と楽しい、と思う。
どんな仕事でも、新しい発見があるし、知らない世界がそこにはある。
いまの世の中は、いろんなものの裏側が見えにくくなっているから、仕事をしなければ見ることができない世界がいっぱいある。
その裏側の世界は、表に見える「好き」で溢れる明るいものでは決してないかもしれないけれど、そこで地道に働いている人たちがたしかにいる。
好きな仕事をしている人も、そうじゃない人も、どっちも同じくらい尊いし、素敵だ。
好きなことを続けて、それを仕事にするには、覚悟が必要だ。
好きなことだけをやっていても稼げないかもしれない。自分の「好き」が世の中に認められないかもしれない。いつのまにか、「好き」だったはずのことが世間に合わせなくちゃいけなくて、違うものになって、苦痛になるかもしれない。
そういう不安をはねのけて、「好き」を続ける人はかっこいい。だから、そういう人を素直に応援したい、と思う。
でも、皆がそうじゃなくてもいい。
わたしは、誰かが好きなことをしてるのを、応援するほうが好きかもしれない。妻の仕事も応援したいし、だれかの新しい挑戦も応援したい。
そういう環境を整えたり、ルールを考えたりするのが好きだ。
わたし自身は、好きなことで遊んで、なんとなくぶらぶらしてる。
というようなことを下書きに残していたら、似たようなことを吉玉サキさんが書いてくれた。その通り、だと思う。
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