すきな映画を聴きながら眠る
ある日、友達が「寝るときはいつもお笑いのラジオを聴いて寝てる」と話してくれた。
「えー、それで寝れるの？」と訊き返したけれど、自分の好きなものを聴きながら寝るから安心できるし、いつのまにか寝てるのだという。
そういわれると、ちょっといいな、と思った。
AmazonのPrimeVideoなどのサービスをはじめとして、サブスクリプション型の見放題、聴き放題のサービスがたくさんある今は、「自分の好きなものを聴きながら寝る」ということが、とてもやりやすい。
わたしも好きな映画でやってみた。『リトル・フォレスト』だ。
主演の橋本愛さんが、季節の移り変わりとともに日々の暮らしと恵みを一人称で語り、宮内優里さんの優しく静かな音楽がそっと彩りを添える。流れる映像もとても美しいのだけれど、寝ながらなので、画面は観ずに聴くだけである。なんだか、とてもぜいたくだ。
その世界に入り込みながら、いつのまにか眠りについている。非日常的な想像をしたまま眠ることができるから、日常の些末なことが忘れられる。とても気持ちいい。映画館のなかで眠るのは、もったいなくて背徳感があるけれど、これなら遠慮なく寝てもいい。そんな気持ちよさもある。
定額サービスはだいたい多くのコンテンツを持て余す。とても消費しきれるサービス量ではない。だから、少し贅沢なこういう使い方もいいかもしれない。
すきな映画を聴きながら、眠りに就いてみませんか？
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