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接客のプロ意識が、マチとお店、お客さまを守り続ける

 全国にあるローソンのオーナーさん・クルーさんに、マチの魅力とご自身との関わりをインタビューする企画「#マチのほっとステーションをつくるひと」。
 
第10回目は、兵庫県、川西市のローソン川西水明台店で働くリーダークルー、青山かよ子さんにインタビュー。従業員全員で協力して電子マネーをだまし取る特殊詐欺を阻止し、警察に表彰されること13回。お客さまの安全を守る青山さんの、マチのお客さまと仕事への想いを伺いました。


「家から近い」で選んだローソンで33年

本日は、よろしくお願いします。まずは、勤続30年を超えるということで、青山さんの経歴、ローソン歴を伺えますでしょうか。

 今年で33年になります。31歳の時から、あ、歳が分かりますね(笑)。

もともと、このあたりにお住まいだったのですか?

 それまでは東京で働いていたのですが、主人の出身がこの辺りで、主人のUターン転勤を機に引っ越してきました。もともとは医療事務で働いていたのですが、月末や月初めは本当に忙しい業種なので、それは難しいかなと思って。そこで、引っ越しのタイミングで職を変えて、最初は郵便局で働き始めたんですよね。

郵便局はカウンターのお仕事ですか?

 全然(笑)。あんまり表に出るのが好きではなかったので、裏方のお仕事をさせていただいていました。でも、始めてみると郵便局がすごく遠くて。電車で通っていたのですが、仕事を終わらせて帰ったらすぐにご飯作って、なんていうのでちょっと大変で。
 そんな時に、自宅のすぐ近くにこのローソンがオープンしたことを知って、こっちで働きたいなって。それで、当時勤務していたスタッフに紹介してもらいました。

なるほど。ローソンが初めての接客業になりますか?

 ファミレスで働いたこともありましたが、長く勤めていた訳ではないので、ほぼ初めてみたいなものでした。でも、家にずっといるのもあんまり好きじゃないし、とにかく近いからやってみようと。
 当時はまだ今と違って、発注してから届くまで2〜3日かかるものもあったんですね。そうすると、どんなお客さまが、どんな商品をよく買うか、なんてことをちゃんと考えて発注しないといけなくて。そういうことを考えるうちに、できる限りお客さまのことをしっかり見るように、という意識が芽生えてきました。

なるほど。やりがいのある仕事ですね。

 仕事は楽しいですね。でも実は、子供のこともあって、一度辞めようとしたことがあるんです。そうしたら「辞めるのではなく、お休みする形にして、また都合がついた時に戻って来て欲しい」とオーナーに言われて、ではそれでと。
 でも、それから間も無くオーナーがちょっと病気になられて、当時のクルーさんの誰かが「青山さん戻せませんか?」って言ってくれたみたいで、すぐに「週1くらいなら」と言って復帰しました(笑)。

ご家庭のこともある中で、すぐに復帰されたのがすごいですね。

 どうしてなんでしょうね(笑)。そう言われて、気持ちが傾くのは、オーナーの人柄だと思います。オープンすぐからお世話になって、すごく家族的な付き合いをしていただいていて。オーナーのお子さんがお店に立っている時期もあったのですが、そういう家族の輪みたいな空気がお店全体にあると思います。「午前中に用事があるので、午後から入ります」って言ってお店に来ると、昼食が準備されていて、食べてから入ったら?なんて言ってくれたり。
 今はもう、子供より長い時間をオーナーと過ごしていますからね(笑)。ご病気をされても、復帰してしっかりとお仕事をされるんですよ。そういうのを目の前にすると、私も何か手伝えることはしたいなと思って。なので今は、オーナーがお店を閉めるまでは、頑張りたいなという気持ちです。


お客さまの一瞬の様子で、何があるのかを察してあげたい

お店のお客さまは、どんな方が多いですか?

 このお店はシニアの方が多いですね。高速までの通り道なのですが、立地的に駐車場がないので、ほとんどがこのあたりに住んでいるお年寄りの方。この辺りはニュータウン的な形で、ベッドタウンとして開発されたので、その時にお家を建てられて、今はお子さんが自立されて、ご夫婦・お一人で住んでいる方が多くて。

常連さんが多いから、特殊詐欺なんかも、ちょっと様子が変だなって分かる、みたいなことなのでしょうか?

 常連さんはもちろんですが、常連さん以外でも分かりますね。いつも来て、お惣菜とかを買われていく、生活に根ざした利用をされる方が多いので、あまり見ない顔のお客さまが、ギフトカードやプリペイドカードのコーナーを見ていると、その時点で何かおかしいなと。
 でも、やっぱり雰囲気ですね。少し不安気な雰囲気だったり、そういうところだと思います。お客さまをよく見ていると、来店目的ごとになんとなく雰囲気というのはあって。

それでも、お声がけするのって怖くないですか?

 すごく勇気がいりますよ。でも、常連さんでなくとも、やっぱりお声がけしないとって思います。怒れることもありますが、「何に使われますか?」「おうちの方はご存知ですか?」「どうやって頼まれましたか?」って事情を聞いたりして。
 多分、詐欺の電話をかけてくる人はこのお店のことを知っているみたいなんですよね。「お家から20分くらいのところに、このお店があるから…」なんてことを言われる方が多いみたいで。なので、決して常連さんだけでなく、初めてのお客さまもちゃんと見ていないといけないのかなと思います。どんなお客さまでも、変わらず、ちゃんと接客するのが大事だと思うので。


目の前の仕事をキッチリと、マチのお客さまのために

青山さん、すごいプロ意識ですね。

 仕事をしてお給料をもらっていますから(笑)。私生活で同じようにできるかと言われたら、全然そんなことはないですよ。でも、仕事だからひとつひとつのことを、キチッキチッとやっていきたいとは思っています。

プロ意識というのもあると思うのですが、マメな性格なのかもしれないですね。

 それはないですね、全然思わない(笑)。ただ、新しい取り組みやサービスが出てきたらしっかりと説明資料を読み込むようにしています。家では説明書なんて全く読まないのですが、仕事ですし、お客さまにお教えしたりすることもあるので、中途半端なことはできないじゃないですか。でも、そう思うのはローソンで働いているからかもしれないです。

どういうことですか?

 ローソンでは、マチカフェコーヒーの受け渡しなど、お客さまと直接応対することが多いんですよね。お客さまが困っていたら、お声掛けしてサポートすることもあるので、中途半端な接客だといけないなと。接客で仲良くなる、常連になっていただくという以前に、お客さまの様子をちゃんと見ることを心がけています。

マメな性格なのではないか?とお聞きしましたが、やっぱりプロ意識ですね(笑)。

 そうですかね(笑)。でも、確かに、働くのは嫌いじゃないですね。やらなければいけないことは、絶対に投げ出すことはしたくないですし。だから、なんだかんだで、このお店でしっかりと勤め上げられたらいいなと、改めて思います。

仕事への誠実な姿勢が、お客さまを見ることにつながって、詐欺の防止にもつながっているんですね。

青山さん、本日はありがとうございました。