チャナマサラ
すみませ〜ん
「は〜い!」
えっと、このチャナマサラを
「チャナマサラ!辛さは?」
2で
「ナンかご飯?」
ナンで
「飲み物は?」
あー、マンゴーラッシーで
「メェ~ンゴーラッスィー!」
以上で!
「夢か恋人?」
え?
「夢か恋人?」
…夢を選びました
「辛さは?」
…修羅です
「勘定科目は?」
…現金過不足で
「乗り換えは?」
…北千住で
「愚地は?」
克己で
「恋人は?」
故郷(くに)で幼馴染みと結婚したようです
「その幼馴染みがワタシ」
え?
「その幼馴染みがワタシ」
いや、血が…
「ジョウダンだよ!ハッハッハ!」
………
「少々お待ちくださ〜い」
「こちらチャナマサラと、ナン、メェンゴーラッスィーです。それと…」
店主はおもむろに謎の料理を机に置いた。
「こちら、サービスの"I love you though I don't love you"になります」
私はお礼を呟いて、それを口にした。
「かっっっっっっら!」
本当に信じられないくらいに辛い。火薬を食べたのかと錯覚するほどに。でも…
「…マスター、これ、辛すぎるよ。辛すぎて涙が止まらない」
「ふふ…男って不器用ね…でもアタイ、そういうの嫌いじゃないよ」
店内にしばしの静寂が訪れた。私は夢中で料理を平らげる。
「お客さんの夢はなんなんだい?」
沈黙を破ったのは店主であった。
私は答えた。
「…中華の統一だ」
「じゃあお客さん、後の始皇帝だ」
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