Tokyo COVID-19; 01/29/2022
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する1月29日のノート
概要
・報告日ベースの陽性者数は17,433名、週末のためか前日よりは若干減っている。発症日別陽性者数の推移からは頭打ちになりつつある可能性も考えられるが予断はできない。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。直近では2.0を割っている公算が高い。
・重症者数は22名と増加傾向にある。
・直近の1週間の死亡者の報告は15名である。
・Google Mobility の観測によると陽性者の急増が通いた1月23日の週も人流はあまり抑制されていない。
感染者数の全体推移
1月29日の東京都の感染数は17,433名と前日(1月28日)より198名の減。内訳は濃厚接触者5,884名(前日比-283)、経路調査中11,540名 (同+79)である。経路調査中の11,540名は1週間前の1月22日より4,095名の増である。
経路不明者の7日間平均は8,991名と前日より585名、1週間前より4,356名の増である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 8,991 前週比 194%
1週間前 4,635 前週比 290%
2週間前 1,596 前週比 495%
3週間前 322 前週比 906%
4週間前 36 前週比 187%
5週間前 19 前週比 177%
6週間前 11 前週比 103%
と3週間前に増加幅が急拡大した。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
1/29より遡る7日間 前週比 +94%
1/28より遡る7日間 前週比 +110%
1/27より遡る7日間 前週比 +119%
1/26より遡る7日間 前週比 +129%
1/25より遡る7日間 前週比 +145%
1/24より遡る7日間 前週比 +158%
1/23より遡る7日間 前週比 +169%
1/22より遡る7日間 前週比 +190%
1/21より遡る7日間 前週比 +217%
1/20より遡る7日間 前週比 +258%
率としての拡大幅は縮まって来ている。
検査者数(最新1月28日) : 7日間移動平均で24,901名と、20,000人を超えて増加が続いている。陽性率の7日間移動平均は12月7日に0.2%まで下がった後、直近では34.2%と急速に上がり最高値を更新した。
発症者数(最新1月28日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は8月10日に3,834名のピークを示した後に減少に転じ、11月下旬には10名前後まで下がったが、直近では実数で11,000名を超えた。今後の推移に注視が必要と言える。
実効再生産数
・5月25日前後から上昇し7月下旬の1.6をピークに減少に転じ8月10日前後に1.0を割った。その後9月14日の0.55を底に、10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超えた。直近では感染の急増により計算では4.0を超えた後に減少し、2.0を割っている。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新1月27日)
・1月27日は6,457件と1月26日に記録した最高値6,542件に次ぐ数字である。
・7日間平均は6,019と6,000件を超えた。
重症者推移
重症者数は22名と前日より2名の増。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブは正月明けの陽性者の急増を受け、再び右上がりになった。
1月29日付で3名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では15名である。
年代別推移
・全般的に急速な増加傾向にある。7日間移動平均値においても、全年齢断面で前回のピークを超えた。
・1月28時点の65歳以上の感染数の移動平均は991名と最高値を更新した。
・1月28日の65歳以上の感染数は1,296名(前日比+95)と急増した。全陽性者に占める比率も7.4%と7%を超えている。
グーグルモビリティ(最新1月26日) との相関
グーグルモビリティに1月26日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・1月13日の週に入り陽性者の急増が続くが、人流の抑制はあまり見られていない。
・Rtのと人流の相関はあまり見られない。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
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