Tokyo COVID-19; 04/09-15/2023
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するノート(4月9日-4月15日)
概要
・4月9日から4月15日の報告日別陽性者数の7日間平均は1,119名と前週(4月2日の週)より80名の増。増加は続いているがペースは鈍って来た。
・重症者の7日間平均は前週5名と前週より2名の増。
・1週間の死亡者の報告は11名と前週より4名の増。
・第8波(2022年10月11日以降)の期間は143日と第7波の1.5倍を超えた。この間の累積感染者第7波の70%であるが、累積書房者数は103%である。年齢構成は感染者は19歳以下が21%、死亡者は70歳以上が88%を占め、この傾向は第7波と同様である。
・3月20日前後から重症者数、死亡者数以外の指標がプラスに転じている。すでに第9波に入ったと言えるが、重症者、死亡者の数値の増加は、まだ顕著にはなっていない。また陽性者数の増加も鈍りつつあるが、感染が収束しつつあるのか、単に検査数が減っているのかの判断ができていない。
全感染者数の推移
4月9日から4月15日の報告日別陽性者数の7日間平均は1,196名と前週(4月2日の週)より80名の増である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 1,119 前週比 108%
1週間前 1,039 前週比 125%
2週間前 832 前週比 123%
3週間前 676 前週比 101%
4週間前 667 前週比 88%
と3週間前から増加に転じたが、直近では増加率が鈍っている。
検査者数(4月15日時点)
7日間平均で9,064名と前週より減少したが、陽性率の7日間移動平均は8.3%と3月20前後から増加が続いている。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(4月1日時点)
・7日間平均は420件、4月に入って増加に転じたが直近では停滞している。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが現在は陽性者数が上回っており、後追いの状況が続いている。
重症者推移
重症者の7日間平均は前週より2名増え5名である。年代、男女の別は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブは再び曲点を超えた。
1週間の死亡者の報告は11名と前週より4名の増。増えたり減ったりしている。
年代別感染者数の推移
・20代、30代を上回っていた10代以下の人口あたりの感染数が20代、30代と変わりなくなった。
・1月7日時点の65歳以上の感染数の移動平均は146名と前週より7名の増である。3月22日から増加に転じている。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、6月17日から11月30日までを第5波、12月1日から2022年6月11までを第6波、6月12日から10月11までを第7波、10月12日以降を第8波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第8波の陽性者の年代別比率は第7波と同様である。累積死亡者の年代別傾向も第7波から変わっていない。ただし、重症者数、累積死亡者数は第7波とほぼ同程度であるが、陽性者数は7割程度となっている。
これに関しては、重症化率や死亡率が上がっているのか、単に積極的疫学検査が縮小されて陽性者数の報告数が少なくなっているのかは、表面上のデータからは判断できない。
また、3月20日前後から重症者数、死亡者数以外の指標がプラスに転じている。すでに第9波に入ったと言えるが、重症者、死亡者の数値の増加は、まだ検知になっていない。また陽性者数の増加も鈍りつつあるが、感染が収束しつつあるのか、単に検査数が減っているのかの判断ができていない。