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8月26日内視鏡再検査

 癌専門医に会ったその翌日、8月26日にもう一度内視鏡検査を受けるようにとの連絡があった。

 正直。また?と、思わないわけではないけれど、言うことを聞くしかない。ということで、急遽またヒッピー先生が診てくれることになった。
 その日、検査待ちが3,4人いたかな。みんなヒッピー先生の患者さんらしく、ヒッピー先生の名前が出るわ出るわ。患者さんにも麻酔技師にも看護師にもどうやら人気の先生だということが知れた。

 30代後半ぐらいの男性の看護師に「あ、また来たね」と言われた。わたしも顔を覚えていたので、看護師なのかヒッピー先生の助手なのかはわからないが、「またお世話になります」と挨拶。
「そんな前じゃないよね?」と訊かれる。
 確かにそんな前じゃない。前回は14日だから2週間も経ってない。

 看護師さんもみなフレンドリーだし、ここの人たちいい人ばかりなんだけど、今回担当してくれた麻酔技師の助手かな?ロシアぽい可愛いいこなんだけど、早口で何言ってるのがつかめなくて何度も訊き返してしまう。しかも独り言が多く、わたしに話しかけてるのかどうかもわからない。
 そして極めつけが点滴を差し込むジョイント部分、カテーテルのようなもの?の取り付けがめっちゃ下手だった。痛いし血がにじんでるし、こんなの初めて。
 今まで上手な人にばかりあたってたのかな。
 でも不思議と痕はそんなに残らなかった。

 今回の検査はヨードを食道内に流して色を付けて行われたそうで、目が覚めるや否や、激痛に襲われた。
「いたいっ、いたいーーー」
 小さい声しか出なかったけど痛いと言い続けたら看護師が飛んできて鎮痛剤を点滴してくれた。
 が、痛い。痛みはそんなすぐには引かない。
 病室に戻っても痛くて痛くて堪らない。本来病室に戻ったら看護師が飲み物と軽食を持ってきてくれるのだけれど、わたしの様子を見て、飲むのも厳しそう?と訊いてきた。
 水さえ飲めないから何もいらないと言うと。看護師さん、焦ったのかヒッピー先生を呼びに行ってしまった。
 ヒッピー先生がすぐに現れ、ヨードを使った検査をしたから痛みがあると説明してくれる。数日痛むから痛み止めを飲むようにと。食事は熱いものは避けて冷たいもの、例えばアイスクリームとかを取ればいいと。
 実際2日間ほとんど何も食べれなかった。食べれたのはスイカのみ。アイスクリームを試してみたけど激痛だった。
 今年は結構スイカ食べてるわ。スイカ様様だわ。
 それで、その場で前回同様簡単な説明をヒッピー先生から受けた。
「内視鏡手術は無理だよ」と。
「外科手術か科学放射線治療の2択」だと。
 ショックだった。まさか、なんで? やっぱりリンパのせい?
 でも、ヒッピー先生の口からはまたリンパに関しての説明はなかった。
「君の癌は珍しいタイプで内視鏡手術をするには大きすぎて無理だから」とだけ。
 え?大きい?いやいや小さいって癌専門医の北欧先生は言ってたよ。あなたも前回内視鏡手術も選択肢にいれてたでしょ!
 脳内大パニック。
 ヒッピー先生が去った後、がん告知を受けて初めて旦那の前で「抗がん剤ーーー」と、泣いてしまった。
 外科手術=食道全摘ということぐらい勉強したから知っている。
 それは、わたしの中ではない。
 あとは科学放射線治療しか手段はないということ。放射線治療と抗がん剤を併用して行う方法だ。

 初期の癌だからと安心していたけれど、とんでもない間違いだった。

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