お風呂?シャワー?(その1)〜肩を張らずにフランス83
日本文化の象徴「お風呂」。1日の疲れを癒すだけでなく観光目的にも外せない。バスルームにいる理由は体を洗うだけじゃない。それはほんの一部。日本では「お風呂に入る」の意味は広く深い。
フランスではどうだろう?
« salle de bain »と呼ぶ一般家庭のバスルームはどうなってるの?
ワンルームマンション « studio »を借りたとする。日本のユニットバスを想像してはいけない(京都に数日滞在した時に安価なビジネスホテルに泊まった。バスルームの機能性と快適さには驚いた)。広さ2m x 1mをカーテンが仕切り、半分はシャワー部。残りに洗面と便器が収まっている。トイレが別になっていれば幸運。バスタブはない。
もう少し大きくなると、バスタブ« baignoire »がシャワートレイの代わりになる。日本のビジネスホテルのバスルームのスタイルを簡略化したものだと思えばいいか。
« appartement »マンションの広さがT3かT4くらいになるとバスルームもゆったりとしてくる。それでも独立したバスタブを入れようと思うとスペースが必要になる。折衷案としてバスタブとシャワーが一体化したものが頻繁に選ばれるわけだ。
運よくバスルームそのものが広い人はシャワーとバスタブを別々に設置する。この辺りのものになると店のカタログでもよく見かける。大変見栄えがいい。
形状と用途から想像されるように、バスタブはむしろアクセサリー。フランス人はバスルームを体を洗う場所としか捉えていない。
だからシャワーさえあれば文句を言わない。機能性第一。わざわざバスタブに湯をはって「温まる」なんて面倒なことは考えない。
そもそも「お風呂に入る」と言わずに « se laver »とか « se doucher »という。文字通り体を洗うという意味。
それじゃあバスタブはなんのためにあるの?
今の流行りはジャクジーとアロマ。要するにセラピー感覚。普段の生活でバスタブを使う人は、いなくはないが稀だろう。さもなければ「飾り」?所有欲を掻き立てるものではあるようだ。
個人差があるので異論はあることと思う。あくまで(個人的な)一般論。確かなのは、日常的にはシャワーしか使わないということ。この点ではほぼ100%の理解を得られると思う。
逆に、「温まる」日本式のバスタブ使用法が見直されてというか導入され始めている。現時点では「追い焚き」はない。さっきも触れたように、セラピーとして使われ、実際に導入しているマッサージ師 « kinésithétapeute »もいる。それ用のバスタブも専門店でちらほら見られる。普通のもの(1m60くらい?)と比べるとずっと短く(1m-1m20)深さがある。五右衛門風呂を長方形か楕円形にしたと思えばいい。「浸かって温まる」ことが目的だからこうなる。水の消費量も少なくてすむ。
また余談だが、フランスに着いて初めての家庭に居候した時、シャワーの使用に関して一つ注意された。
『シャワーは週2回まで。長く使うのはダメ」
??長く使うなというのはわかる。そもそもシャワーだからそう長くは居られない。でも週2回だけ?
実は週2−3回というのがフランスの、少なくとも普通の学生のシャワー頻度だった(今は知らないが)。まあ2日に1回というのは日本でも普通かも?3日に1回というのは、、、少し臭いそう。
ご存知の通りフランスは気候的に湿度が低いので汗をかきにくい環境ではある。2日に1回のシャワーはむしろ論理的でさえある。あとは個人差だろう。
続きます
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