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【初心者指南】優先権を確認しよう
『「カードを発動する」優先権』とは
遊戯王の対戦時によく疑義が生じやすいものとして、プレイヤー間でよく出る言葉として「優先権」というものがあります。実際の公式用語としては『「カードを発動する」優先権』です。この言葉はパーフェクトルールブックにも記載があります。
(注意:ここから先は文字数節約のため「優先権」と省略させていただきます。あらかじめご了承ください。)
優先権とは、各フェイズやステップと呼ばれるタイミングでターンプレイヤーが最初にカードを発動できる権利を持っており、その権利を指します。この権利を放棄した後に相手に優先権が移行するようになります。
詳細内容についてはパーフェクトルールブックに載っておりますので読んでいただけると幸いです。
優先権を確認しよう(会話例)
ここからは、対戦する中でフェイズの移行、優先権の確認をどのように相手に確認しているかを
プレイヤーA(ターン所有者)
プレイヤーB(相手)
と見立てて会話形式で書いていきます。また、例として使用するカードは全て発動条件を満たしているものとします。
かなり丁寧に書きますが、意思疎通がきちんとできるのであればもう少しくだけた言い方をしても良いかもしれません。ただし相手が不快になるような言葉遣いや態度にならないようご注意ください。
ドローフェイズ
※注意:ドローフェイズは先攻の人もカードは引かないですがフェイズ自体は省略しません。必ず宣言はしましょう。
(何もないパターン)
A「ドローフェイズでドローします。コチラ何もないのでスタンバイフェイズに移りたいですが何かありますか。」
B「特にありません。」
(発動できるカード(例:Aに灰流うらら、Bに増殖するG)がある場合)
A「ドローフェイズでドローします。コチラ何もないのでスタンバイフェイズに移りたいですが何かありますか。」
B「ではドローフェイズで手札の「増殖するG」を墓地へ送って発動しますが、何かありますか。」
A「ではチェーンして手札の「灰流うらら」を捨てて発動します。何かありますか。」
B「チェーンありません。どうぞ。」
A「ではチェーン処理して、何もなければスタンバイフェイズに移りますが何かありますか。」
B「特にありません。どうぞ。」
スタンバイフェイズ
A「スタンバイフェイズでコチラ何もありませんが、何かありますか。」
B「何もありません。どうぞ。」
ほぼドローフェイズと同じような流れです。
メインフェイズ(1,2)開始時から展開まで
注意すべき点として、メインフェイズに入った後はプレイヤーAがモンスターの召喚、セット、特殊召喚、魔法罠カードの発動といった何かしらの動きが無い限りプレイヤーBはカードの発動を宣言する事は出来ません。
(何もない場合)
A「メインフェイズに入ります。〇〇召喚します。成功時の①の効果使いますが何かありますか。」
B「何もありません。どうぞ。」
A「では効果で△△△します。処理後何かありますか。」
B「特にありません。どうぞ」
(プレイヤーAが優先権を行使して効果を使う場合)
スペルスピード2のカードについては優先権を活用してターンプレイヤーがすぐに効果を使用できます。(細かい内容はありますが、今回は省略します。)
A「ミラー ソードナイトを召喚します。召喚無効が無ければ成功時にそのままリリースして①の効果を発動しますが何かありますか。」
B「特にありません。どうぞ。」
A「ではデッキから幻爪の王ガゼルを特殊召喚します。成功時効果を発動しますが何かありますか。」
B「特にありません。どうぞ。」
https://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/card_search.action?ope=2&cid=18793
(プレイヤーBの魔法罠ゾーンにカードが存在せず、手札に無限泡影がある場合)
A「ではメインフェイズに入ります。〇〇召喚します。成功時の①の効果使いますが何かありますか。」
B「ではチェーンして無限泡影を発動、対象は〇〇です。チェーンはありますか。」
A「チェーンありません。では〇〇の効果は無効になりますが、処理後何かありますか。」
B「特にありません。どうぞ」
(プレイヤーBに召喚無効効果を持つカードもしくは魔法罠ゾーンにカードがある場合)
A「メインフェイズに入ります。〇〇召喚しますが、召喚無効系などはありますか。」
B「ありません。どうぞ。」
A「では〇〇の召喚成功時の①の効果を発動します。何かありますか。」
B「特にありません。どうぞ」
A「では効果で△△△します。処理後何かありますか。」
B「特にありません。どうぞ」
メインフェイズ終了時
(何もない場合)
A「メインフェイズ終了しますが何かありますか。」
B「何もありません、どうぞ」
(プレイヤーBの手札に原始生命態ニビルがあり、効果を適用する場合)
A「メインフェイズ終了しますが何かありますか。」
B「ではメインフェイズ終了時に手札の「原始生命態ニビル」を発動しますが何かありますか。」
A「ありません。どうぞ。」
B「では効果処理します。」
A「処理後何かありますか。」
B「何もありません。どうぞ。」
バトルフェイズ
ここでは何もないパターンは書きません。発動できるカードの例を踏まえた一例をあげていきます。
(バトルフェイズ開始時(公式用語『スタートステップ』))
A「バトルフェイズ開始時何かありますか。」
B「では伏せていた「威嚇する咆哮」を発動します。チェーンありますか。」
A「ありません。」
B「では効果処理でこのターン攻撃宣言できません。どうぞ」
(攻撃宣言など(公式用語『バトルステップ』))
バトルフェイズ開始時にお互い何もなければこのタイミングとなります。
また、このタイミングの際にモンスターの数が変動した場合は攻撃対象を選びなおすこととなります。
A「〇〇で◇◇攻撃します。」
B「では攻撃宣言時、罠カード「リビングデッドの呼び声」を発動、対象は墓地の▲▲でチェーンありますか。」
A「チェーンありません。」
B「では▲▲を特殊召喚します。」
A「では戦闘の巻き戻りで、▲▲に攻撃します。」
(ダメージステップ)
攻撃宣言時にお互い何もなければこのタイミングとなります。
”発動”を無効にするものや、指定された各タイミングで発動可能なもの、攻撃力を変動させる魔法罠、モンスターカードはこのタイミングでも効果が使用できます。(詳細はパーフェクトルールブックをご覧ください。)
このタイミングの際にモンスターの数が変動した場合は、すでに戦闘を行ったものとみなされ戦闘の巻き戻しは発生しません。
また、ダメージステップは以下の5つで構成されています。
・ダメージステップ開始時
・ダメージ計算前
・ダメージ計算時
・ダメージ計算後
・ダメージステップ終了時
A「〇〇で◇◇攻撃しますが何かありますか。」
B「ではダメージ計算前まで何かありますか。」
A「特にありません。」
B「では手札から「オネスト」を墓地へ送って発動しますがチェーンありますか。」
A「チェーンありません。どうぞ。」
B「では効果で◇◇の攻撃力が上がります。」
A「では戦闘破壊されます。」
よく間違う事例として、今回のオネストの場合はダメージステップに発動できる効果になります。これを無効にする場合は「神の通告」などの”発動を無効にする”カードしか使用できません。いわゆる手札誘発系のカードを止めるために多用される「墓穴の指名者」は発動を無効にするカードではないため、ダメージステップに発動することができません。
(バトルフェイズ終了時(公式用語『エンドステップ』)
A「ではバトルフェイズ終了時何かありますか。」
B「では終了時「拮抗勝負」を発動しますがチェーンありますか。」
A「ありません。どうぞ」
B「では効果処理します。」
A「承知しました。処理後何もなければメインフェイズ2に移ります。」
(エンドフェイズ)
A「エンドフェイズ何かありますか。」
B「ではエンドフェイズに「深淵の獣マグナムート」の効果を発動します。対象がそちらの墓地の〇〇。チェーンありますか。」
A「ありません。どうぞ。」
B「では特殊召喚して効果発動します。チェーンありますか。」
A「ありません。どうぞ。」
B「では効果処理して今エンドフェイズなので効果で◇◇を手札に加えます。」
A「わかりました。処理後ないのでターン終了です。どうぞ。」
終わりに
会話例から分かるとおり、プレイヤーAは「〇〇時に何かありますか。」「チェーンありませんか。」「処理後何かありませんか。」と伝えた時点で優先権を放棄したものとみなされます。プレイヤーBは「チェーンありません。」と伝えた時点で優先権を放棄したとみなされます。両者が優先権を放棄したらフェイズが変わると覚えてください。
最初は言い忘れたりする可能性もありますが、慣れれば自然と言えるようになります。多少失敗したとしても次に生かしていくつもりでイベントに参加して練習すると良いと思います。
ベテランプレイヤーは、こういった宣言に不慣れな相手だった場合は親切丁寧に教えてあげていきましょう。