【ライブレポ】ELLEGARDEN /Get it Get it Go! SUMMER PARTY 2023 @ZOZOマリンスタジアム 2023/08/17
なんて美しい夜なんだろう。
千葉マリンスタジアムの夜空に響き渡った「僕らの唄」
まさにベスト的選曲といって過言ではないセットリストの一曲一曲、全ての曲が心に突き刺さる名曲しかないことに驚かされました。
儚くも楽しい夏の思い出として、The end of yesterdayツアーの集大成となるSUMMER PARTYは、日本全国から集まった35,000人の”バカども”全員にとってのPerfect summerになったに違いないでしょう。
私個人的には去年の"SAI 2022"に続き復活後2度目のELLEGARDENのライブ。
少し長くなりますが、良かったらライブレポートにお付き合い下さい。
”現役バンドELLEGARDEN”としてのアルバムツアーファイナル
2日前まで台風が日本列島を襲い、当日も新幹線のダイヤが乱れる中、会場にたどり着けるか心配でしたが、無事灼熱のマリンスタジアムへ到着。
35,000人のファンたちが待ち焦がれる中、開演前に細美さん(Vo/Gt)が登場し、開演に先立っての注意事項・特にダイブに対する思いを説明。
といった話をすると会場は大歓声と拍手が沸き起こった。
また開演前、炎天下のアリーナにスタッフから水が配られるなど、チケット・グッズの安さも含めエルレはファンへの優しさが半端じゃない。
そして日も落ちてきた18時半、ステージにはFM802の大抜卓人氏が登場し、細美さんとの思い出、そしてエルレへの思いを語り会場を盛り上げる。昔からのファン・活動休止中にエルレを知ったファン・そして今日会場に来れなかった人たちの思いも代弁するような熱いMCに観客の期待度もピークになったところで、いよいよエルレガーデンの4人が登場した。
1曲目は『Breathing』。疾走感がありながら、どっしりと構えたバンドの貫禄を感じるナンバーでSUMMER PARTYは幕を開けた。
その後『Space Sonic』『Supernova』といった代表曲をで畳み掛け、フロアも沸騰し、我慢できなくなったダイバー達が大きなうねりを作る。
続く『チーズケーキ・ファクトリー』は歌詞の一部がツアータイトルになっているとおり、このツアーのハイライトとなる一曲。
魔法の言葉「ティダ・ラ・バダ」に続き、
観客による「We get it get it go!」のコールアンドレスポンスに、夢のような空間にいることを実感。まさにSUMMER PARTYを象徴する一曲といえるでしょう。
そして、ここで彼らの復活を象徴するような『Mountain Top』。
もう少し終盤で登場するかと思っていたので、序盤で演奏されたことは個人的には驚きでした。しかし、バンドの復活は既に過去のことで、今は現役のロックバンドとして前を向いているバンドの姿に、自分の感覚が置いていかれていることに気づかされました。
ここでMCタイム。メンバー紹介でリーダーの生形さん(Gt)のコメント
という力強い言葉に胸が熱くなる場面も。
その後、キラーチューンの『Fire Cracker』でフロアに着火し『Stereoman』『風の日』『The Autumn Song』『No.13』といった代表曲を一気に畳み掛ける。
こういった激しい曲で、ギターソロ前に細美さんが叫ぶ、
「いってこい!ウブ!」
の掛け声に対しプレイで答える生形さんのギターソロは鬼気迫るものがあり、まるでドラゴンボールに出てくる”気”が放出されているような、すさまじいオーラが見えるような錯覚すら覚えました。
夕暮れ時に始まったライブも、夜空に変わりそろそろライブも中盤。
珠玉の名曲『Missing』が夜の幕張に響き渡り、おだやかな『Perfect summer』が涙に濡れた頬を優しい夏の風で乾かす。
今まさに、夢のようなPerfect Summerを体験しているのだと実感。
音源は少しエレクトロ色のある落ち着いた曲ですが、ライブで聴いてこそより楽曲の持つ爽やかさを体感でき、一度しかないこの夏の思い出を胸に刻みつけることになる名演だったと思います。
ドラムの高橋さんのMCでは
と笑いをとる場面も。
ライブ全般を通して高橋さんの表情が穏やかで、前で暴れるメンバーを優しく見守っているような表情が印象的でした。安定したドラムがしっかりバンドを支えていることで、フロントが思う存分やれているんだなと思えるパワフルで安定感のあるドラムは健在でした。
MCで小休止をはさんで、季節はずれながら古くからのファンにとってのプレゼントといえる『サンタクロース』が披露され、そしてそこからも初期曲『Sliding Door』で一気にシフトアップ。この曲もギターソロの気迫がすさまじく、その後も一番の代表曲といえる『Salamander』と続き会場のヴォルテージは一気に頂点に。
ニューアルバムのツアーながら、新旧全キャリア通じたまさにベスト的な選曲。さらには、
という細美さんの言葉から『ジターバグ』の流れは最高に胸が熱くなる展開で、極めつけに『虹』『スターフィッシュ』といった素晴らしいメロディの楽曲が続くと、なんでこのバンドは名曲しかないんだ!?という驚きが隠せませんでした。
新譜からの『瓶に入れた手紙』も往年の代表曲の中でも決して埋もれることなく同等以上に存在感のある良曲。このベスト的なセットリストの中に組み込まれたアルバム曲のクオリティに、バンドが歩みを止めずに進化していることを実感しました。
ライブもいよいよ終幕へ。
エンディングを前に、突然ベースの高田氏にマイク話が振られ、
「この場面で僕ですか!?」
と今日一番の笑いを持っていったメタル高田氏。
この流れで今後についての話をして欲しかったであろう細美さんから、
この後どうするの?と再び振られ、
と、いつかまたマリンスタジアムで集まろうという嬉しい発表も。
そして『Make A Wish』の大合唱からのサークルモッシュで爆発し、アルバムのリードトラック『Starawberry Margarita』で楽しくSUMMER PARTY本編は幕を下ろしました。
なぜエルレの楽曲は名曲ばかりなのか?
ライブ中ずっと感じていたのが、どの曲も全て名曲で全ての曲を代表曲を言っても差しさわりがないこと。なんでこんなに美しい曲ばかり続くんだろう。
そして気が付いたのは、会場中でみんなが歌っている。
みんな笑顔で、泣きながら、自然と口ずさんだり、大声で歌っている。
圧倒的に美しくて、分かりやすくて、心に突き刺さるメロディと歌詞。
そうか、エルレの楽曲はリスナー一人ひとりの心の中に深く浸透して、一人ひとりの人生そのものとして同化しているんだなと。
この日千葉マリンスタジアムの夜空に響いていたのは、集まった一人ひとりの唄であり、その一人ひとり35,000の別々思いがひとつになって鳴り響いた僕らの唄。
アンコール後に打ちあがった花火も綺麗でしたが、それ以上に会場に溢れた笑顔、会場中に充満した圧倒的な幸福感こそもっとも美しい景色だったと思います。
たった一度しかない人生で、傷つきながらも戦って、またみんなで集まってバカをして。そんな”バカども”の夏を彩る素晴らしい夜でした。
セットリスト
1.Breathing
2.Space Sonic
3.Supernova
4.チーズケーキ・ファクトリー
5.Mountain Top
6.Fire Cracker
7.Stereoman
8.風の日
9.The Autumn Song
10.No.13
11.Missing
12.Perfect Summer
13.サンタクロース
14.Sliding Door
15.Salamander
16.ジダーバグ
17.虹
18.スターフィッシュ
19.瓶に入れた手紙
20.Make A Wish
21.Starawberry Margarita
(Encore)
22.Goodbye Los Angels
23.高架線
24.Pizza Man
(Encore2)
25.金星
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