電動自転車を手放した日
昨年末に、電動アシスト自転車(以下、電動自転車)を手放した。
正確には、ジモティーをつかって引き取ってもらった。もともとヤフオクで買った中古車なので、これで3代引き継がれたことになる。よく作られた自転車は、頑丈で長持ちする。また次の新しい家庭で、子どもをたくさん乗せてもらえたら、うれしい。
いま住んでいる地域は坂が多い。
だから、ほとんどの子育て世代は電動自転車を使い、子どもを乗せる。
電動自転車を購入し、それまで乗っていた自転車をいったん手放すことは、乳幼児期の子育ての通過儀礼みたいなものだ。
私は、自転車に乗るのが好きで、子どもが生まれる前はミニベロと呼ばれる小さなタイヤの自転車に乗っていた。かわいくて小さい、BRUNOというブランドの自転車を愛用していた。
入り組んだ東京の街を、自由に走り回るのにはちょうどいい自転車だった。当時住んでいた日暮里から、浅草や墨田川、谷根千、蔵前あたりまで、ちょっとしたお出かけにちょうどよかった。会社の自転車好きな人とサイクリングに出かけたりもした。
電動自転車を買うにあたり、自転車を手放したときも、ヤフオクで売った。いい自転車は、高く売れる。実際、当時は人気が高いモデルで、プレミアがついていたおかげで、電動自転車と同じくらいの値段で売れた。
そして、また新しくロードバイクを手に入れた。
同じく子育て世代になり5年くらい放置していたというロードバイクを友人から譲り受けて、オーバーホール(悪いとこ全部直して!と自転車屋さんに頼むこと)してもらった。
久しぶりすぎて、乗り方を忘れていたけれど、自転車屋さんからの帰り、風を切って足を運ぶ感じが楽しくてたまらなかった。坂道も余裕で登れる。
電動自転車を手放して、またひとつ、子育ての区切りがついた気持ちがしている。
娘も大きくなって、さすがに後ろに乗せるわけにはいかなくなった。今度は一緒に自転車を漕いで、いろんなところに連れていきたい。まずは娘も私も、自転車に慣れるところから。