Tokyo COVID-19; 01/17/2022
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する1月17日のノート
概要
・報告日ベースの陽性者数は3,719名、4日ぶりに4,000名を割ったが、週末の絡む数字であるため、明日以降の推移が注視される。昨2021年は年末年始の人流の減少で2021年1月7日をピークに陽性者数が減少したが、今回はまだ減少に転じていない。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。直近では2.0前後であると思われる。
・重症者数は10才未満、50代、60代各1名、80代2名の計5名である。
・直近の1週間の死亡者の報告は4名である。
・Google Mobility の観測によると、1月2日の週の人流は、正月明けのため12月26日の週よりも職場の人出は増えたが、乗換駅・住居の人では変わらず、小売・娯楽はむしろ減少した。今後1月9日の週以降の感染増が人流に与える影響が注視される。
感染者数の全体推移
1月17日の東京都の感染数は3,719名と前日(1月16日)より453名の減。内訳は濃厚接触者1,435名(前日比+138)、経路調査中2,276名 (同-591)である。経路調査中の2,276名は1週間前の1月10日より1,745名の増である。
経路不明者の7日間平均は2,143名と前日より298名、1週間前より1,650名の増である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 2,143 前週比 435%
1週間前 493 前週比 1062%
2週間前 46 前週比 206%
3週間前 23 前週比 193%
4週間前 12 前週比 122%
5週間前 10 前週比 87%
と増加幅が急拡大している。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
1/17より遡る7日間 前週比 +335%
1/16より遡る7日間 前週比 +343%
1/15より遡る7日間 前週比 +395%
1/14より遡る7日間 前週比 +479%
1/13より遡る7日間 前週比 +595%
1/12より遡る7日間 前週比 +728%
1/11より遡る7日間 前週比 +864%
1/10より遡る7日間 前週比 +962%
1/9より遡る7日間 前週比 +1,005%
直近は連休の影響で拡大幅が縮まっているが、この影響から外れると再び拡大幅が増加する可能性がある。
検査者数(最新1月14日) : 7日間移動平均では8月下旬には17,000名近くまで上昇した以降は減少し、11月下旬には6,000名を割ったが、12月下旬には6,500名前後まで増加した。検査数は年末年始で減ったが休み明けからは急増加し直近では13,500前後と、第5波のピークに近づきつつある。陽性率の7日間移動平均は12月7日に0.2%まで下がった後、直近では18.0%と急速に上がっている。
発症者数(最新1月16日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は8月10日に3,834名のピークを示した後減少に転じ、11月下旬には10名前後まで下がったが、直近では実数で3,000名を超え、推測値では4,000名を超えている可能性がある。今後の推移に注視が必要と言える。
実効再生産数
・5月25日前後から上昇し7月下旬の1.6をピークに減少に転じ8月10日前後に1.0を割った。その後9月14日の0.55を底に、10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超えた。直近では感染の急増により計算では4.0を超えた後に急速に減少している。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新1月16日)
・1月16日は4,635件であった。日曜日の影響もあるが、最大値を更新した。
・7日間平均は3,659と急増している。陽性者数も増えており、相談件数は、今後さらに増加すると考えられる。
重症者推移
重症者数は5名と前日と同じ。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブは正月明けの陽性者の急増を受け、再び右上がりになった。
1月17日付で1名の死亡者報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では4名である。
年代別推移
・全般的に急速な増加傾向にある。特に10代、20代は前回ピークに匹敵する。
・1月17日時点の65歳以上の感染数の移動平均は171名である。2021年始のピーク(265名)の6割を超えた。
・1月17日の65歳以上の感染数は205名(前日比-29)と増加が続いている。
グーグルモビリティ(最新1月13日) との相関
グーグルモビリティに1月13日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・1月第1週(1月2日の週)の人流は前週に比較して、年始が明けたため職場は増えたが、住居の滞在や乗換駅は変わらず、小売・娯楽は減少幅した。
・Rtの週間平均は9月19日の週から増加に転じていたが、11月中旬に低下し、12月に入ってから増加を始めた。直近は計算上2を超えたが、異常値の可能性もあり、今後の推移に注視が必要と言える。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
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