【初投稿】6歳のときの記憶/絶対に忘れたくないと思ったとても大事なこと!!
私はいつものように、空の上をあちらこちらと飛んでいた。
ご近所さんの屋根の瓦に
みどり色の苔がはえているのを見つけたり
天満宮のお社があまりにも大きくて
その立派な屋根や鳥居を何度も上から眺めて
うっとりとしていた。
朝方なのか夕方なのかよく分からないけど
スズメは鳴いているし
人はまばらに小さく見えていた。
「この高さから落ちたら痛いだろうな」
そう考えたとたんに
体がズドンと重たくなって
どんどん下へ下へと降りていく。
気持ちも、どんどん重たくなっていく。
さっきまで「私はすごい人だ」と信じていたのに
「私はただの普通の人だ」に変わっていくのだ。
ああ、どうか、この感覚を忘れませんように
これは夢ではなくて
本当に私が体験していることなのだから
忘れないように覚えておこう。
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畳の上に寝かされている私。
台所で、婆ちゃんとお母さんがなにか話している声がする
食事を作っているのか
醤油の香ばしい匂いがしてくる。
「あら、嬢ちゃんが目を覚ましたよ、寒くないかね
ほらほら、布団からはみ出しているじゃないかね」
そう言いながら婆ちゃんが近づいてくる。
私はちゃんと分かっている
婆ちゃんが私のことを大切に大切にしてくれてることも
ひそかに母さんに
ライバル心を持っていることも
ちゃんと分かっているんだ。
私は6歳だけど、6歳の人間は
わりとちゃんと大人の気持ちが分かるのだと
心に留めておこう
「これは忘れちゃいけないことだ。
私が大人になったときにきっと役に立つだろう」
あのとき、そう思ったんだ。
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Lavenderより【001】
見に来てくださりありがとうございます。私と関わる全ての人が幸せでありますように。