【毎日更新#162】 不動産や建築で使われる独特の単位:「坪」「尺」「寸」「間」
幸せを届けたい不動産屋、坂下です。
日本の伝統的な測定単位には、他の国では見られない特徴が多く存在します。
日本では、計量法により、1958年12月31日限り(土地と建物の計量については1966年3月31日限り)で取引や証明に尺貫法を用いることは禁止されました。
しかし、特に不動産や建築の世界では、「坪(つぼ)」や「尺(しゃく)」、「寸(すん)」、「間(けん)」といった単位が一般的に使われます。
公的には使えない単位ですが、一般的にはまだその単位の呼び名は使われています。
これらの単位は、古くから続く日本独自の文化や風習と深く結びついており、日本の建築物や土地の評価において重要な役割を果たしています。
今回は、そんな「単位」のお話です。
まずは「坪(つぼ)」から見ていきましょう。
「坪」は土地面積や部屋の広さを測る単位で、1坪はおおよそ3.3平方メートルに相当します。
土地の売買契約においては、一般的に「1辺を6尺(約1.818m)とする正方形」が1坪とされています。
1坪は約3.3058平方メートルになると言われています。しかし、不動産の広告では、不動産の表示に関する公正競争規約により、必ずメートル法で表示することが義務付けられています。
それでも、メートル表示と同時に坪表示も併せて示すことは可能です。
次に「尺(しゃく)」です。
「尺」は長さの単位で、尺貫法で用いられています。
1尺は約0.303メートルで、また、6尺の長さを「間(けん)」と呼びます。
1平方間が1坪(約3.3平方メートル)となります。
そして、「尺」には一般的な尺(曲尺)と、和裁などで布の寸法を測る際に用いる尺(鯨尺)が存在します。
鯨尺は一般的な尺よりも長く、約0.379メートルです。
「寸(すん)」は尺貫法による長さの単位で、1寸は約3.03cmです。
古代中国から伝わり、日本では大宝令以前から使用されています。
この単位は、親指を当てたくらいの長さを表していたと言われています。
また、日本では身長を表す際に5尺(約150cm?180cm)を省略して寸だけを言うことが慣習となっており、「身長6寸」は5尺6寸を指します。
勾配を表す際にも1尺に対する垂直方向の長さを寸で示すことがあります。
最後に「間(けん)」です。
「間」は長さの単位で尺貫法で用いられます。1間は6尺(1.8182m)で、1平方間が1坪(3.3058平方メートル)となります。「間」は元々柱間の数を示す単位で、名残をとどめる形で、京間の畳の長さ(長辺)を示す際には、6尺3寸(1.9091m)を1間とするのが慣例となっています。
これらの単位は、日本の文化や歴史と密接に結びついており、それぞれが特有の役割と意味を持つことがわかります。
たとえば、「間」は古くから建築の設計に使用され、柱間の距離を示すためのものでした。
これらの単位を理解することは、日本の不動産や建築の文脈を理解する上で非常に重要です。
これらの単位は古くから日本で使われてきましたが、現代でも私たちの生活の中で見かけることがあります。
それは、古代から続く日本の文化が今でも生き続けている証拠でもあります。
新旧の単位が共存する日本の社会は、歴史と現代が混在する特異な文化を生み出しています。
このように、坪や尺、寸、間といった単位は、それぞれが持つ背景や意味を理解することで、日本の不動産や建築の深層を垣間見ることができます。
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坂下 久也
株式会社ハウスアイビー 取締役
長良川行政書士事務所 所長
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