ラクロス歴18年でたどり着いた『最良クロス』の編み方
こんにちは。ラクロス監督の陽一です。
今回は僕が新入生向けにクロスを編むときの編み方を紹介します。
ラクロス歴18年、選手としても指導者としても毎年自分で編み、教え子にも編み、ようやく体系化できた僕が考えるベストクロスです。
正直この情報を公開するのはかなり抵抗あるくらい研究に研究を重ねた秘伝の情報です。笑
◉工具
左から
・ライター
・ペンチ(これ結構大事!)
・ハサミ
◉紐(ストリング)の種類
左から
・サイドレース
・シューティングコード
・シューティングレース
◉事前準備
①サイドレース(60cm)を3本用意
②ライターで先端を炙り、指でつまんで固めます(火傷に注意)
③メッシュを広げます
強めに引っ張って最大限広げてください。
広げ方が弱いと馴染むまで時間がかかるのですぐに使えるクロスになりません。
◉メッシュの表と裏
実はメッシュには表と裏があります。
とても微妙な差ですが、
・ゴツゴツ(表・キャッチ面)
・ツルツル(裏・ヘッドの外側)
で違うので向きを間違えないでください。
◉トップストリング
ヘッドの上部を編んでいきます。
①広げたメッシュの上部を折りたたみます
※このとき重なった穴が9個になるように折りたたんでください。
②この状態から下に穴半分ズラしてください
③サイドレースを1本とり、片方の先端を写真のように結びます
④ヘッド横、一番上の穴にサイドレースを通します(2回通してください)
⑤ヘッド上部の穴に以下のように通していきます
ちなみに、
ヘッド上部の穴は4ヶ所通します。
通すメッシュ穴は以下の場所です。
以下の動画でも通し方をみてください。
⑥ヘッド上部穴4ヶ所通し終えたら③④と同じ要領で玉止めします
以上でトップストリングは完了です。
◉サイドウォール
続いてヘッドのサイド部分を編んでいきます。
まず大前提ですが、サイド部分は
『メッシュ穴11個だけ通す』
ということを守ってください。
これは全てのヘッド共通です。
どんなヘッドでもメッシュ穴11個のルールさえ守ればまともなクロスができます。
①サイドレースを準備し、紐の先端を結び写真のように通します
※このとき1番上のヘッド穴には紐を2回通してください(紐が抜けないようにするためです)
※1番目のメッシュ穴は、トップストリングで通したメッシュ穴の1段下です
②2番目のメッシュ穴に紐を通していきます
※この写真の紐の通し方を覚えてください。
ここからは全てこの通し方で編んでいきます
③ペンチで紐を引っ張り、キツく結びます
④3番目、4番目のメッシュ穴に通していきます
⑤【重要】5番目のメッシュ穴の位置がちょうどヘッドの湾曲部分の位置に来るように通します
⑥6番目から11番目のメッシュ穴はヘッド穴に等間隔に通していきます
⑦【最重要】11番目のメッシュ穴は少し特殊な通し方をします
以上がサイドウォールの編み方です。
特に一番最後の11番目のメッシュ穴をキツく固定するのが大事です。
ここが緩いとボールがちゃんと抜けていかず、強く振ると「たまる」現象が起きやすくなります。
また、「11番目のメッシュ穴をどこのヘッド穴に通すか?」という疑問があると思いますが、それについてはどこでもいいです。
ボトムレースの長さで調整できるからです。
◉ボトムレース
最後にボトム部分にシューティングレースを通していきます。
通すメッシュ穴は11番目のメッシュ穴と同じ段です。
シューティングレースはだいたい20cmくらいあれば足ります。
このボトムレースの長さを変化させることで「深さ」が調整できます。
◉これで基本は完成
以上で完成です。
その他、シューティングコード、シューティングレースは好きなように取り付けてください。
好みが分かれますが、僕は写真のようにつけるのが好きです。
ちなみに、各コードやレースをどれくらいキツく取り付けるかで投げ感が全く違います。これも1本1本張りを調整してその都度投げて調整してください。
なお、投げる際はパスとシュートどちらも投げてどちらもしっくりくるように調整してください。
◉僕の考える最良クロスとは?
今回の編み方は初心者でも簡単に編めて、なおかつ「キープ」も「ボール抜け」も良い『最良クロス』です。
岩大の新入生には毎年この編み方で編んでますが、ボールの抜けが良いだけじゃなく「キープも良いクロス」にする、というのが僕の強いこだわりです。
投げることももちろん大事ですが、最低限のキープ力がないと試合では活躍できないからです。「キープは技術」という意見もあるかもしれませんが、クロスを調整するだけで良くなるのであればそれに越したことはありません。
ラクロス技術の8割はクロスの良し悪しで決まります。
ぜひ参考にしてみてください。