Tokyo COVID-19; 04/21/2022
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する4月21日のノート
概要
・報告日ベースの陽性者数は6,713名と前日比63名の減。7日間平均は5,905名と単日値のピーク21,576名(2月2日)の27%である。一時期再増加の懸念があったが、現状はゆっくりと減っている。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。その後減少したが1月下旬からは下げ止まりとなり直近では1.0を超えていると考えられる。
・重症者数は15名と前日と同じ。ゆっくりであるが減少は続いている。
・直近の1週間の死亡者の報告は41名と前日+1。1日あたり6名弱である。
・Google Mobility の観測によると週4月10日の週(4月10日〜4月16日)の人流は、前週(4月10日の週)より若干増加している。
・第6波(2021年12月1日以降)の累積感染者は19歳以下が28%、累積死亡者は70歳以上が90%を占めている。また3月29日時点の重症者は、60代・70代で53%が占められている。
感染者数の全体推移
4月21日の東京都の感染数は6,713名と前日(4月20日)より63名の減、内訳は濃厚接触2,394(前日比-1)、経路調査中4,317(同-59)。経路調査中の4,317名は1週間前の4月14日より1,198名の減である。経路不明者の7日間平均は3,799名と前日より171名、1週間前より1,089名の減である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 3,799 前週比 78%
1週間前 4,888 前週比 102%
2週間前 4,797 前週比 101%
3週間前 4,770 前週比 121%
4週間前 3,938 前週比 81%
とマイナスに転じた。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
4/21より遡る7日間 前週比 -22%
4/20より遡る7日間 前週比 -20%
4/19より遡る7日間 前週比 -17%
4/18より遡る7日間 前週比 -14%
4/17より遡る7日間 前週比 -12%
4/16より遡る7日間 前週比 -6%
4/15より遡る7日間 前週比 -2%
4/14より遡る7日間 前週比 +2%
4/13より遡る7日間 前週比 +6%
とこちらも減少幅が大きくなっている。
検査者数(最新4月20日)
7日間移動平均で13,744名。直近のピーク値は1月28日の29,698人である。陽性率の7日間移動平均は直近では23.7%と減少している。
発症者数(最新4月20日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は直近では1月31日の16,882名がピーク値である。直近では一時的な再増加から、ゆっくりと減少している可能性がある。
実効再生産数
・2021年9月14日の0.55を底に10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超え、昨年末に4.0のピークを記録した。その後減少するが1月下旬からは下げ止まりとなり、直近では1.0前後を推移している。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新4月20日)
・4月20日は2,248件であった。
・7日間平均は、2,322件と4月16日以降3,000件を割っている。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が大幅に上回っており、後追いの状況にあると言える。
重症者推移
重症者数は15名と前日と同じ。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブはピークアウトにより緩らかに成りつつあったが、直近では再増加の兆候も見られる。
4月21日付で8名の死亡が報告された。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では41名と減少傾向にはある。
年代別推移
・7日間移動平均値を見ると、30代以下の若年層は再増加から減少に転じ、高齢層は高止まりの状態にある。
・10代以下の人口あたりの陽性者数は20代を上回っている。
・4月21日時点の65歳以上の感染数の移動平均は340名と減少が続いている。
・4月21日の65歳以上の感染数は386名(前日比+46)。全陽性者に占める比率としては6.0%である。
グーグルモビリティ(最新4月17日)との相関
グーグルモビリティに4月17日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・4月10日の週の人流は、前週(4月3日の週)より若干増えた。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第6波の陽性者数は第5波の5.15倍となり、死亡者数も139%と陽性者に対する比率こそ前回より低いが、数としては既に前回を上回っている。陽性者の年代別比率を見ると19歳以下が28%と20代の19%を超え、60代以上の比率も第5波よりも高い。累積死亡者は70歳以上が90%を占め、第5波で32%を占めた50代・60代は9%に減少している。