ローソングループの銀行「ローソン銀行」がATMから届ける、新たなサービスのかたち
株式会社ローソン銀行 営業戦略部 マネジャー
北 美保(きた みほ)
2018年株式会社ローソン銀行入社。リテール事業部(当時)にてローソン社との売上入金・クルー給与振込などの業務を担当。現在は海外送金事業者とのATM連携など新サービスの企画を次々に推進中。
お客さまとのメイン接点は「ATM」
ー北さんは、ローソン銀行の開業メンバーだとお聞きしました。
そうなんです。ローソンが銀行を開業するとニュースで知ったのは、ちょうどインターネット銀行からの転職活動をしている頃でした。
銀行の開業に携われるなんて滅多にないチャンスですし、貴重な経験が出来るのでは、と。あと、開業メンバーってなんかかっこいいなって…(笑)
ー他行での業務経験がある北さんから見た、ローソン銀行の特徴を教えて下さい。
ローソン銀行の一番の特徴は「ATM」がお客さまとのメイン接点であることです。
メガバンクや地方銀行など多くの銀行では、自行の口座をお持ちの方がお客さまであり、そのお客さまに対して様々なサービスや商品を展開しています。
それに対して、ローソン銀行はお客さまの幅が広く、自行の口座を持っている方はほんの一部。口座は持っていないけどローソン銀行のクレジットカードを持っている方や、口座は他行だけどATMはローソン銀行を使う方、はたまたローソン銀行のATMと提携している地方銀行さんとさまざまです。
あとはコンビニ内にATMが設置されていることですね。銀行のATMは夜になると人気(ひとけ)がなく暗いところも多いので、お金を取り扱うだけに少し不安を感じる方も少なくありません。
その点、ローソン銀行のATMはコンビニ内にあるので明るく、常に店舗スタッフもいるので安心感があるとお声をいただくことが多いですね。
ーその特徴を活かしたサービスや商品もあるのでしょうか。
はい、ATMを利用するとローソンで使えるクーポンが出てきたり、最近ですと、”銀行口座から直接“でも”ATMで現金“でもau PAYやPayPayにチャージもできます。
また「Suitto(スイット)」という独自のアプリを使って銀行口座からモバイルSuicayにもチャージができるようにもなりました。
もうATMが現金を下ろすだけの場所ではなくなっているんですよね。だからこそ、さまざまなジャンルの事業者さんや銀行さんを繋いでいけるようなサービスができたらなと思っています。
そうすればお客さまの暮らしももっと便利になるし、ローソン銀行の価値も高まりますよね!
ーお客さまの幅が広く、ATMがメインの接点だからこその難しさはありますか。
やはり、お客さまの顔が見えにくいところですね。対面しないどころか、お客さまの声を聞く機会もなかなかないので、ひたすら仮説を立てて試してデータをとって…と、試行錯誤しています。
日本にいる海外の方に「知ってもらい、使ってもらう」
ー現在のお仕事内容を教えて下さい。
営業戦略部にて、海外送金事業者さまとのATM連携など新サービスの企画推進を担当しています。日本にお住まいの外国の方向けに“ローソンのATMで海外に送金できるカードが使えますよ”と広めるべく、これまでもさまざまな企画を行ってきました。
ーその企画とは?
まずはサービスに親近感をもっていただこうと、ローソン銀行からPRするのではなく提携している海外送金事業者さまにPR協力をお願いしました。
こちらで“ローソン銀行ATMで海外送金するとプレミアムロールケーキがもらえます!”などのキャンペーンを用意し、それを海外送金事業さまのfacebookなどを通じて告知いただきました。
日本に在住の海外の方からも、プレミアムロールケーキやマチカフェは人気なのでご好評いただいており、サービスの認知も広がり、利用者さまも増えています。
他にも、各国の民族衣装を着用しその国の言語で紹介するプロモーション動画は、提携している海外送金事業者さまに出演をお願いし、10カ国ほど制作しました。このように新しいなチャレンジができるのは、ローソン銀行ならではだと思っています。
ちなみに、2019年12月に最初の提携が始まった海外送金事業者さまとは、日本で働く外国の方が安心して便利に送金していただける場所として、現在は7社まで提携拡大しています。
すべての企画の根幹は、「わかりやすさ」
ー企画する際に気をつけていることを教えて下さい。
どのような企画でも、重要視しているのは「わかりやすい」ことです。
ローソン銀行のお客さまは年齢も国籍も幅広いのですが、ATMがコンビニに設置されているため、私たち行員が直接コミュニケーションをとることができません。
だからこそ、お客さまに直感的に伝わる内容や仕組みづくりが求められますし、直接ご案内せずともお客さまに寄り添える方法をいつも模索しています。
ー「わかりやすい」企画はどのように生まれるのでしょうか。
私は携わる商品に興味を持ち、商品にとことん向き合い、メリット・デメリット、そして商品・サービスを取り巻く環境を知り尽くすことを大事にしています。
「知る」ことは「伝える」ことの第一歩。なぜなら知って初めて自分なりに咀嚼することができ、それが「わかりやすい」企画の基礎となり、深みになるからです。
改めて言葉にすると「サービスはわかりやすく」「商品のことを知り尽くす」なんて至極シンプルで当たり前のことですよね(笑) でも、忙しいと、つい知った“つもり”、わかりやすくしている“つもり”になってしまいがちなので、しっかりと意識し、丁寧に向き合うように心がけています。
これからも常にチャレンジングな企画をつくっていきたいですね。
育児と仕事をこなす「カオス」な毎日
―北さんは、小さなお子さんがいると聞きました。
実は、産後3ヶ月で転職活動と保育園探しをはじめて、5ヶ月目からはもうローソン銀行で働き始めました。
「そんな産後すぐに預けて働くなんてで、子どもがかわいそう」なんて外からの声がまったくも聞こえなかったわけではありません。でも、本当にそうなのかなと。何が正解かなんてわからないじゃないですか。だったら、親として自分が信じる方に進んでみようと。
それでも、子育ては理屈が通じない分、息子が3歳ぐらいまでは結構しんどかったですね。
朝の急いでいる時に限って、朝、納豆とかヨーグルトをひっくり返されて絶望したことは一度や二度ではありません(笑)
もうすぐ5歳になるのですが、未だに毎日カオスですよ!
朝、保育園に送って、仕事に行って、夕方には保育園のお迎え、帰宅したら座る間もなくご飯作って食べさせて、お風呂に入れて、一緒に絵本読んで、寝かしつけと一緒に私も寝ちゃって…。
でも、今ではこれが平常モードになってしまいました(笑)
―すごい…!仕事と育児をしっかり両立されているんですね。
いえ、実際は全然そんなことなくて。本当にどちらも中途半端だなあと反省ばかりです。
例えば仕事でやるべきことがあっても、時間になったら途中でも切り上げてお迎えに行かなくてはいけないし、お迎えにいけば今度は自分の子どもが最後の一人でお迎えが遅くなった時に先生にご迷惑をかけてしまう…。「うまくいかないな」「中途半端だな」と。
でも今やれる範囲でバランスをとり、ベストを尽くすしかないので!
そういう意味では、周りのみなさんの協力には感謝してもしきれないですね。
今、振り返るとイキイキと働いている姿を見てもらえてよかったなと思っています。
この環境に感謝しながら自分なりのバランスで、息子に誇れるような前向きな仕事を続けていきたいです。