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信頼関係あってこそ

信頼関係。

これに尽きると思うことがあった。

今日の算数、

Yは離席せず座っていた。

算数の前、Yは私に

「先生、今日の算数何やんの?」

と聞いてきた。

やる気があるんだな

そう捉えた。

このやる気を崩したらまた突っ伏すか廊下へ逃げる。

そう思い、彼ができる手立てが使えると思った。

彼にはこう言った。

「九九の表を使った勉強だよ。これを見ながらでいいから写してね。」

「うん。」とは言わないまでも頷いた。

さて、算数が始まった。

初めは廊下に出ていた。
目線の範囲には入れつつも、全体を優先。

2×1から入り、答えを聞く。

多くの子が手を挙げた。

かけられる数とかける数を抑え、めあてを書いた。

めあてを読ませ、九九表へ。

すると、名前を書くタイミングでYが教室に入ってきた。

きっと私が言ったことを覚えていたのだろう。

まずは感謝のマインドを持ち、「さ、Yくんが席に座りました。」と一言認めた。
安定はしていた。

九九表を埋めることを作業として指示をした。

全体には

「どうしてもわからなければ九九の表を見ていいですよ。」と補足を入れた。

作業開始。

初めから見る子多数。

机間巡視をしながら、

「まずは自分でやってみることが大切です。挑戦することもお勉強ですよ。」
と再度補足を入れた。

Yの方へ行くと、TTで入ってくださった先生がYと格闘されていた。

YはTTの先生が言ってることを拒否していた。
先生は
「どうして最初から見るの!まずは見ないでやるんです。」と何度も言っていた。
まずい…!
そう思い、彼の元へ行き対応を変わった。

Yは椅子をベッドの様に使い、床を見つめていた。

「Y、Y、起きて。」
「やだー。」
「先生話がしたいだけなんだけど、Yが起きないと話せないんだ。」
起きた。
「Y、なぞるか写すどっちがいい?」
彼ができる選択肢を与えた。
「じゃあ、なぞる。」
応えてくれた。
時折集中が途切れながらも一生懸命になぞっていた。
褒め認め、丸をつけた。

以前のままの私だったら、見放すか見捨てるか諦めるか叱るかであったはず。
しかも信頼関係もないまま。

しかし、今日彼が応えてくれたのは信頼関係あってこそだと思った。

では、それをどう積み重ねてきたか。

またどこかで綴っていきたい。

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