思いに強いも弱いもないから。
9年前のあの日から、多くの人が考え始めたのではないでしょうか。
自分には何ができるだろう、と。
できることは多分、ある。
あるのだけれど「できることをできる範囲で」と心の中でどれほど唱えても、やっぱり襲ってきた無力感。
悩む暇があったら動け!と次々と行動を起こす友人を見て、交通手段を見つけて東北や熊本へ向かう知人を見て、寝ずに発信を続ける人たちの言葉を見て、そっと目をそらすしかできず、何もできなかった自分。
自分は思いが弱いのだ、と。オロオロ動揺して涙ばかり流し、それ役に立つ?とさらに落ち込み。
動ける人たちが眩しかった。
その9年後、今度は「見えない敵」が全世界を襲っていて、非常事態に。どこの国の誰が一番大変、が言えない。「The worst is over(最悪な事態は過ぎた)」と誰ひとりとして口にできない分、誰もがどこか虚ろな目をしている雰囲気。
健康な人の多くはやっぱり「自分はどう役に立てるだろう」と考え始める。
このような状況に人は強くもあって、今だったら「できる人ができる範囲で」発想を広げて、オンラインの可能性をどんどん試して、Zoomを爆発的に浸透させて、クラウドファンドをして、地元のお店や人たちのサポートをしたり、動ける人が動いている。
そして動かなくていいひとは、動かなくていいとも全力で思っている。
家で美味しいコーヒーを淹れて、本や雑誌を読んで、落ち着いたらどこに行こうかとプランを立てて。
やらなくていいこと、例えばニュースを見続けるとか。必要じゃないものを買うとか。そういうことはたっぷりある。
だから、しない。
9年前と比べたら私も少し図太くなった分、自分にできることに比較的冷静に考えられるようになったと思う(と言いながら今週はさっぱりnoteが書けませんでしたけど...)。
まずは、何もせずに「動かない」を徹底すること。「何かしなきゃ」と思わないこと。心を落ち着かせること。
そして、次にどうして行こうとゆっくり考えていくこと。
やりたいことが少しずつ見えてきたら、また少しずつ語っていき、動いていきたいと思う。
9年前の今日のことを、心の中でそっと思います。思いに弱いも強いもないから。