【ローソンチケット】熱量の高いお客様以上に熱狂的であれ。ローソンチケットが考える、エンタメの届け方とは
お話を聞いたのは、ローソンチケットの佐藤綾香(さとう あやか)さん。ローソンチケットならではの「エンタメの届け方」についてお伺いしました。
株式会社ローソンエンタテインメント
ライブエンタメグループ マーケティング本部 マーケティング統括室
佐藤綾香(さとう あやか)
2016年 定期採用にて入社。ECサイト、ローチケ有料会員、ローチケ旅行での販促を経験後、2020年より新事業となるライブ配信サービス「ローチケLIVE STREAMING」の立ち上げプロジェクトに参加。
その後、ローチケ有料会員やローチケ旅行の販促、「ローチケLIVE STREAMING」の運用を担当。
現在は、2022年度より新設されたマーケティング統括室にて、ジャンルを横断したサイト全体のマーケティング施策の実行、顧客分析に基づく戦略立案などを担当している。
※当記事は2021年10月時点での内容となります。
「お客様の好きを広げるお手伝いをしています」
ー現在のお仕事内容を教えてください。
ローソンチケットの有料会員やローチケ旅行の販促、そして新規事業である「ローチケLIVE STREAMING」運用の3つを担当しています。
ローソンチケットの有料会員には、プレリクエスト抽選先行の当選確率のアップや新作映画やコミックが楽しめる「ローチケHMVプレミアム」と、会員限定のチケット先行販売に申し込みができる「LEncore会員」の2つがあります。
私の仕事は1人でも多くの方に登録していただけるような、そして既存の会員のお客様にはより満足していただけるような販促を行うことです。そのため、チケットの先行販売開始時など、お客様の心が動くタイミングで告知ができるように早い段階から情報をキャッチしたり、お客様に喜んでいただけるようなプレゼントキャンペーンなどの実施に向けて、日々社内に掛け合っています。
また、2つの有料会員があるからこそ、特長を分かりやすくまとめることで、比較してご自身に合ったサービスを選んで登録していただけるような工夫を行っています。
ー入社当初は演劇、その後は旅行と担当ジャンルの幅が広いですが、情報収集はどのようにされていますか?
「ローチケ旅行」は3年前から担当しているのですが、最初は旅行事業というもの自体がまったくわからず、それこそ「OTA(インターネット上だけで取引を行う旅行会社)ってなんだろう?」と、そこからのスタートでした。
しかし、弊社では「旅行」もエンタメの1つと考えており、エンタメである以上、コンテンツを供給する側である私たちにはお客様以上のアンテナの高さや量が求められます。サービスの質に関わるので、知らないままではではダメだと思い猛勉強をしました。本を読んだり、観光産業ニュースをチェックしたり、とにかく業界のトレンドを一通りチェックすることは今でも続けています。あとは、同僚に旅行業界出身の方も多いので話を聞いたり、最近の購入傾向や顧客層を分析したり。片っ端からやれることを行い、知識を積み上げています。
一方で演劇に関してはもともと自分が好きなジャンルなので、情報収集は自然とできていました。
もちろん劇場に足も運びますし、SNSをチェックしたり、観劇仲間から情報をもらっていました。生の声を聞くことは特に大事にしています。
ーお客様が熱狂するコンテンツだからこそ、販促面で工夫していることはありますか?
音楽ライブや演劇などが好きな方なら共感していただけると思うのですが、チケットを買うときや情報収集をしているときって当日さながらにワクワクしませんか?私はその体験を大事にしたいなと考えています。
そのために意識していることは、1つは情報を出すスピードです。新しい情報やお知らせを見た瞬間の高揚感をローソンチケットで感じてほしいので、プレイガイドとして情報をどこよりも早く出すことは大事にしています。あとはローソンチケットを利用いただいているお客様にはメールマガジンも定期的に送っています。過去に購入されたアーティスト等の新情報や、「このライブに行かれたということは、このジャンルもお好きかも…!」と類似コンテンツをまとめて掲載してお送りしたり…。推し(人、場所、食べ物)は多い方が楽しいですからね(笑)お客様が好きを広げる・深めるきっかけになればいいなと思っています。
好きを広げる・深めるで言えば、ローソングループ各社とのコラボもそうですね。
ローソンチケットのプレイガイドとしての強みの1つは、社内にHMVやローソントラベル、グループ内に映画館「ユナイテッド・シネマ」やコンビニ「ローソン」があるからこそ、それらの事業を組み合わせた施策ができることです。例えば、チケットにHMVで制作したオリジナル限定グッズを付けたり、旅行ツアーと組み合わせたり、Loppi限定グッズが付いた映画前売券をLoppiで販売したり。また、オンラインチケットしかないライブ配信にリアルなチケットをグッズとして付けたりなど、これらもローソンチケットだからできるワクワクの提供のひとつですね。
熱狂する側から、熱狂を届ける側へ
ー佐藤さんは、なぜローソンエンタテインメントへ入社されたのでしょうか。
もともと演劇が好きで、入社前からいちユーザーとしてローソンチケットを利用していました。
そのときに、ローソンチケットは他にはないサービスを実施していたり、社内にHMVという物販のサービスを持っているのも印象的で。他のプレイガイドよりもチャレンジングなサービスをやっている印象を受けて、ここで働きたいなと思うようになりました。
実際に入ってみて、想像以上にチャレンジできる環境があることに驚きましたね。
いわばエンタメの”プロ”が集まる会社なので、経歴や年数を積んだ後でないと、自分がやってみたいことへのチャレンジはできないのかなと思っていたんです。
でも、実際は良い意味でとても自由でフランク。部署をまたいで会話ができたり、チャレンジを口にできる環境があるので、入社直後から思い切りチャレンジさせてもらっています。私もそうですが、社内はエンタメ好きばかりなのでとても刺激的なんです。みんなすごく仕事を楽しんでいますよ。
私は、仕事を楽しみながら、エンタメに熱狂している側でもあるんです(笑)
私自身がエンタメに生かされてきた分、今度は自分がお客様に楽しい時間を提供する側にまわりたいなと思っています。エンタメに熱狂している自分だからこそのアイディアで、エンタメの素晴らしさをもっと多くの方に届けたいですね。
仕事として「好きな作品」に関わることへの、楽しさと葛藤
ー佐藤さんは、好きを仕事にしていますが、どのような時にやりがいを感じますか?
やはり良い実績が出たときでしょうか。全ての案件を、1人でも多くのファンの方に届けたい一心でやっているので、売上やWebコンテンツの閲覧数が伸びると「ファンの方々にしっかり届いたんだな」と、とてもやりがいを感じます。SNSなどの口コミもそうですね。自分が担当した案件や作品に関しては欠かさずエゴサーチをして反響をチェックしています。
ー好きを仕事にしているからこその大変さもあるのではないでしょうか。
大変なことというか課題に感じていることはたくさんありますが‥‥。挙げるとすれば、1つ目は語彙力でしょうか。作品やアーティストさんの素晴らしさや現場の臨場感をお客様に伝えるときに、熱量をもって届けたいからこそ自分の中にある語彙だけでは上手く表現しきれず、もどかしく思うことが多いです。日々いろいろな記事や本を読み漁り、伝え方や言葉の選び方を勉強しています。
2つ目は、多数の作品やアーティストさんの情報を幅広く追いかけ続けなければならないこと。個人的に趣味で追いかける分には、自分の好きなところだけを切り取って楽しめば良いのですが、もちろん仕事となればそうはいきません。例えば、1つの作品の中でも「役者さんや劇団が好き」「原作が好き」「このジャンル全体が好き」など、ファンの皆様はそれぞれの角度からの“好き”をお持ちなので、偏った情報ではなく作品を俯瞰的に見ながら、ファンの方にしっかり刺さるような濃い情報を集めて、自分なりに咀嚼して届けることを大切にしています。
3つ目は、Webをはじめとするコンテンツのクオリティとスピード感との葛藤ですね。良いコンテンツを最速でお届けするのは大変ですが、会社として腕の見せどころなので毎回必死です...!
こうやって話すと大変なことばかりスラスラでてきちゃいますね(笑)。でも私自身が熱狂的なエンタメファンなので、届ける側と受け取る側、双方の気持ちがわかるからこそ生まれる葛藤なのかなと思うので、この感覚は大切にしていきたいなと思います。
チケット購入から、気持ちが高ぶる体験を届けたい。
ーいちエンタメファンとして、お仕事をする中で意識していることを教えて下さい。
熱量の高いお客様に届けるには自分も同じだけの熱量が必要だと思うので、上辺だけの知識のままでWebページなどのコンテンツを作らないことや、権利元、主催者、制作会社の方などエンタメを作る側の皆様が魂を燃やしてつくった作品をどうすれば最大限の形でお客様に届けられるかを、自分なりに咀嚼し、よく考えてからコンテンツを作成することを、入社当時から意識しています。
先ほどもお話した通り、私自身、プライベートで演劇を楽しむとき、情報収集やチケットを買うときからすごくワクワクするんです。その気持ちを最大限に引き出すことが私たちの仕事なので、お客様、そしてエンタメを作る側の皆様の期待を越えるアウトプットを出し続けられるようにこれからも試行錯誤していきたいです。
おうち時間にエンタメの喜びを。たった5人で立ち上げた新サービス。
ー佐藤さんが担当した「ローチケ LIVE STREAMING」の業務について教えてください。
立ち上げ時は、主にサービスを円滑に進めるための資料準備を担当していました。当時はまだライブストリーミングが世の中に浸透していない頃だったため、社内用の運営マニュアルと並行して、お客様から上がってくるであろう想定質問を大量に洗い出してFAQにまとめたり、チケットの販売委託を行う際に、主催者様に記入いただく公演の概要書にも「アーカイブ」「投げ銭」「コメント」など通常の公演とは異なる確認項目が出てくるため、これも一から作成しました。立ち上げからリリースまで3ヶ月間とスピードとの勝負だったこともあり、サービスの立ち上げってこんなにも大変なのかと…(笑)。とにかく毎日必死でした。
ー視聴する一般のお客様へ届ける際に、工夫したところを教えてください。
当時はお客様(視聴者)もはじめてオンライン視聴をされるという方も多かったため、当日までの準備や視聴方法などのご質問もたくさんいただきました。しかしせっかくのエンタメ、当日ストレスなく公演を楽しむことに集中していただけるように、こまめにアナウンスをしたり、サイトデザインを改善したり、とにかくわかりやすさを意識したサービス作りをしました。
また、本来はすべてオンラインで完結するため紙のチケットは必要ないのですが、ライブ気分を盛り上げられたらと思い、グッズとして紙のチケットを用意した公演もありました。
少しでも思い出に残るといいなと営業担当からの提案で用意したものでしたが、配信の当日にSNSを見ているとPCやテレビの画面の前でチケットを手に持った写真がたくさん投稿されていたんです…!
コロナ禍以前も、よく公演会場でチケットを手に持った写真がSNSに上がっていましたが、それがオンラインでも実現し、通常の公演に近い体験をお届けできたことがとても嬉しかったです。
ー最後に今後の展望を教えてください。
今後、お客様や社会のニーズを考えても、ライブなどのエンタメはオフラインとオンラインのハイブリッド型に変わっていくことが予想されます。会場でも家でも、さらに両方でも楽しめる。そんな公演の形がスタンダードになった時に、すぐに対応できるよう現在サービスのアップデートを進めているところです!
オフライン、オンラインそれぞれの特性を活かし、両立させることでさらなるエンタメの可能性を今後もお届けしていきたいと考えています。
さらに、お客様によりエンタメを楽しんでいただけるように、私自身がユーザー目線で感じている課題や、こんなサービスがあったらいいなと感じることに対して、今後も積極的にチャレンジしていきたいです。それが、ローソンチケットの存在をより多くの方に知っていただくきっかけになり、ローソンチケットでチケットを購入したい!と思っていただけることにつながれば良いなと思っています。