Tokyo COVID-19; 11/23/2021
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する11月23日のノート
概要
・報告日ベースの陽性者数は17名。20名前後で推移している。
・発症日別の陽性数これより算出される実行再生算数(Rt)は一時期0.6を切るまで下がったが直近は値が不安定になっている。11月初旬は1.0を超えたが、直近では0.8程度までに下がった。また、2桁と言う現状の陽性者数から算出されるRtが感染実態を反映しているかは不明と言える。
・重症者数に関しては、40代1名、50代2名、60代2名、70代1名、80代2名と各1桁で推移している。
・死亡者の報告数は直近の1週間では6名である。
・Google Mobility の観測によると、11月の第3週の人流は、11月の第2週と同レベルであった。
感染者数の全体推移
11月23日の東京都の感染数は17名と前日(11月22日)から11名の増である。内訳は濃厚接触者7名(前日比+6)、経路調査中10名 (同+5)である。経路調査中の10名は1週間前の11月16日より1名の減、対1週間前の値は11月に入ってからは-11〜+12の範囲で増減を繰り返している。
経路不明者の7日間平均は11名と前日と同じ、1週間前より3名の減である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 11 前週比 80%
1週間前 14 前週比 92%
2週間前 15 前週比 99%
3週間前 15 前週比 79%
4週間前 19 前週比 60%
5週間前 32 前週比 57%
6週間前 56 前週比 49%
7週間前 113 前週比 56%
8週間前 202 前週比 95%
と一旦増加したが、再び減少傾向に戻った
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
11/22より遡る7日間 前週比 -20%
11/22より遡る7日間 前週比 -27%
11/21より遡る7日間 前週比 -27%
11/20より遡る7日間 前週比 -25%
11/19より遡る7日間 前週比 -20%
11/18より遡る7日間 前週比 -23%
11/17より遡る7日間 前週比 -4%
11/16より遡る7日間 前週比 -8%
と減少幅が増加傾向にある。
検査者数(最新11月21日) : 7日間移動平均では8月下旬には17,000名近くまで上昇した以降は減少し、一時期6,000名を割ったが、直近は6,200前後を推移している。陽性率の7日間移動平均は0.3%まで下がっている。
発症者数(最新11月22日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は8月10日に3,834名のピークを示した後減少に転じ、直近では10名前後まで減って来ている。
実効再生産数
・5月25日前後から上昇し7月下旬の1.6をピークに減少に転じ8月10日前後に1.0を割った。その後9月14日の0.55を底に、10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始めた。直近では計算上は一時期1.0を超えたが、再び減少している。また値は安定しおらず、2桁と言う現状の陽性者数から算出されるRtが感染実態を反映しているかは不明と言える。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新11月21日)
・11月21日は397件であった。
・7日間平均は355件と400件を割り第3波以前のレベルまで下がった。また11月3日から微増傾向にあったが再び減少を始めた模様である。
重症者推移
重症者数は8名と前日と同じ。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブを見ると直近ではほぼ水平になっている。累積の死亡者数も水平に近づいている。
11月23日付の死亡報告はなかった。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、今回は9月18日には136名と年始のピークに匹敵する数まで上がったが、直近は6名と減少している。
年代別推移
・陽性者の減少に伴い年代感の差異は小さくなって来ている。
・11月23日時点の65歳以上の感染数の移動平均は2名で、8月26日に203名と年始(265名)の80%近い値に達した後は減少している。
・11月23日の65歳以上の感染数は1名(前日比±0)であった。
グーグルモビリティ(最新11月19日) との相関
グーグルモビリティに11月19日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・11月14日の週の人流は、11月7日の週と同レベルであった。
・Rtの週間平均は9月19日の週から増加に転じていたが、直近は再び低下した様であるただし陽性者の数が二桁であり、算出されたRtの信頼性は低い。
第1波、第2波、第3波、第4波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、それ以降を第5波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第1波から第4波までは、多少の相違はあるが、概ね同様な傾向が見られた。第4波と第5波を比較すると、11月23日で第5波の期間日数が159日間となり、第4波の86日間の185%となった。この間の総感染数は第4波の310%に達したのに対して死亡者数は905名と第4波の214%に留まっている。ただし、この比率の差は死亡に繋がらない若年層の感染が増えたためであり、死亡数としては第4波の2倍を超えている。また70代以上については、感染数は132%死亡数は151%と共に全体に比べれば抑えられてはいるが、
単純に『死亡数÷陽性者数』の比率で見ると、第4波の1.15倍とむしろ悪化したと言える。
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