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冷蔵庫の中の景色
いろいろと騒がれているコンビニのPBデザイン、コンビニのことやデザインのことは専門家ではないので、それについて語る言葉は持たないのだけれど、消費者としての言葉、生活者としての言葉は語ることはできる。
一人の生活者からしてみれば、コンビニのなかの風景が統一されて綺麗だとか、3m先から商品の詳細が見えないとか、正直どうでもいい。
それよりも、自分の日常の景色が変わることのほうが大事だ。
冷蔵庫の中がちょっとすっきり落ち着いて見える、お惣菜もパッケージのまま置いといても、後ろめたい気持ちにならない。そのままで、なんかちょっといいな、って思える。
その「ちょっといいな」の積み重ねで、主婦や主夫はキッチンという自分のテリトリーを、「毎日使っていて楽しい」自分のためにデザインされた場所として築き上げているのだ。
そこに「コンビニとはなにか」という意味や意義、そして意匠といったことは全く入る余地はない。「コンビニ」が与えるものとか、役割とか、それは私の生活とは無縁のものだから。
私がその商品を手に取るときは、コンビニに並べられた姿ではなく、家で私がそれを使う姿を想像している。
デザインからコンビニを、社会を語るのは面白い。けれど、それを実際に使うのは家庭であり日々の日常だ。日常を切り取って共有することが当たり前になったいま、ちょっといいな、と感じる「日常に馴染むこと」を意識したデザインを作ることは、あながち間違ったことでもないのだと、私は思う。
「お洒落で整った暮らし」だけが決していいとも思わないし、私は雑然とした散らかった部屋も好きだ。でもときどき、びしっと綺麗に並べられた冷蔵庫の中の景色(整理収納アドバイザーがインスタにあげてるような)を夢見てしまうこともある。そんな些細な夢を、手軽に簡単に叶えてくれるのなら、十分にコンビニエンスじゃないだろうか。
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