Tokyo COVID-19; 04/08/2022

東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する4月8日のノート

概要

・報告日ベースの陽性者数は8,112名と前日比641名の減。7日間平均は7,452名と単日値のピーク21,576名(2月2日)の35%ではあるが、再増加に移行している可能性が高い。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。その後減少したが1月下旬からは下げ止まりとなり直近では1.0を超えていると考えられる。
・重症者数は30名と前日より1名の増。減少傾向にはあるが、速度は鈍い。
・直近の1週間の死亡者の報告は50名と前日と同じ。ピークは越えたが、1日あたり7名と依然として高い。
・Google Mobility の観測によると3月27日の週の人流は、前週(3月20日の週)より若干増えた。
・第6波(2021年12月1日以降)の累積感染者は19歳以下が28%、累積死亡者は70歳以上が91%を占めている。また3月29日時点の重症者は、60代・70代で60%が占められている。

感染者数の全体推移

画像1

4月8日の東京都の感染数は8,112名と前日(4月7日)より641名の減、内訳は濃厚接触2,746名(前日比-78)、経路調査中5,363(同-557)。経路調査中の5,363名は1週間前の4月1日より207名の増である。経路不明者の7日間平均は4,827名と前日より30名の増、1週間前より23名の減である。

この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 4,827 前週比 100%
1週間前 4,849 前週比 123%
2週間前 3,933 前週比 81%
3週間前 4,842 前週比 88%
4週間前 5,519 前週比 81%
5週間前 6,848 前週比 96%
6週間前 7,123 前週比 79%
7週間前 9,049 前週比 79%
8週間前 11,515 前週比 98%
9週間前 11,787 前週比 154%
と増加傾向にある。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
4/8より遡る7日間 前週比 0%
4/7より遡る7日間 前週比 +1%
4/6より遡る7日間 前週比 -4%
4/5より遡る7日間 前週比 +3%
4/4より遡る7日間 前週比 +15%
4/3より遡る7日間 前週比 +17%
4/2より遡る7日間 前週比 +23%
4/1より遡る7日間 前週比 +23%
3/31より遡る7日間 前週比 +21%
3/30より遡る7日間 前週比 +26%
とプラスに戻った。

検査者数(最新4月7日) : 7日間移動平均で13,964名。直近のピーク値は1月28日の29,698人である。陽性率の7日間移動平均は直近では32.6%と再増加の懸念がある。

発症者数(最新4月7日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。

図5

補正係数表10

補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は直近では1月31日の16,882名がピーク値である。ピークアウトはしているが、減少は鈍く、直近では再増加が始まった可能性がある。

実効再生産数
・2021年9月14日の0.55を底に10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超え、昨年末に4.0のピークを記録した。その後減少するが1月下旬からは下げ止まりとなり直近では1.0を超えた可能性がある。
 
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新4月7日)
・4月5日は2,740件であった。
・7日間平均は、3,142件と3月31日以降連続して3,000件を超えている。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が大幅に上回っており、後追いの状況にあると言える。

重症者推移

重症者数は30名と前日と同じ。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。

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40代から70代の重症者の推移を下図に示す。

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感染者・死亡者累計

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報告日別の陽性者累積カーブはピークアウトにより緩らかに成りつつあったが、直近では再増加の兆候も見られる。
4月8日付で9名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では50名と減少傾向にはあるが、まだ1日あたり7名と高い値である。

年代別推移

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・7日間移動平均値を見ると、各年齢層で再増加の傾向が見られる。特に20代の増加が大きい。
・9歳以下及の人口あたりの陽性者数は20代を上回っている。
・4月8日時点の65歳以上の感染数の移動平均は369名と増加傾向にある。
・4月8日の65歳以上の感染数は445名(前日比+9)。全陽性者に占める比率としては5.5%と減少傾が鈍くなっている。

グーグルモビリティ(最新4月5日)との相関

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グーグルモビリティに4月5日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・3月27日の週の人流は、前週(3月20日の週)より若干増えた。

各波との比較

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2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第6波の陽性者数は第5波の4.7倍となり、死亡者数も133%と陽性者に対する比率が伸びて来ている。陽性者の年代別比率を見ると19歳以下が28%と20代の19%を超え、60代以上の比率も第5波よりも高い。累積死亡者は70歳以上が91%を占め、第5波で32%を占めた50代・60代は8%に減少している。

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