Tokyo COVID-19; 05/16/202
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する5月16日のノート
概要
・5月16日の報告日ベースの陽性者数は2,377名と前日より987名の減。7日間平均は3,866名と単日値のピーク21,576名(2月2日)の18%である。GW明けの増加は一息ついた感じである。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。その後減少し直近では1.0超を推移している。
・重症者数は3名と前日比-1。減少が続いている。
・直近の1週間の死亡者の報告は36名と前日より4名の増。1日平均5名である。
・Google Mobility の観測によると5月8日の週の人流は、GW明けのため前週(5月1日の週)より人流が増えた。前々週(4月27日の週)に比べても若干増加している。
・第6波(2021年12月1日以降)の累積感染者は19歳以下が28%、累積死亡者は70歳以上が89%を占めている。また5月16日時点の重症者は、60代・70代で67%が占められている。
感染者数の全体推移
5月16日の東京都の感染数は2,377名と前日(5月15日)より971名の減。内訳は濃厚接触815(前日比-325)、経路調査中1,558(同-647)。経路調査中の1,558名は1週間前の5月9日より390名の減である。GWが明けて対1週間前比の増加数が落ち着いた。経路不明者の7日間平均は2,570名と前日より56名の減、1週間前より439名の増である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 2,131 前週比 94%
1週間前 2,275 前週比 92%
2週間前 2,467 前週比 72%
3週間前 3,421 前週比 83%
4週間前 4,114 前週比 83%
5週間前 4,958 前週比 105%
6週間前 4,741 前週比 103%
7週間前 4,606 前週比 102%
8週間前 4,510 前週比 98%
と減少幅が縮んでいる。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
5/16より遡る7日間 前週比 +21%
5/15より遡る7日間 前週比 +27%
5/14より遡る7日間 前週比 +43%
5/13より遡る7日間 前週比 +51%
5/12より遡る7日間 前週比 +38%
5/11より遡る7日間 前週比 +11%
5/10より遡る7日間 前週比 -8%
5/9より遡る7日間 前週比 -19%
5/8より遡る7日間 前週比 -24%
5/7より遡る7日間 前週比 -33%
5/6より遡る7日間 前週比 -41%
比較対象がGWに掛かる範囲は増加幅が大きく出た。
検査者数(最新5月17日)
7日間移動平均で11,801名。直近のピーク値は1月28日の29,698人である。陽性率の7日間移動平均は直近では18.3%と減少が止まりつつある。
発症者数(最新5月17日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は直近では1月31日の16,882名がピーク値である。一時的な再増加から、ゆっくりと減少している。
実効再生産数
・2021年9月14日の0.55を底に10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超え、昨年末に4.0のピークを記録した。その後減少し直近では1.0超を推移している。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新5月17日)
・5月17日は2,152件。GW明けの5月9日に2,000件を割った後に増加したが、再び減少を始めている。
・7日間平均は5月9日から減少が続いている。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が大幅に上回っており、後追いの状況にあると言える。
重症者推移
重症者数は3名と前日比-1。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブはピークアウトにより緩らかになっている。
5月16日付で5名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では36名と減少速度が落ちて来た。
年代別推移
・7日間移動平均値を見ると、若年層を中心に減少、増加、減少と転じている。
・10代以下の人口あたりの陽性者数は20代を上回っている。
・5月13日時点の65歳以上の感染数の移動平均は246名とGWが明けて減少が止まった。
・5月13日の65歳以上の感染数は165名(前日比-70)。全陽性者に占める比率は7%である。
グーグルモビリティ(最新5月11日)との相関
グーグルモビリティに5月11日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・5月8日の週の人流は、GW明けのため前週(5月1日の週)より人流が増えた。前々週(4月27日の週)に比べても若干増加している。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第6波の陽性者数は第5波の5.6倍である。死亡者数も1.7倍と陽性者に対する比率こそ前回より低いが数としては前回を大きく上回っている。陽性者の年代別比率を見ると19歳以下が28%と20代の19%を超え、60代以上の比率も第5波よりも高い。累積死亡者は70歳以上が89%を占め、第5波で32%を占めた50代・60代は9%に減少している。