How to be 武田ガンジー
1.はじめに
お前ら、武田ガンジーみたいになりてえよな? な? でもどうやったらこんなにかっちょいいベーシストになれるかわかんねーよな。そんな迷えるお前らに、俺が直々に教えてやろうっていうなんとも贅沢な記事がこれだ。お前ら感謝しやがれ!!!
2.機材について
知っての通り、俺の愛用ベースはアナーキーリッケンだ。でもみんな気づいてると思うが、これは本物のリッケンバッカーではない。だったらグレコか?とかみんな思うかもしれないが、どうやらそうでもないらしい。というのもこのベース、メルカリで落としたんだが、なんとメーカーが不明なんだ。だからもし俺と同じ音が出したいんだったら、なんでもいいからとにかくリッケンバッカータイプのベースを使った方がいい。俺はジャズベとプレベが大嫌いだ。なぜならどいつもこいつも使い過ぎていてつまらないし、見た目が驚くほど凡庸だからだ。もしあんたが凡百の、見るのも退屈なベーシストになりたいんだったら、ジャズベやプレベを使いなさい。もし立ち姿からキマるかっこいいベーシストになりたいんだったら、悪いことは言わない、リッケンバッカータイプに限りはしないから変形ベースを使いなさい。
次にエフェクターだけど、今のところ俺はベリンガー製のBDI21っていうプリアンプを一発かましてるだけだ。これが本当にいいプリアンプで、有名なサムズアンプのシュミレートをしたモデルなんだけど、何がヤバいってとにかく値段が安いところ。新品でも7000円、俺が買った時は中古で5000円。破格だろマジで。でも安いからといって音が悪いなんてことは一切ない。設定次第ではバケモノみたいな音になる。どういう設定かというと、DRIVEのツマミを0に、あとのツマミを全部10にするんだ。もちろんEQも含めて全部だ。これだけでマジでイカつ過ぎる音が出来上がる。このプリアンプにはMIDDLEのツマミがない。BASSやTREBLEのツマミを上げれば自動的にMIDDLEが下がる仕組みだ。だから全部のツマミをフルテンにすることで、めちゃくちゃドンシャリなサウンドに仕上がる。
最後にアンプだけど、当然俺は金がないので、ライブハウスやレコーディングスタジオで鳴らせるようなサイズのベースアンプは持ってない。故にライブハウスやスタジオごとに違ったアンプを使うことになる。でもエフェクターのバグった設定のおかげで、大抵どのアンプでも同じ音が出せるようになった。アンプ側のEQはほとんどの場合BASSが10、MIDDLEが5、TREBLEが7.5くらいだ。もちろん音量はPAや他のメンバーに怒られるまでデカくしろ。リッケンベース、BDI21、あとはデカい音量で俺のベースサウンドは出来上がってる。
3.フレーズと演奏について
自爆のライブに足繁く通ってくれている諸君ならわかると思うが、武田ガンジー特有のベースラインっていうのは確かにある。それはどうやってできてるのか、その手の内を明かそうじゃないか。まず、曲構成を意識してベースラインは作られていく。俺の中の鉄則とまでは言わないけど結構意識してることがある。それは『サビはルートを弾け! それ以外は動かせ!』ということだ。もちろんこれに当てはまらない曲もいっぱいあるけど、概ねこの方向性で俺のベースラインはできている。『あの娘とセックスした奴全員殺す』のMV版の音源なんかは典型的だ。1番のAメロはよく聴いてもらえばわかると思うが、めちゃくちゃ動いている。それに対してサビやギターソロでは堅実にルートを弾いている。なぜかというとサビやギターソロの主役はベースではなく、あくまで歌やギターだからだ。いくらかっこよくて技量があるベーシストでも、そこを見誤ると途端にスベってしまう。あくまでベーシストは曲をしっかりと支える役割だ。なんならドラムよりもその面は強いかもしれない。だからサビやギターソロといった主役がたっている箇所ではあまり主張をしない方がいい。その代わり暴れられる箇所では可能な限り暴れろ。暴れる時は大抵3度、5度、7度あたりの音をセンスよく繋いでいきながら次のコードへうまいこと繋がるようにしていくといい。
あと忘れちゃいけない、武田ガンジーお得意のベースフレーズはウォーキングだ。もちろん俺はジャズベーシストじゃないからジャズ的なウォーキングベースは弾けないけど、ロックンロール系のウォーキングベースは俺の大得意分野だ。1度、3度、5度、そして7度か8度をうまいこと弾いていけばいい。キーにもよるけど、ポジションは結構色々試せるから自分が弾きやすいポジションを見つけるのがいいだろう。
演奏について、絶対に指弾きとスラップはするな。あれはオカマのすることだ。漢はピックでゴリゴリ弾け。あと演奏に関して言うことは特にない。しこたま練習しろ。それだけだ。
ベースラインを作ったり、演奏の腕をあげるためにとっておきの練習法がある。それは他人の曲をコピーしまくることだ。有名無名は問わない。かっこいいと思う曲をとにかくコピーしまくる。特定のアーティストの曲を複数コピーしていくと、そのベーシストの好きな奏法やフレージング、いわゆる手癖が見えてくる。そこから自分が気に入ったところを取ってくればいい。この方法さえ使えば、俺は基礎練は不要だと思っている。芋虫なんて気持ち悪りぃ名前の練習法なんてクソだろ? 基礎練って例えるなら筋トレみたいなもんだと思うんだよ。そりゃ確かにやったら上達は多少するかもしれねーけど、だからといってスポーツが直結して上手くなるわけじゃないだろ? それよりは素振りとかをやったほうが直接スポーツの上達に繋がるわけじゃん。だから実践的な曲のコピーを繰り返した方が、俺は技術が向上しやすいと思う。俺が特にコピーしたベーシストはビートルズのポール・マッカートニー、Theピーズの大木温之、TMGEのウエノコウジ、佐藤凌駕と大日本帝国ズの佐藤凌駕あたり。やっぱりロックンロール系が中心だね。もちろん俺になりたいんだったら俺のベースをコピーするのは必須だろうけど、現段階の自爆の音源で俺がベースを弾いてるのは『ロックンロールを始めよう』、『邦ロック』、『あの娘とセックスした奴全員殺す』のMV音源の3つしかないから、あんまりコピーしづらいかもな。そこはちゃんとした音源を用意するから、ちょっと待っててくれや。
4.格好とライブパフォーマンスについて
まず俺の格好だが、いわゆるパンクス的な格好をしていれば80点くらいまではいくだろう。そこより先に俺のこだわりはある。まず、俺は80年代以降のパンクススタイルは認めていない。だから鋲のついた革ジャンは着ないし、モヒカンにもしない。あくまで70年代パンクスにこだわっていきたいところだ。だから髪はスパイキーか寝癖ヘア。スパイキーの作り方はまず髪を濡らしてから逆立てて乾かす。ヘアドライの段階で8割くらいは完成させろ。そのうえでマット系のワックス(安いやつで全然いい、俺はギャツビーのやつ)を馴染ませてから形を整えるだけ。寝癖ヘアを作る時はドライとかの必要はまるでなくて、同じくマット系のワックスを馴染ませてぐちゃぐちゃにするだけ。ちなみに髪は仁ミサイルさんに切ってもらってる。次にメイクだけど、ここはやっぱりルー・リードスタイルで目の周りを黒くする。ただ一般的な顔の日本人がルー・リードみたいに目の周りをただ真っ黒にしてもパンダになるだけだ。俺なりのコツは、まず二重幅と涙袋にアイライナーを引く。涙袋の方は目の縁に塗れてればOKだ。そして涙袋をちょいはみ出るくらいに黒いアイシャドウを塗っていく。俺の場合はスポンジで塗ってる。指だと細かいとこ塗りづらいからね。目の下側の黒さを強調した方が、日本人の顔には映えるようになるみたいだ。そして衣装だけど、革ジャンとかボンテージパンツみたいな伝統的なパンクススタイルがやっぱり好ましい。アナーキーシャツとかガーゼシャツとかもいいね。でも伝統的な要素の中に、少し自分なりの解釈なんかを加えるとよりかっこいい。俺の場合は革ジャンとボンテージパンツを合わせたところに、ワイシャツとネクタイをしてるのがポイントだ。パンクスでありながら、少し制服的なニュアンスやモッズ的なニュアンスが乗っかって、自分らしくなる。あと細かいアイテムの話をすれば腕章とかチョーカーとかもあるとよりいいね。
最後にパフォーマンスの話だけど、自分のライブパフォーマンスを自分で直接見ることはできない以上、俺自身より俺のパフォーマンスについてはあんたらの方が詳しいと思うけど、一応俺が意識していることを伝えとく。まず客は全員敵だと思え。じゃなきゃ客が満足する演奏なんてできやしない。客に媚びて演奏したら客だって気づく。客が見たいものなんて見せてやる必要はない。客が望む以上のものを見せつけてやれ。客は敵なのだから、当然の如く睨みつけろ。威嚇して煽るだけ煽れ。俺はライブ中に動き回ると演奏に支障が出ちゃう人だから、ジッとしながら黙々と弾くのが好きだ。その分、表情とか演奏の精度には気を使え。ジッとしてるのに表情が適当で演奏も無茶苦茶だったら何の意味もないし、まったくかっこよくない。そこはちゃんとした方がいい。
5.最後に
ここまで色々書いてきて、武田ガンジーのレシピは大体紹介した。でも、仮にあんたらがこれを読んで武田ガンジースタイルを完コピしたとて、武田ガンジースタイルを究極的に極められるのは俺だけなのだから、あんたらじゃ敵いようがないってわけよ。だから最後に俺から忠告しておきたいのは、この記事を参考にするとこは参考にしてもいいけど、自分なりのスタイル、自分なりの正解を見つけろよってことかな。それが出来れば、あんたはきっといいベーシストになれると思うよ。まあ俺の記事参考にしてる時点で、上手いベーシストにはなれないだろうけどね。