「鬼滅の刃」を子供に安心して観せられるようにしてみる
鬼滅フィーバーすごいですね。まさか日本の興行史を塗り替えてしまうような作品になるとは思いもしませんでした。
面白いは面白いとは思うんですけど、正直、過去にジャンプで連載されてたメガヒット作を超える内容なのかなと言われたら、そこまででもなーと思いつつ、逆に目立った欠点らしい欠点もなく(原作絵がちょっと独特なところくらい?)、賛否両論の否の部分がこれと言ってなかったのが勝因なのかなーなどとも思います。まあ、あとはアニメ版のクォリティの高さというのは相当寄与してるんだろうとは思います。
ただ、数少ない欠点というか、否定的に見られるところの一つとして「結構残虐表現がキツい」ってのはあって、それが故に小さい子を抱えるパパママたちからは死ぬほど心配されています。
なので、きっとこうしたら大丈夫なんだろう!という鬼滅の修正点を考えてみたいと思います。
血が出ない
そもそも吸血鬼モノの作品のくせに血が出ないというのは根本的に間違っているような気もしますが、やはり流血表現というのは子を持つ親御さんが最も心配するポイントであるとは思います。
とは言え、血が全く介在しない世界だと一体無惨様は何を奪ったり与えたりしてるの?ってことになりかねないので、代わりに気やオーラみたいなのはどうでしょうか? 気を吸い付くしたりすると人が死んでしまったりする……なんかロマサガのクジンシーかドラゴンボールの人造人間20号みたいですね。えっ、知らないですって!?
四肢が欠損しない
アンパンマンを始めとして、首が取れてしまう子供向け作品は多くあると思います。ですが、腕がちぎれたり、脚がもげてしまう描写は観ているものへ強く痛みを感じさせるものになります。だから良いんじゃないかなって気もするんですけどね。
鬼サイドはまたかんたんに生えてくるから良いんですけど、人間サイドは取れてしまったらくっつかないことになっています。なので、基本「へし折れる」くらいで留めておくのが良いんじゃないでしょうか。煉獄さんと猗窩座の戦いに全く説得力がなくなってしまいますが、安心して見せるために仕方がないのです。
柱合会議で禰豆子を死刑にしようとしない
炭治郎と禰豆子の深い兄妹愛を感じさせる名場面の一つとされていますが、見ようによっては深刻なパワハラ学級裁判です。下手にこのシーンを是認するとこれを真似したいじめに発展するかもしれません。
とはいえ、吊し上げ裁判は時としてガバナンスの維持に必要ではあるので、予め鬼殺隊において何がOKで何がNGなのか明記した隊則のようなものを読者に提示しておく必要があると思われます。基準が曖昧な裁判というのは、民主主義の観点から言っても好ましいとは言えませんしね。
無限城で下限の鬼に対してパワハラ会議をしない
鬼サイドに於ける無惨様の強いリーダーシップを印象付けさせる名シーンですが、ただのパワハラであり、独裁国家的な発想であり、戦前戦中の日本のような理不尽を感じさせます。なんていうか、軍靴(ぐんくつ)の音が聞こえてくるようです。
時として粛清をいとわない組織統制のメソッドは、子どもたちにいい影響を与えないでしょう。「力 is パワー」とか「やはり暴力、暴力はすべてを解決する」ということを覚えてしまい、クラスをマッドマックスの世界のようにしてしまうかもしれません。
無惨様もここは部下に優しい言葉をかけてやり、「良いよ良いよ、君が力不足で難しいなら僕と一緒に解決しよう!」と言って、食いちぎってしまうのではなく、丸呑みする形で部下を肉体に取り込みましょう。そう、ドラゴンボールのセルのように……えっ知らないですって!?
おわりに
いかがでしたでしょうか、こんな鬼滅の刃なら子どもたちにも安心して観せられそうですよね。えっ? つまんなそう?? お前は道徳の時間に読まさせられるクソみたいな美談を眠くならずに読破できるのか?
やはり、優れた物語には少しばかりの影は必要なのです。そう、強い光があるところには必ず深い闇があるようにね。