Tokyo COVID-19; 09/16/2022
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する9月16日のノート
概要
・9月16日(金曜日)の報告日ベースの陽性者数は、8,636名と前日より189名の減。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した(第6波)。その後減少したが6月半ばから増加に転じ、7月上旬には2.0近くまで上がった(第7波)。ピークアウト後に下がり8月上旬に一旦1.0近くまで上昇し、その後下降、ただし直近では再増加の懸念がある。
・重症者数は前日と変わらず26名である。
・直近の1週間の死亡者の報告は133名と前日より16名の減。1日平均で19名である。
・10代の陽性者数の7日間平均が再増加を始めた。
・Google Mobility の観測によると9月3日の週の人流は、前週(8月27日の週)より増えた。
・第7波(2022年6月12日以降)の累積感染者は19歳以下が21%、累積死亡者は70歳以上が89%を占めている。第6波では19歳以下が20代を上回ったが、第7波では拮抗している。死亡者の年齢分布は第6波と同様である。
全感染者数の推移
9月16日(金曜日)の東京都の陽性者報告数は8,636名と前日(9月15日)より189名の減。内訳は濃厚接触2,640名(前日比-133、経路調査中5,984名(同-64)。経路調査中の5,984名は1週間前の9月9日より487名の減である。経路不明者の7日間平均は6,041名と前日より70名、1週間前より1,385名の減である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 6,041 前週比 81%
1週間前 7,425 前週比 70%
2週間前 10,681 前週比 62%
3週間前 17,178 前週比 87%
4週間前 19,806 前週比 97%
5週間前 20,463 前週比 82%
6週間前 24,949 前週比 105%
と増加した減少のペースが小さくなった。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
9/16より遡る7日間 前週比 -19%
9/15より遡る7日間 前週比 -22%
9/14より遡る7日間 前週比 -24%
9/13より遡る7日間 前週比 -22%
9/12より遡る7日間 前週比 -26%
9/11より遡る7日間 前週比 -26%
9/10より遡る7日間 前週比 -29%
9/9より遡る7日間 前週比 -30%
減少幅は漸減している。
検査者数(最新9月16日)
7日間移動平均で14,1803名。減少のペースは鈍っている。陽性率の7日間移動平均は29.5%、30%を割って減少を続けている。
発症者数(最新9月14日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数の最大値は8月1日に36,024名を記録し、それ以降は減少しているが、直近では現象のペースが鈍くなって来ている。
実効再生産数
・2021年9月14日の0.55を底に10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超え、昨年末に4.0のピークを記録した(第6波)。その後減少したが7月上旬には2近くまで上昇した(第7波)。ピークアウト後に下がり8月上旬に一旦1.0近くまで上昇した後に再び下降したが、直近では再上昇の懸念がある。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新9月15日)
・9月15日は1,957件。最高値は7月25日の16,313件であった。
・7日間平均は2,584件、7月25日の14,786をピークに減少が続いている。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が上回っており、後追いの状況にあると言える。
重症者推移
重症者数は26名と前日と変わらず。年代、男女の別は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブは落ち着いて来ている。
死亡者の累積は短調増加が続いている。
9月16日付で13名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間は149である。
年代別感染者数の推移
・10歳以下の陽性者の減少が鈍く、人口あたりの陽性者数で20代を上回っている。
・10代の7日間平均が増加を始め、人口当たりの陽性者数でも20代を超過した。
・9月16日時点の65歳以上の感染数の移動平均は784名と8月4日の3,290名をピークに減少を続けている。
・9月16日の65歳以上の感染数は752名(前日比-74)。全陽性者に占める比率は8.7%である。
グーグルモビリティ(最新9月11日)との相関
グーグルモビリティに9月11日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・9月3日の週の人流は、前週(8月28日の週)より増加している。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、6月17日から11月30日までを第5波、12月1日から2022年6月11までを第6波、6月12以降を第7波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第7波の陽性者の年代別比率を見ると第6波と同じく19歳以下が21%と20代の19%を超えているが、その差は第6波よりは小さくなっている。累積死亡者はまだ多くはないが70歳以上が89%を占め、第5波で32%を占めた50代・60代は8%に減少している。この傾向は第6波から変わっていない。ただし、感覚的ではあるが重症者の上昇カーブが第6波よりも遅い感じがする。