3分で観られる映画草創期の有名作品7選
youtubeでは、パブリックドメインとなった数多くのサイレント映画(無声映画)を、無料で視聴することができる。
これらの中には、映画史において重要な作品も多く含まれている。
映画草創期は、数秒~数分の作品がほとんどで、そのためこれら作品は、ちょっとした空き時間にサラリと観ることができる。また、サイレント作品のため、英語が苦手な人でも問題なく視聴できる。
映画草創期のサイレント作品の中から、有名作品7つを紹介したい。
工場の出口(1895年)
初めて一般に劇場公開された映画で、「世界初の映画」となれば、通常この作品を指す。45秒程の作品。
工場の出口からから出てくる人々をおさめた作品だが、実は、残されているフィルムには3パターンある。
上の動画では、3パターンをそれぞれ観ることができる。違いは、工場から出てくる馬車を引く馬が一匹だとオリジナル版になる。2匹の馬か、もしくは馬車が登場しないのがリメイク版となる。
メアリー女王の処刑(1895年)
メアリー女王が処刑により首を切り落とされるシーンを描いた、初の特殊撮影(SFX)がなされた作品。上映時間18秒。
『月世界旅行』で知られるジョルジュ・メリエスが、特殊撮影の祖と言われることがあるが、実際は、ジョルジュ・メリエス以前にも特殊撮影が行われていたことがわかる。
この作品は、上述した『工場の出口』以前にエジソンのキネトスコープにより公開されたものである。
ではなぜ、『工場の出口』が最初の映画と呼ばれるのかは、以下の記事に書いている。
M・アーウィンとJ・C・ライスの接吻(1896年)
映画史上初めてキスシーンが登場する作品。上映時間50秒。
しかし当時、公開されるや否や、キスシーンとは破廉恥でけしからんとたちまち上映禁止にされた。
そのため、映画史上初めての上映禁止作品でもある。
Santa Claus(1898年)
世界初のクリスマス映画で、上映時間は1分16秒。
多重露光により、眠りにつく子どもたちと、煙突から忍び込もうとするサンタクロースが同時に描かれる。
そのため、異なるシーンを編集によって同時に描いたという点で、パラレル・アクションの最初の作品とされる。
ニューヨーク23番通りで何が起こったか(1901年)
後年、マリリン・モンローで有名な、道路の熱風によりスカートがめくれ上がる女性を写した1分17秒の作品。
所謂お色気作品であり、映画草創期から観客の興味を惹くため、エロは必要だったことがわかる。
また、スカートが少し膨れ上がるだけで、エロとして成立した当時を知ることもできる作品だ。
アメリカ消防士の生活(1903年)
消火活動を行うアメリカ消防士を描いた作品で、異なるシーンを組み合わせ、「編集」を取り入れた最初期の作品である。上映時間は6分程と、今回紹介する他作品に比べると少々長い。
特筆すべきはラストの消火シーンにある。
消防士が火事にあった建物内で、婦人と子どもを助け出すが、そのシーンを、最初は建物の内側から、その後、外側から撮影した映像を映している。
つまり、同じシーンを異なる視点で描いており、非常に画期的な作品である。
愉快な百面相(1906年)
黒板に描いた描が動き出す、初のアニメーション映画。上映時間3分。
アニメといえばウォルト・ディズニーが思い浮かぶが、最初のアニメ映画はディズニーでもミッキーマウスでもない。それは『愉快な百面相』である、とちょっとした小ネタにできるかもしれない。
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