とりあえず退部しちゃえばいい!
こんにちは。
ラクロス監督の陽一です。
1月中旬、現在岩大はオフ期間中です。
(ちなみに岩大は12月中旬から2月末まではオフです)
これは岩大に限らずだと思いますが、この時期に怖いのは退部者が出やすいということです。
また今年も出るんだろうなと一応覚悟はしています。
さて。
今回はその退部に関するお話です。
今シーズン、岩大では退部に関するルールを大きく変えました。
一体どのように変えたのか?
おそらく初めてであろうその試みについてお話ししたいと思います。
これまで
部員の誰かから退部したい旨の連絡が来た場合、これまで僕は必死に止めていました。
もちろん僕だけでなく幹部みんなで必死に退部を引き止めていました。
時間をかけてたくさん話し合い、ときには僕も参戦してなんとか引き止めていました。でも、それで止められた人は過去にほんの1人か2人でした。
なんで必死に退部を止めるのか?
部員を引き止める際、僕は毎回同じメッセージを伝えています。
先に言っておきますが、それで止まった人は限りなくゼロに近いので、退部者には全然響かないことはわかっています笑
でも、大事なことなのであえてここで公開します。
僕が伝えているメッセージは
「辞めてもまともな大学生活を送った人をおれは見たことがない。辞めた人の半分以上はバイトと遊びだけの目標のない生活を送り、20%くらいは学校にも来なくなる」
というものです。
これは本当です。
僕は10年以上岩手の学生たちを見てきましたが、本当にそうなるから驚きです。
だからこそ、部員たちを辞めさせたくない。
辞めた後の悪い事例や悪い再現性がありすぎるから辞めさせたくないんです。
ただ、何度も言いますが、僕がこれを一生懸命伝えたところでみんな辞めます笑
なんで辞める?
部員たちが部を辞める理由は様々ですが、正直こんなものは聞かなくてもわかっています。
「ラクロス部の環境から逃げたい」
これしかありません。
一応、退部者はみんな頑張って理由を作って語ってくれますが、実際のところはこれだけなんです。
思い起こせば…
僕は大学時代、ラクロス部を辞めることなく続けました。
が、社会人となってからは会社を3回退職し、なんやかんや4社ほど経験しています。そして現在4社目も退職間近です。笑
んで、これらすべての退職理由は
「今の環境から逃げたいから」
です。
次の職場のこともあるので、転職するときは一応それなりの退職理由を考えますが、本心はこれなんです。これに勝る理由はありません。
それを考えると、退職を繰り返してる僕が部員の退部を引き止めるなんて説得力ないよなぁとつくづく思います。
でも、だからこそ退部する部員たちの気持ちはよくわかります。
僕が退職する気持ちと同じなんですから。
「逃げるために心決めちゃってる」から止められるはずがないんです。
じゃあ今年からどうしたか?
というわけで、このことにようやく気づいた僕は新チーム最初のミーティングで部員たちに以下のように伝えました。
「去るもの追わず、来るもの拒まず」
「特に大事なのは来るもの拒まず精神。一度辞めたメンバーも戻ってきやすい環境にしてほしい」
この
『一度辞めても戻ってきやすいカムバック制度』
が今回の退部に関する大きな変更点です。
辞めても良いけど、もし次の環境でうまくいかなかったら気にせず戻ってこい。部としてもそれを歓迎する。
ということですね。
(ちなみに日本の大手企業はこのようなカムバック制度を採用しているところが結構ありますね)
最初はどうかなと思いましたが、よくよく考えたら、これが一番健康的だなと今は思っています。
だって、学生たちの気持ちになって考えたらラクロス部以外の世界がどんなのかわからないですもん。
隣の芝生はどうしたって青く見えます。
「他の環境が羨ましい。。でも、一度辞めてしまったら二度と戻ってこれない。しかし、俺は覚悟を決めて他の環境に飛び込んでいくんだ!エイッ!」
これってただのギャンブルですよね?
大学という狭いコミュニティの中でそれをやるからギャンブルなんです。
付き合う仲間と生活環境を一気に変えて、それが自分に合えばいいですが、もし合わなかったら今以上に苦しむだけです。
狭いコミュニティの中で逃げ続け、最後は逃げ場を失います。
過去、辞めた後に生活がおかしくなっちゃった元部員が結構いましたが、もしかしたらそんな背景があったのかもしれません。
というわけで、まとめると、
もしラクロス部の環境から逃げ出したくなったら、まずは一回辞めて外の世界を体験してくればいい。
そして、その新しい環境を体験してみて、やっぱりラクロス部の環境の方が良かったってなったら迷わず戻って来れば良い。
これが岩大ラクロス部の新たな方針です。
この方針は優しいでしょうか?
今回の話を聞いて、「退部ってそんなカジュアルにしていいもんじゃないだろ」という意見もあるかと思います。
しかし、僕としては「辞めてわかることもあるからそれを体験させたい」という思いの方が強いです。
思い返せば、一回辞めて戻ってきた部員が過去には何人かいました。そして、その部員たちは例外なく部の主軸として高い成果を上げてくれました。きっと、部に戻る時には迷いがないので努力レベルが変わるのでしょう。
中途半端な気持ちで続けるくらいなら、一度部から離れ、迷いを消してから再度取り組むのもアリなのかもしれません。
ただ、もちろん戻ってくるときにはそれなりに覚悟が必要でしょう。
でも、今のラクロス部の環境においては「戻ったら嫌われるんじゃないか」という心配は無用です。
『来るもの拒まず』
引き続き、岩大ラクロス部ではこの環境・文化を浸透させていきます。
この方針が吉と出るか凶と出るか?
何か進展あったらまたご報告したいと思いますが、最後に一言だけ。
退部した部員たちへ
もし、今の生活が物足りなく、前に進んでいる感じもなく、得られるものもないと感じたのなら、遠慮なく戻っておいで!
部員の誰かに「戻っていいかな?」と一言伝えればいい。
今はほんのちょっと勇気を出すだけで戻れる環境を用意しています。
今回は以上です。
それではまた!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?