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休日とヴァカンス(と仕事)(その3)〜肩を張らずにフランス18

3週間の夏の有給休暇、、、子供がいるとやっぱり出かけるかな?とりわけ大都市に住む家族だと、夏の3週間を家族全員家で過ごすのは耐え難いので、必然出かけることになる。どこに何をしに行くかは日本人とあまり変わらないと思う。ただ期間が長いので、よくあるのは山や海の近くのコテージ « gîte »を借りるというもの。家族全員が2-3週間過ごせるスペースがあり、費用的にもリーズナブル。料理買い物は自分で賄う。勿論友達同士でもOK。

« gîte »と並んで庶民のヴァカンスといえばキャラヴァン « caravane »かキャンピングカー « camping car »。キャンピングカーは年寄りの贅沢趣味的なイメージがある。トラック並みにでかい車になってしまうし、何より高い。キャラヴァンは車に引っ掛ける大きな「荷台」のようなものなので動きづらさが気にならなければ値段的にも手に届きやすい。どちらもレンタルが存在する。不便なのはキャンプ場(有料)に泊めるのが義務付けられていること。ただ電気水道を使える便利さがあるので割り切った方がいい。中にはワゴン車を改造して「ミニキャンピングカー」にしてしまう人もいる。これなら普通にスーパーの駐車場にも停められる。

キャンプ場といえば勿論テント。スポーツ用品店に行けば小さいのから大きいのまでよりどりみどり。部屋割れされたものもあるので家族全員が一つ屋根の下に寝泊まりも十分可能。学生は2-3人用のテントを好むようで、ヴァカンスの一つのスタイルになっている。

実は他人のヴァカンスの話ばかりして自分の休みの話はしてなかった。それでは自己紹介も兼ねて:

「音楽学校の教員です。日本では音楽はやっていませんでした。趣味がそのまま仕事になってしまいました。というわけで学校の子供たちと同じようにヴァカンスがあります。年間15週間はヴァカンス(仕事に行かない)です。しょっ中休みです。休み中に仕事の準備をすることもあります。出不精で休み中は専ら家の修理(ブリコラージュ)しています。安月給で出かけてもしょぼいことしかしないし、人混みは嫌いなので滅多に動きません。それでも地中海方面に何回か、一度はアルプスから南に下り、マルセイユ、アルル、ニームを通り西へ向かい、カルカッソンヌとカタリ派の古城(廃墟)を見に行ったことがあります。ちなみにカルカッソンヌでは7月14日の花火も見ました。あと日本にも行っています。」

こんなところで許してもらえるだろうか?

コロナ以降国内旅行をする人が増えた。近間で済まそうとする傾向はまだ続いているが、家族揃って出かけることが困難だった時期も終わり、夏本番で、これからいよいよヴァカンスシーズンがやってくる。家庭によっては子供に学校を休ませてでも早めに出発する(これはあまり感心しない)。フランス人のヴァカンス観が顕著に現れる時期が今年もやってくる。

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